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2024年05月02日

コールドスチール・ボイジャー考察

コールドスチール・ボイジャー考察
コールドスチール・ボイジャー考察
あたしの『欲しい欲しいノート』は15年前から代々 iPhone のアプリに受け継がれてきた。今も現在使用中の iPhone 14 の中にある。そこには代々受け継がれてきた物や既に消された物が数知れず。消された物の中には購入に至ってリストから外された物、製造中止になったとか、モデルチェンジしてしまったとかで結局買わなかったり買えなかったりした物も相当数ある。今回はアタシの『欲しい欲しいノート』に現れては消え思い出しては付け加えられ、また忘れられてきた一本のナイフについて書きます。

コールドスチール・ボイジャー考察
前回『CSボイジャーとアタシ』で書いたようにアタシの『欲しい欲しいノート』にこのキレモノがリストアップされたのは初代 iPhone 3G が発売されて間もなくの2009年頃でした(iPhone 日本発売は2008年)。考えてみれば当時のアプリが今も生き残り使えるというのは凄いことかもしれません。

コールドスチール・ボイジャー考察
『欲しい欲しいノート』に初めてリストアップされた コールドスチール・ボイジャーは2009年に廃盤となっています。YouTube の『Nutnfancy 』チャンネルで初めて見たボイジャーはその年の内に廃盤となっていたのです。

そして月日が流れ、、

コールドスチール・ボイジャー考察
2024年 15年の歳月をかけてアタシの元に届いた 、
COLDSTEEL #29AC
LARGE VOYAGER
CLIP POINT

コールドスチール・ボイジャー考察
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15年前とは姿形もずいぶん変わった。iPhone も3Gから 14になった。

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本当は手前の COLDSTEEL ultra LOCK と同じサイズ感であるミディアム・ボイジャーが良かったんだけど今更言ってもあとの祭り。ミディアムサイズのボイジャーでプレーンエッジが存在していたのは2014年が最後です。それにしてもデカいのぉ。

コールドスチール・ボイジャー考察
COLDSTEEL ultra LOCK
アタシが初めて買ったコールドスチールのキレモノざんす。当時の仕事場でバリバリ働いてくれました。今はオガ炭割り専用です。

発売からモデルチェンジを経ながらこれだけ長い期間販売をされてきたボイジャーですから既に数多くのユーザー、先人たちが記事やブログ、動画などで紹介し、YouTubeなどではコールドスチール並みの実証実験をやる人が相次ぎもはや製品紹介の必要もない今日この頃。そこで今回はアタシなりの視点で捉えた現行ボイジャーの考察について書かせてもらいます。

コールドスチール・ボイジャー考察
コールドスチール・ボイジャー考察
さて、15年という月日を経てアタシの元に届いたボイジャーですが勿論それは現行品のそれです。この現行ボイジャーには L と XL の2サイズしかありません。アタシのものは L :ラージモデルです。予想はしていましたが手にしてみると流石にデカい。我が最大のフォールディングナイフとなることは確実です。これからして XL はもはやナイフではない!と確信できます。

コールドスチール・ボイジャー考察
実は10年以上前にとある仕事のために上の#29TXVS ボイジャーXLのフルセレイションを買おうとしたことがあります。しかし、丸二日に渡るヘビーワークだったとはいえその為だけに普段は絶対に使うことのないドデカいナイフを買うなんて、と思い止まりました。

コールドスチール・ボイジャー考察
コールドスチール・ボイジャー考察
コールドスチール・ボイジャー考察
さて、先ずは全く意味が無いことを承知で Spyderco DELICA 4 と並べてみます。Spyderco DELICA はアタシの中では最良の EDCブレードです。ブレード長、ハンドル長、鋼材、ポケットクリップ、アクション、そして厚みと重さ、アタシの中のEDCブレードの基準にこれら全てが合格という数少ないキレモノです。

コールドスチール・ボイジャー考察
アタシが欲しかった最初のボイジャーはセカンドモデル(Zytel ハンドルと金属製クリップ装備 2009年廃盤)で現行の Tri-Ad Lock はまだ組み込まれておりませんでした。ブレードやロックバー、ハンドルも現行の物よりスリムでした。畳んだ時もかなりスリムだったと思います。実際に手にしたことはありませんがもし今これがあったなら DELICA 4といい勝負だったかもしれませんね。

コールドスチール・ボイジャー考察
コールドスチール・ボイジャー考察
スリムでポケットにクリップしても何ら違和感のない軽量で軽作業向きEDCブレードの DELICA と、ロック機構としては極めて頑強と名高い Tri-Ad Lock とそれを形作る分厚いロックバーやライナーで補強された Griv-EX製のハンドル材を持つハードユース前提の現行ボイジャーは比べること自体がまるで土俵違い。それはわかっています。 上の写真はロックバーとブレードの合わせ部分を上から見たものですが、これからもこの二つのキレモノの宿命みたいなものがわかる気がします。ボイジャーにはブレードとロックバーの間にストップピンと呼ばれるこのナイフの要が存在しています。これが Tri-Ad Lock の秘密ですね。

コールドスチール・ボイジャー考察
手前は仕事でもよく使われる WENGER のバルダン。バルダンはツールナイフとしてそれなりの機能とそれに比例した本体の厚みを持っておりますがカラビナフックでぶら下げている限りは重さも厚みも全く気になりません。

コールドスチール・ボイジャー考察
兎にも角にもこのボイジャーのラージモデルはアタシの考えるEDCブレードからは遠くかけ離れたサイズであることは間違いありません。これが最初の視点(アナザーストーリーか!)。

コールドスチール・ボイジャー考察
次の視点(わかったっつーの)はフィクストブレードとの比較です。これはわりとまともな比較だと思います。その理由は2010年以降のボイジャーが頑強なロック機構を装備したことで過度に激しい実証実演を受けてきたことにあります。本家本元(コールドスチール)が始めた一連の実証実験は特に有名で、もはや名物とも言えます。

コールドスチール・ボイジャー考察
ナイフをひっくり返してブレードの背を角材に打ちつける↑
コールドスチール・ボイジャー考察
ハンドルのブレードピボットの後方を角材に打ちつけ慣性質量も加えてロックの強度を示す↑
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角材にブレードを押し付け木の棒でぶっ叩く↑
コールドスチール・ボイジャー考察
手に持ったナイフのブレードの背を木の棒でぶっ叩く↑
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出たー!ハンドル後端に取り付けたワイヤーにウエイト(ディスク)を一枚また一枚と増やしてぶら下げていく。ロックの強度とハンドル強度を実証する↑
コールドスチール・ボイジャー考察
ブレードを起こして高い場所に突き刺し固定、ハンドルに人がつかまり懸垂、、なにもそこまで(^^;)

とまあ、本家がこれですからそれを実際に手にした人たちが試したくなるのもわからなくはないのですが、、。ただ、これにはよく見りゃ気がつくカラクリがあるのです。そのカラクリとは、

コールドスチール・ボイジャー考察
『コールドスチールによる派手な実演を見るとある程度の「加減」がされているとわかります。たとえば、木の棒でブレードを叩く実演ではけっして気合いを入れて激しく打ち込んではいませんし、角材にブレードを叩きつけるのも加減しているのがわかります。ウエイトをぶら下げロックとハンドルの強度を実証する実演も極めて慎重に支えを外している。スタッフがハンドルにつかまり懸垂する実演でもゆっくりと体を持ち上げ瞬間的な負荷がかからない様にしています。アタシはこのへんの「加減」がポイントだと思います。どの実証実演も瞬間的に度を超える負荷はかけていません。Tri-Ad Lock といえど瞬間的に過度の負荷をかけるのは危険だということです。』

しかし一般のユーザーは違います。動画サイトを見ていてもコールドスチールの実演より過激にブッ叩く、ブッ刺す、ブン投げつけるなど容赦がありません。その中で多くの人がやっていたのが『叩き』いわゆるバトニングです。『叩き』といえばこれまではフィクストブレードの役割でした。アタシも必要に応じて時々やります。

コールドスチール・ボイジャー考察
アックスやハチェットを使いたくない場面、たとえばキャンプ場などで周りに子どもがいるとか、後ろを人が通る可能性があるサイト内では割れた薪が飛んだりアックスを振り上げるのが危険な場面もあります。そんな時こそ小さなスペースで加減しながら出来るナイフバトンです。
コールドスチール・ボイジャー考察
上の写真は Kershaw 1056 で楠の枝を割った時のものですが叩きはこのあたりまで、ここから先はハンドルから刃先に体重をかけて押し割りました。ここで加減せずおもいっきりブッ叩くとロックが外れてしまいます。 しかし、フォールディングナイフでバトンするなど普通はやりません。やったことはありますが(やったんかい!)。それはたまたまそれしか持っていなかったからで、しかもかなり手加減しながらやりました。
コールドスチール・ボイジャー考察
これは仕事で訪れたお宅でシュロの剪定を頼まれ何とか切ったものの小さなゴミ袋に入れて捨てなければならず持っていたウェンガーで硬い茎をバトン、この時は予めハンドルを90°折り畳んで慎重に割っていきました。
コールドスチール・ボイジャー考察
こんな時こそボイジャーの出番ですかね。いえいえ、やっぱりフィクストでしょう!って?さあ、あなたならどうします?頑強なイメージのフィクストブレードも『絶対!』はありません。折れる時は折れます。さあさあ、どうする?

コールドスチール・ボイジャー考察

EDCにはデカ過ぎる、ブッシュクラフトはナンチャッテ程度で暇つぶし、サバイバルなど口にするのも恥ずかしい街暮らし、山へ行くと勇んでいつもの低山300mも中腹まで、スプーン彫るにも不器用すぎるしデカすぎる、調理に使うにはマッチョすぎる、はてさてこのキレモノ何に使う?

答えは「何にでも使えるさ!」
ただし、「その気になりゃ」がオマケにつく。

コールドスチール・ボイジャー考察

先日、自宅でバケットを切ってみた。ザクっと鋭く切り込みスパッと切り分けられた。使える、しかし自宅のキッチンでバケットを切り分けるのにボイジャーはあまりにマッチョすぎて苦笑いしてしまった。使えるが合わない。合わないが使える。ここですね。

コールドスチール・ボイジャー考察

アタシにとってブッシュクラフトはナンチャッテ程度。枝木を削って焚き付けにしたりクッカー用のフックを作ったり即席の箸やスプーンを作ることもあるけれど、それも必要に応じてか暇つぶし。ボイジャーには似合った世界に思えますが細かな作業にはやっぱりデカすぎる。焚き付け作りが的役です。

残るはやはりキャンプですか。
いっそのことキャンプに行く時は何がなんでもコレを持って行って何から何までコレでやる「追い込み的」使い方でもしましょうかね。

コールドスチール・ボイジャー考察
それと、、帰省する時に持っていく。
「帰省にボイジャー要らんやろー!」って?

つづく



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