2024年05月04日
ソロストーブのための「小薪」作り


先日、長年にわたり忘れていたコールドスチールのナイフを買って男のケジメをつけた(どこがじゃ)アタシですが、実はその使い道について考えなくてはなりませんでした。
焚きつけ拾いを兼ねたデイハイクのお供、デイキャンプ、それと、、帰省。
帰省にボイジャー要らんやろー!
と思うでしょ?ところかが、アタシにとっての帰省とは奥さんの生まれ故郷である長崎の離島に帰ることを意味します。すでに実家はないので奥さんの姉の嫁ぎ先にいつも泊めてもらいます。そこに行くと必ずやるのが前庭でやる朝の湯沸かしと髭剃り、姉のためのコーヒー淹れ。最近はキャンプ用のストーブバーナーでやっていますが以前は小さなウッドストーブ(SOLO STOVEとか)でやっておりました。

2017年 離島の朝に SOLO STOVE でお湯を沸かし髭を剃る。もう一度沸かしてコーヒーを淹れる。離島の朝のルーティンざんす。野鳥の声があたり一面に満ち満ちてなんとも言えず清々しい朝ざんす。
この SOLO STOVE は現行品でいう SOLO STOVE LITE です。これを買ったのが2013年頃ですからもう11年になります。

炉内のワイヤーはすでに焼き切れておりその後100均の天ぷらオタマの柄を取り外して底網として使いそれも現在二代目です。

離島での毎朝の湯沸かしはその後ガスやアルコール燃料といった液体燃料へと変わり手早く汚れず出来るようになりました。たしかに安全で火の始末もその場で終わり煙も灰も出さずにお湯が沸かせるのはとってもイージーなのですが、ここには焚きつけとなる枯れ枝がそこらに沢山落ちています。小さな湯沸かしクッカーと小さなウッドストーブ、ライターさえ持っていけ良いのです。雨が降ったら終わりですが、、。そこで小さく切り割りした燃料をジップロックに詰めて持っていきます。それが「小薪」です。

小薪作りは落ち枝を拾うところから始めます。適当な太さの枝を拾いその場で20〜30cmに切って持ち帰ります。使うのは細い枝でもノコ刃が入りやすい細目のノコです。写真は silky ポケットボーイの細目。

持ち帰る前に樹皮を削ぎ落とすこともありますが人が通るような場所では絶対にしません。

松の枝を拾ってこのくらいにカットします。これは自宅の玄関に座布団敷いてやってます。

それをシースナイフと適当に重さのある枝でコツンコツンと叩いて割っていきます。

木質が詰まったものは無理ですが手に持って軽いものならフォールディングナイフでも叩いて割れます。勿論、叩きには力加減が必要です。割れた木片が左右に飛ぶほど強くは叩きません。

これはキャンプ場での一コマ。木質の詰まった硬い枝を細目のノコで輪切りにします。積み木のようですがこれも小薪としてそのまま焚べます。ただし、SOLO STOVE に使うには少し大きく投入したあと火力が出るまで時間が掛かります。


これくらいになると小さなブロックにするまで暇と時間が掛かります。この後1/4程度まで切り割りして炉の大きな Firebox Stove (5インチやスカウト、フリーなど)に使います。

大きな薪は半分に切るか割るかして焚き火台用として使います。

乾燥した楠の枝をsilkyの細目で短く切る。


それに IZULA を当ててコツコツと加減しながら叩く。

IZULA の小さなフラットグラインドのブレードが乾燥しきった楠の枝を割っていく。食い込んだブレードと楠の枝の間に黒く隙間が出来ている。この厚みでもブレードが楔(クサビ)の効果を発揮している。

この程度の枝にも節はある。節の硬さにもよるがこれに当たるとエッジが潰れる可能性が高い。視認できるほどではないが小さな潰れは必ず起きる。

IZULA のお仕事はここまで。あとは、新入りの出番。

先日届いたばかりのボイジャーがそれらを更に1/4に割る。

このあたりまでは IZULA に比べてブレードと割れ目の隙間は無い。叩き始めはハンドルをやや下向きに、切先をやや上向きにしてコツンコツンと加減しながら打ち込む。叩くのはブレードの背から切先に向かう角の部分。

ここまでくるとクサビ効果が現れてくる。

SOLO STOVE 用の「小薪」の出来上がり。着火後はこのピースだけで長く安定した燃焼が続く。WILD STOVE や Firebox Stove 、B-6君 あたりには小さすぎますが火力が落ちた時にはコレをひとつ二つとマッチ1〜2本を放り込むと火勢が復活します。Firebox Nano ならこれで十分。

「小薪」作りに欠かせない細目のノコギリと小さなナイフ。それにデカいフォールダーが加わりました。

手始めに「小薪」作りに使ってみたボイジャーですが、いくら頑強なロックを持っているとはいえそこはちゃんと加減してやりました。必要以上に瞬間的な負圧をかけないように。

ナイフにとっての負圧とはブレードの背に指を押し当てたり、バトンニングの様にブレードを叩いた時に掛かる上から力のことです。コールドスチールではnegative pressure と呼んでいます。

負圧(緑の↓)に対するものとして正圧(ブルーの↑)positive pressure があります。これはブレードを何かに押し当てた際にその面からブレードに向かって掛かる力です。

アタシがEDCブレードとして日頃から最も愛用している Spyderco のDELICA 4は正圧と負圧の均衡が崩れた瞬間に本来動かないはずのブレードがカクッと微動します。その際にハンドル背面のロックバーが内側に微動するのが確認できます。これは硬い木などを削ろうと力を入れた時によく起こります。最初はこれが気持ち悪く感じたものですが普段使っている分にはこの正負の均衡が崩れることは殆どなくブレードやロックバーのガタツキも見られません。
負圧に限っていえばブレードに指を当てがう際にかかる負圧とバトンの際にかかる負圧には大きな差があります。

バトニングした場合はフィクストブレードならブレードやハンドル、フォールディングナイフの場合はピボットやロックバー、ライナーなどにも瞬間的にかなり強い負荷がかかります。ご注意を。

スリムなマッチ箱ほどの「小薪」は着火用にも使えます。クルクルカール(フェザー)の必要もなく、これ以上細く割る必要もありません。アルコール燃料をほんの数滴垂らしてフェロロッドを一閃させれば一発着火。保管は適当なサイズのジップロックで。

とあるデイキャンプにて、ハチェットで小薪を作る。

こちらは WILD STOVE のために用意した小薪。市販の杉薪から作ったものなので非常に燃えやすい。WILD STOVE にはやや小さめ。
今年の夏も離島に渡るかな?
その時は小薪と SOLO STOVE とボイジャー持っていくかな。
「 IZULA でええやん!」
「え、ああ、、ね」
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