ナチュログ管理画面 キャンプ キャンプ 九州・沖縄 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2024年05月02日

CS ボイジャー考察



あたしの『欲しい欲しいノート』は15年前から代々 iPhone のアプリに受け継がれてきた。今も現在使用中の iPhone 14 の中にある。そこには代々受け継がれてきた物や既に消された物が数知れず。消された物の中には購入に至ってリストから外された物、製造中止になったとか、モデルチェンジしてしまったとかで結局買わなかったり買えなかったりした物も相当数ある。今回はアタシの『欲しい欲しいノート』に現れては消え思い出しては付け加えられ、また忘れられてきた一本のナイフについて書きます。


前回『CSボイジャーとアタシ』で書いたようにアタシの『欲しい欲しいノート』にこのキレモノがリストアップされたのは初代 iPhone 3G が発売されて間もなくの2009年頃でした(iPhone 日本発売は2008年)。考えてみれば当時のアプリが今も生き残り使えるというのは凄いことかもしれません。


『欲しい欲しいノート』に初めてリストアップされた コールドスチール・ボイジャーは2009年に廃盤となっています。YouTube の『Nutnfancy 』チャンネルで初めて見たボイジャーはその年の内に廃盤となっていたのです。

そして月日が流れ、、


2024年 15年の歳月をかけてアタシの元に届いた 、
COLDSTEEL #29AC
LARGE VOYAGER
CLIP POINT



15年前とは姿形もずいぶん変わった。iPhone も3Gから 14になった。


本当は手前の COLDSTEEL ultra LOCK と同じサイズ感であるミディアム・ボイジャーが良かったんだけど今更言ってもあとの祭り。ミディアムサイズのボイジャーでプレーンエッジが存在していたのは2014年が最後です。それにしてもデカいのぉ。


COLDSTEEL ultra LOCK
アタシが初めて買ったコールドスチールのキレモノざんす。当時の仕事場でバリバリ働いてくれました。今はオガ炭割り専用です。

発売からモデルチェンジを経ながらこれだけ長い期間販売をされてきたボイジャーですから既に数多くのユーザー、先人たちが記事やブログ、動画などで紹介し、YouTubeなどではコールドスチール並みの実証実験をやる人が相次ぎもはや製品紹介の必要もない今日この頃。そこで今回はアタシなりの視点で捉えた現行ボイジャーの考察について書かせてもらいます。



さて、15年という月日を経てアタシの元に届いたボイジャーですが勿論それは現行品のそれです。この現行ボイジャーには L と XL の2サイズしかありません。アタシのものは L :ラージモデルです。予想はしていましたが手にしてみると流石にデカい。我が最大のフォールディングナイフとなることは確実です。これからして XL はもはやナイフではない!と確信できます。


実は10年以上前にとある仕事のために上の#29TXVS ボイジャーXLのフルセレイションを買おうとしたことがあります。しかし、丸二日に渡るヘビーワークだったとはいえその為だけに普段は絶対に使うことのないドデカいナイフを買うなんて、と思い止まりました。




さて、先ずは全く意味が無いことを承知で Spyderco DELICA 4 と並べてみます。Spyderco DELICA はアタシの中では最良の EDCブレードです。ブレード長、ハンドル長、鋼材、ポケットクリップ、アクション、そして厚みと重さ、アタシの中のEDCブレードの基準にこれら全てが合格という数少ないキレモノです。


アタシが欲しかった最初のボイジャーはセカンドモデル(Zytel ハンドルと金属製クリップ装備 2009年廃盤)で現行の Tri-Ad Lock はまだ組み込まれておりませんでした。ブレードやロックバー、ハンドルも現行の物よりスリムでした。畳んだ時もかなりスリムだったと思います。実際に手にしたことはありませんがもし今これがあったなら DELICA 4といい勝負だったかもしれませんね。



スリムでポケットにクリップしても何ら違和感のない軽量で軽作業向きEDCブレードの DELICA と、ロック機構としては極めて頑強と名高い Tri-Ad Lock とそれを形作る分厚いロックバーやライナーで補強された Griv-EX製のハンドル材を持つハードユース前提の現行ボイジャーは比べること自体がまるで土俵違い。それはわかっています。


手前は仕事でもよく使われる WENGER のバルダン。バルダンはツールナイフとしてそれなりの機能とそれに比例した本体の厚みを持っておりますがカラビナフックでぶら下げている限りは重さも厚みも全く気になりません。


兎にも角にもこのボイジャーのラージモデルはアタシの考えるEDCブレードからは遠くかけ離れたサイズであることは間違いありません。これが最初の視点(アナザーストーリーか!)。


次の視点(わかったっつーの)はフィクストブレードとの比較です。これはわりとまともな比較だと思います。その理由は2010年以降のボイジャーが頑強なロック機構を装備したことで過度に激しい実証実演を受けてきたことにあります。本家本元(コールドスチール)が始めた一連の実証実験は特に有名で、もはや名物とも言えます。


ナイフをひっくり返してブレードの背を角材に打ちつける↑

ハンドルのブレードピボットの後方を角材に打ちつけ慣性質量も加えてロックの強度を示す↑

角材にブレードを押し付け木の棒でぶっ叩く↑

手に持ったナイフのブレードの背を木の棒でぶっ叩く↑

出たー!ハンドル後端に取り付けたワイヤーにウエイト(ディスク)を一枚また一枚と増やしてぶら下げていく。ロックの強度とハンドル強度を実証する↑

ブレードを起こして高い場所に突き刺し固定、ハンドルに人がつかまり懸垂、、なにもそこまで(^^;)

とまあ、本家がこれですからそれを実際に手にした人たちが試したくなるのもわからなくはないのですが、、。ただ、これにはよく見りゃ気がつくカラクリがあるのです。そのカラクリとは、


『コールドスチールによる派手な実演を見るとある程度の「加減」がされているとわかります。たとえば、木の棒でブレードを叩く実演ではけっして気合いを入れて激しく打ち込んではいませんし、角材にブレードを叩きつけるのも加減しているのがわかります。ウエイトをぶら下げロックとハンドルの強度を実証する実演も極めて慎重に支えを外している。スタッフがハンドルにつかまり懸垂する実演でもゆっくりと体を持ち上げ瞬間的な負荷がかからない様にしています。アタシはこのへんの「加減」がポイントだと思います。どの実証実演も瞬間的に度を超える負荷はかけていません。Tri-Ad Lock といえど瞬間的に過度の負荷をかけるのは危険だということです。』

しかし一般のユーザーは違います。動画サイトを見ていてもコールドスチールの実演より過激にブッ叩く、ブッ刺す、ブン投げつけるなど容赦がありません。その中で多くの人がやっていたのが『叩き』いわゆるバトニングです。『叩き』といえばこれまではフィクストブレードの役割でした。アタシも必要に応じて時々やります。


アックスやハチェットを使いたくない場面、たとえばキャンプ場などで周りに子どもがいるとか、後ろを人が通る可能性があるサイト内では割れた薪が飛んだりアックスを振り上げるのが危険な場面もあります。そんな時こそ小さなスペースで加減しながら出来るナイフバトンです。

上の写真は Kershaw 1056 で楠の枝を割った時のものですが叩きはこのあたりまで、ここから先はハンドルから刃先に体重をかけて押し割りました。ここで加減せずおもいっきりブッ叩くとロックが外れてしまいます。 しかし、フォールディングナイフでバトンするなど普通はやりません。やったことはありますが(やったんかい!)。それはたまたまそれしか持っていなかったからで、しかもかなり手加減しながらやりました。

これは仕事で訪れたお宅でシュロの剪定を頼まれ何とか切ったものの小さなゴミ袋に入れて捨てなければならず持っていたウェンガーで硬い茎をバトン、この時は予めハンドルを90°折り畳んで慎重に割っていきました。

こんな時こそボイジャーの出番ですかね。いえいえ、やっぱりフィクストでしょう!って?さあ、あなたならどうします?頑強なイメージのフィクストブレードも『絶対!』はありません。折れる時は折れます。さあさあ、どうする?

  


Posted by ponio at 21:29Comments(0)刃物camp道具たち

2024年05月01日

CSボイジャーとアタシ



COLDSTEEL の中でも今や古株となりつつあるVOYAGER(ボイジャー)シリーズは過去にブレード鋼材の変更(VG -1・AUS 8A・CTS BD1・AUS 10Aなど)があったが大きくモデルチェンジしたのは2010年の一度だけ。コールドスチールは2010年にボイジャーのハンドルデザインを大きく改め更に Andrew Demko 設計開発の 『Tri-Ad Lock』が装備された。

これが現行(2024年現在)モデルにつながる大きなモデルチェンジとなり、また MADE IN JAPAN から MADE IN TAIWAN への舵切りの一端にもなった。

「2000年前後、日本の刃物生産地である関では一部の業者がこの先日本のナイフ産業はタイワンに追い抜かれると予測していた。」



COLDSTEEL VOYAGER ®︎
ボイジャーが初めて登場したのが1993〜1994年版カタログ。この最初期のボイジャーはザイテル製ハンドルと一体成形されたintegral ポケットクリップが付いていました。現在の様な別部品のメタルクリップに変更されたのは2000年からです。


1999年版カタログより↑
Tuff-Lite と呼ばれる Lanyard Hook 付きのスモールモデルがあった頃。鋼材は AUS 8A となっている。



2000年版カタログより↑
ポケットクリップが現行と同じ別パーツの金属製クリップに、ハンドルのテクスチャーも変更になっている。鋼材は VG-1に変更されている。


この年(2000年)Andrew Demko 設計開発の Tri-Ad Lock が一部のモデルに搭載され始める。ボイジャーにこの強靭なロックシステムが搭載されるのは10年も後のことだ。

2001年版カタログより↑
素晴らスィー!ボイジャー王国や!Tuff-Lite や Land & Sea/Rescue、Gun Site といった固有名称が付けられたスペシャルなボイジャーも豊富だった。

2004年版は爽やか〜な色使い。

コールドスチール2009年年版カタログより↑
ブレード鋼材は VG-1 stainless steel となっています。


このシンプルでタフなフォールディングナイフが当時使っていた iPhone 3G の中のアプリに『欲しい欲しいノート』として初めてリストアップされたのはもう15年以上前のこと。当時、iPhone は Softbankのみでここ福岡ではアンテナ数も極めて少なくYouTube も途切れ途切れのグルグルタイムが当たり前。そんな動画の中でよく見ていたのがかの『Nutnfancy 』のチャンネル。その中で彼がEDCブレードとして “excellent!”と称賛していたのが当時のCOLDSTEEL VOYAGER だったのです(2009年頃)。

Nutnfancy チャンネルで紹介されたボイジャーミディアムモデルはMADE IN JAPAN でした。日本では服部刃物がコールドスチールのOEM生産をしていました。ボイジャーはわかりませんが。アタシがこのオーソドックスなロックバックナイフの何に惹かれたのか。たぶん、当時始めたばかりだった今の仕事に使えそうだとでも考えたのだろうか。

15年前(2009年)の
“Nutnfancy channel”より。Nutnfancy はハンドルに施されたダイヤモンドパターンのテクスチャー(滑り止め)の一部をサンドペーパーで削り落としてスムースに仕上げたと言っておりました。これについてはアタシも全く賛成です。ポケットクリップの下にはテクスチャーは要らない。




2010年版カタログより↑
現行モデルにつながるボイジャーの完全リニューアルモデルが登場。製造国は日本から TAIWAN に移行、コールドスチールにとってこのあたりが一つのターニングポイントになったとアタシは思います。勿論、良い意味で。


大幅なモデルチェンジの翌年2011年 の Nutnfancy チャンネルでは新型ボイジャーがアップされている。この年のコールドスチールのカタログでは鋼材が AUS 8A と記載されている。


この2010年に登場したニューボイジャーのデザインはアタシの中では「ガックリ」というか「ショック」というか、それほどに変わってしまっておりました。特にハンドルが、、角ばったエビか黒いタツノオトシゴみたいで、、そしてこの年アタシの『欲しい欲しいノート』からボイジャーの名が消えました。


この時点で先の日本製ボイジャーは廃盤(2009年のカタログ掲載が最後)となりその後は各ディーラーの在庫が切れるまで販売が続けられ、そこから先は個人売買のみでしかお目にかかれなくなりました。結局このモデルは買わずじまいでリストから消滅したのです。


2011年版カタログより↑

2012年版カタログより↑

2013年版カタログより↑

2014年版カタログより↑
この年までボイジャーにはミディアムモデルが存在していました。更にこの前年(2013年)までセレイション付きのコンボエッジかフルセレイションしか存在していなかった各モデルにプレーンエッジが追加されています。キタ〜!

2015年版カタログより
この年のカタログからボイジャーのミディアムモデルが消えてしまう。(T . T)

2016年版カタログより↑

2017年版カタログより↑



2018年版 カタログより ↑
この年のボイジャーのデータ表にはブレード鋼材は CTS®︎BD 1 となっている。



2019年版のカタログにはブレード鋼材が現行の AUS 10A に変更されている。↑


新型ハンドルになって一度は『欲しい欲しいノート』から消された VOYAGER でしたが、ある日思い出した様に見たサイトでボイジャーのラージモデルに目が留まります。あれ?なんか変わった?いやいや、何も変わってないずら、、ん? 後で気づくのですがアタシがはじめ「ガックリ」きた新型ボイジャーのグリップは XLモデルのそれだったのです(持ってる人すんましぇん)。ラージモデルはよく見るとXLモデルよりも形が極端にカクカクして見えません(実際にはカクカクしてるのだが)。しかもブレードがプレーンエッジではありませんか?!「ムムム、、いつの間に!」
鋼材も AUS 10Aになっとるではないかー!

「ナニイッテヤガルンデェ!ベラボーメ!こちとらとっくの昔に出てるんだよ!」とボイジャーが片袖まくり上げ息巻いている様でしたわ。それからすぐにボイジャーが『欲しい欲しいノート』に復活したのは言うまでもありません。この15年の間にアタシの iPhone は 3Gから 14へと代わっておりました。


2020年版カタログより

2021年版のカタログ ↑
ラージモデルと XL モデル にドロップポイントが加わった。雰囲気変わる〜これもええねー。

てなわけで、男としてしっかりケジメをつけるべく、
『アタシハカッタボイジャーヲ』。

*今回、COLDSTEELさんのカタログ画像切り取らせて頂きました。ボイジャー買ったから許してね。

ponio  


Posted by ponio at 23:32Comments(0)刃物camp道具たち日常使い

2024年04月25日

キッチン周りのキレモノ衆

これまで何度も書いてきましたわが家のキレモノ・キッチン班を改めて再招集しました。


2024年現在、7名のキレモノさんたちがキッチン周りで活躍しております。左のお三方は後ほど、
❶ ビクトリノックス・ペティナイフ(波刃)
❷貝印 ペティナイフ
❸仙蔵作 菜切り包丁
❹AL MAR 中華包丁

❶ のビクトリノックス・ペティナイフは波刃のものでピーマンをスライスさせたら右に出る者なし!

もう一本の波刃とプレーンエッジの2本はキャンプ用です。波刃といえば食パンのスライス用みたいだけど波刃の波頭の立ち方が違います。このビクトリノックスの波刃はパン切りとして使うとパン屑がけっこう出ます。逆に新鮮なピーマンの様にパリッと硬いものは軽く引くだけでスウっと刃が入ってくれます。柔らかな薄切り肉を切るのにも向いていません。波刃が引っかかって切り口が汚くなります。


❷ の貝汁のペティナイフは奥さんが使っていたもので、切れなくなってそのまま直されていたところをアタシが発見、研ぎ直して15年以上現在も現役です。今では貝印のエッチングも薄く判別出来なくなりつつあります。


❸ の菜切包丁は現在のサンクラフトが販売している『仙蔵』ブランドのもので、これも奥さんの愛刀で使用頻度はダントツで高いキレモノです。研ぎはアタシが担当していますが、うちの奥さんは使用後の包丁をさっと洗って水切りのカゴ(金属製)にガサっと置いたり刃を下にして食器と一緒に突っ込んだりするので結構な確率で刃こぼれが起きます。ただ、切れ味は流石に鋼のそれです。


❹ のAL MAR 中華包丁はかれこれ20年以上前に大阪で買ったものです。硬いカボチャを押し切りしたり、焼きたての食パンを見事にスライスしたり、ニンニクや生姜を細かく刻むのにも使います。ステンレス鋼ですが表面的な錆もチラホラと浮かんでいます。


ビクトリノックスのピクニッカー旧モデル。これも大阪時代からの愛用品で本来ならもう一本あるはずなのですが、、長いブレードにはロックがかかります。他には缶オープナーやボトルオープナーなども付いていますがほとんど使われることはありません。正味、切るだけ。

ロックは旧型のスライド式、これがアタシには断然使いやすい。

現行品のピクニッカーはロック機構(矢印)がアウトライダーやセンチネルと同じライナーロック式。これも慣れると普通に使えるけれど操作はスライド式が安全で楽です。

ブレードは長くてツルツルの鏡面仕上げ、水を弾き脂汚れも落としやすく洗ってぶら下げておいてもサビひとつ浮いていません。かれこれ20数年ずっと使ってきての話です。



ビクトリノックス のセンチネル(ワンハンド、クリップ付き)は本来キャンプ用でしたが今は自宅キッチンが仕事場です。こちらも鏡面でツルピカのブレード、上のピクニッカーと同じで素晴らしくよく切れ手入れも楽ちん。ただ、

このライナーロックがやや使いずらいとアタシは感じています。アウトライダーのライナーと比べてロック解除のために指をかける凸部が小さくしがも硬いのです。ライナーロックとしてはかなり深く確実に掛かるのですが、通常のライナーロックとは違いブレードはライナーと背面のロックバーの2方向から強いテンションを面で受けています。このため、親指などを弾くようにしてブレードを開くフリックは出来ません。ブレードに設けられたサムホールに親指を掛けグイッと油断なく回してやらないとブレードは開き切りません。この点ではピクニッカーのスライド式のロックの方が操作性に優れていると感じます。



Spyderco の DELICA 4 はここ一年ばかりでキッチン班に加わった新入りですがこちらは既に EDCブレードとして日常からキャンプ、仕事にまで使われてきたキレモノです。Food Processing 、食材を処理する能力にも長けていて細かな作業はこちらの担当です。ただ、先のビクトリノックスのブレードとは違い鏡面ではありませんので水気はなるべく拭き取って置いてます。


上の集合写真には入っていませんが、こちらもキッチン班の一員です。食材をカットするのには使われません。こちらは2週に一度買ってくるコーヒー豆のパックを開封する専門職です。もちろん、他のキレモノでも良いのですが、これでパッケージオープンするのが好きなのです。


こちらは時々応援に駆けつけてくれる EKA の Swede 88 。薄くシャープなブレードは柔らかな食材から硬い人参も割らずにスイっと切ってくれます。ハンドルはオピネルと同じく木製なのでビクトリノックスの様に丸洗いはしません。とても軽量なのでキャンプ用としても重宝します。

自宅のキッチン周りで働くキレモノたちは菜切り包丁を除いて全てが何らかのステンレス鋼のブレードです。食材も水分の多いものから酸性のもの硬いものから崩れそうな柔らかいものまで様々です。常に切れることが大前提ですがやはり手入れのし易さや清潔さも大切な部分です。これら日々キッチン周りで働くキレモノたちはある意味キャンプなどで使われるだけのキレモノよりはるかに使用頻度も高く傷みも多くハードな毎日なのです。「切れなくなったら捨てる」90年代の終わり頃からそう言われていた安い包丁だって研げば使えるのです。ですから日々シャープをキープです。

ponio
  


Posted by ponio at 11:41Comments(0)刃物道具たち日常使い

2024年04月21日

こんがらがるわ MORA


これ毎度お馴染みのアタシのリトル MORA です(右)。
正式には MORAKNIV CLASSIC 2/0 と申します。アタシがこれを買ったのは、はていつだったか、、。
その後、これ 【CLASSIC 1】じゃねーの?と疑念が湧いてきました。いろいろ調べてみると現在 MORAKNIV のサイトにはこの品番のモデルは出てきません。はて、ホンマにこんなモデルあったのか?

更に調べてみると 2016年頃の海外の記事にこんな説明がありました。

“The 2/0 is the smallest of the Classic knives (this article was written 2016). Basically it's a miniature of the regular Classic 1.”

「2/0はクラシックナイフの中で最も小さいものです(この記事は2016年に書かれました)。基本的には通常のクラシック1のミニチュアです。」と訳されます。


ムム、やっぱりアタシ合ってたのね!と何となくホッとしました。ほんで〜、アタシ自身がこんがらがった CLASSIC 1 や2 との違いですが、、

CLASSIC 1/0
刃長 約77mm
全長 約204mm
刃厚 約2.0mm
重量 約38g
付属品 プラスチックシース、レザーベルトループ


CLASSIC 2/0
刃長 - 74 mm
刃幅 - 16 mm
刃の厚さ - 2.5 mm
全長- 170 mm

CLASSIC 2/C
刃長 約105mm
全長 約250mm
刃厚 約2.5mm
重量 約72g
付属品 プラスチックシース、レザーベルトループ

CLASSIC original 1
刃長 約99mm
全長 約198mm
刃厚 約2.7mm
重量 約60g (ナイフのみの重量)
付属品 レザーシース

とのデータ表記になります。CLASSIC 1と 2/0の違いはサイズです。全長と刃長は CLASSIC 1の方がやや長く、刃厚のみ CLASSIC 2/0 が 0.5mm 厚く作られています。これ以前この CLASSIC 2/0 の記事を書い た時にも記していましたが、現行のラインナップを見る度に「うーむ、ホンマこれ CLASSIC 2/0なのか?」という疑念が湧いていました。答えはそれで正解。

はあ〜これでスッキリ!

ponio
  


Posted by ponio at 11:03Comments(0)刃物道具たち日常使い

2024年04月19日

誕生日プレゼント

2024年 令和6年 今年も誕生日がやってきた。産み育ててくれた父母とご先祖様に大感謝!

つい何日か前に奥さんが、
「誕生日何か欲しいものある?」と尋ねてきた。
アタシの秘密の『欲しい欲しいノート』にはそりゃぁ沢山の欲しいブツがひしめいているが、それは今すぐ必要でも仕事や日常で日々使う物でもないから「これ〜!」とは言えません。どうやら奥さんは既に何処かに何かを注文しているらしく、、


そして届いた、『鯨の大和煮缶詰36個セット!』
アタシはこれを『宇宙戦艦大和煮缶詰』と呼んでいた。テレビの通販CMで繰り返し流れるこの缶詰、普段はあまり呑まない酒の肴にと、仕事の合間に一時帰宅した時の簡単食として前々から「これ欲しいわー」とテレビに向かって言っていたのを奥さんが覚えていてくれたのだ。くぅー泣けるぜ!さらば〜地球よ〜♪


見よ!この燦然と輝く宇宙戦艦大和煮缶詰の威容を!
実は先日「何か欲しいものある?」と聞かれた時にアタシが冗談半分で答えたのがコレだったのだ!勿論、奥さんはそれ以前に注文していたわけでこの夫婦間のテレパシー感が凄い!と二人で大笑い。


製造は『木の屋・石巻水産』、テレビのCMと同じです。

消費期限は『2027.02.15』これを見た奥さんが「ひと月に一個よ!」それで36ヶ月、3年もつ!と申します、、、エェーーーーそんなぁーーー!

これが届いたその夜、晩御飯のお供にと一缶開けました。鯨肉の脂がコラーゲンの様にプルプルして一口食べると期待を裏切らない生姜風味の大和煮味。奥さんがちょっと温めたら?と言うので PRIMUS の IP-2243 に缶ごと乗っけて極トロ火で温めました。ここで中火や強火にかけると間違いなく『突沸』が起こり辺り一面飛び散りの刑となります。温め直した缶詰は白いご飯にピッタシ!

さて、この『宇宙戦艦大和煮缶詰』の残り35缶を何処に隠すか(隠さんでも!)。ここはキャンプ用の食器やカトラリー、他調理器具の収納に使っているNTボックスに封じ込めました。あとはこれを他の誰かが開けて食わない様に『魔除けのお札』を貼っておきまひょ。そしてイスカンダルへ旅立つ時はコレを持っていきますのさ。


  


Posted by ponio at 20:21Comments(0)日常使い

2024年04月01日

四月の雑記・度々追記



昨日の花曇りから一転、今日はほんまに良い天気です。昨夜は遅くまで救急搬送された高齢者の対応に追われました。今日は朝から二件の仕事を終えて昼頃に一旦休憩。次の仕事が始まるまでの1時間半の間にさっと道具をまとめて海に行ってきました。本日は小潮で正午は満潮。先日行った時は砂浜がかなり荒れていて腰を落ち着ける場所もなく居場所探しに苦労しました。


本日は前回燃料漏れから大炎上した SOTO SOD-372を連れ出し再点火してみます。前回は気温が一桁の寒さでした。いつものガスモードによる予熱を与えずマニュアル通りのガソリンによる点火を試みましたが予想通り点火に至らず本体下部から燃料ポタポタで引火炎上しました。

今日は気温20℃の屋外です。いつもと違うのは海風を考慮してポンピングを少し多めにしたことです。風に煽られプレヒートに時間がかかるとそれだけボトル内の圧が下がるため念のために少し多めにポンピングしたわけです。

この際にボトルの内圧の目安となるインジケーターを指で押し込んでチェックします。ご存知の様にこのスマートポンプはポンピングの回数がある程度を超えると真鍮のインジケーターが凸状態になります。が、これを指で押し込んでみると意外とすんなりら凹んでしまいます。そこで更にポンピングしてインジケーターがそこそこ強く反発するようになるまで圧をかけてやります。これで準備完了。

ダイヤルのロックを解除しSTARTへ。例によって先にエアーの噴出音がします。ライターの火を当てていると少しして点火しました。前回は待てど暮らせど点火に至らず燃料ポタポタから炎上となりました。プレヒートのオレンジフレームが落ち着くまで10数秒、燃焼音が変わったタイミングでダイヤルを RUNへ。すかさず追加のポンピング。点火はごく普通に上手くいきました。

その後、ダイヤル操作で意図的に緊急停止させ火が消えた後15分ほど放っておいて再点火。ボトル内の圧は保たれたままですが凸状態のインジケーターを指で押してみると簡単に凹みます。それではと再度少な目にポンピングして問題なく点火・プレヒート・本燃焼と移行しました。


アタシの SOTO SOD-372 はガソリンストーブ特有の個体差があるのかもしれませんね。毎回ほぼ同じ燃料(量的に)と同じ操作方法でやっても真冬の特に気温の低い日はマニュアル通りの操作では燃料漏れと炎上を起こします。そんな条件の日はアタシは迷うことなくガスモードで極短時間の燃焼(勿論、湯沸かしや調理をしながら)でプレヒート、その後直ぐにガソリンモードに切り換えて本燃焼へと移ります。このやり方は一見面倒くさそうですが少ないポンピングでも一発青火点火で追加のポンピングも必要なし。気温が上がり出す春先くらいからはガソリンだけでも普通に点火・プレヒート・本燃焼へと移行します。まあ、これはこれでこのストーブの持っている癖として覚えておけば良いことです。


SOTO SOD-372 の点火確認のついでに湯沸かし。Trangia のケトルの中には小さなタッパーに入れた挽き豆コーヒーが一杯分。ケトルの蓋は輪ゴムでおさえてあります。貧乏くさいが簡単ス。

キャンプではやめた挽き豆からのドリップですが、何故か今日はチト濃い〜コーヒーが飲みたくなって一杯分だけ持ってきました。MSR の簡単なフィルターで少し濃い目のコーヒーを淹れます。サーモスの保温保冷タンブラーにコーヒーを閉じ込め蓋をしておきます。あとはのんびりと海を眺めながらストーブを片付けます。

今日のお昼はこれだけ。ウェンガーのナイフはパッケージオープナーです。もちろん、手でも開けられますがキレモノで開ける方が簡単です。


桜もほぼほぼ満開近い四月の始まりです。


この春最初の生き物撮りは草地でぴょこぴょこ跳ねていたニホンアマガエルのケロ吉ざんす。最近は雨続きで嬉しかろう。


マタドールの防水バックパックです。正式には Freerain24 Waterproof Packable Backpack と言います。折って畳んで小さくなります。その分、生地は薄く中に入れた物のシルエットがわかるほどです。購入から丸4年です。雨の日は必ずこれで出動です。生地は30デニールのコーデュラでシリコンのコーティングが施されております。トップはロール式で前面ジッパーは止水です。これまで散々に雨に晒されてきましたが中のものが濡れたことは一度もありません。生地が薄いので中にサーマレストのウレタンマットを切ったものを入れて背中の当たりを柔らかくしています。ショルダーストラップは身体に全くフィットしませんが重い荷物を背負うわけではありませんので気にはなりません。雨の日にはこれに吸水性の高いパックタオルと濡れたチャリ用グローブやタオルを入れるジップロックを一緒に入れておきます。



BENCHMADE PROPER 319 は主に仕事用のキレモノです。軽量でよく切れる様に研ぎ直してあります。ロックの無いスリップジョイント式のフォールダーですが不自由はありません。ブレード鋼はBENCHMADE お得意の CPM S30V です。粉末治金合金で 440Cよりお硬くしかし研ぎにくい程ではありません。つまりちょうど良い塩梅なのです。




ポイント消化と37% OFF でとってもお安く手に入れた SOTO ST-3108 ミニマルクッカー角。勿論、自宅で奥さんが普段使いしてます。外に持ち出す前に傷だらけになるでしょうがここは奥さんにしっかりと鍛えてもらいましょう。

鍋肌はヌメっと感じるほどに滑らかな仕上がりです。ドリップパックの様なニョロっとした注ぎも湯量が適当(多過ぎなければ)なら十分に使えそうです。


娘一家が家族旅行に行くことになり娘の娘が飼っている「ねずみ」を預かることに。世間ではハムスターと呼ばれている。わが家では「ねずみ」「けもの」と呼ばれている。餌やり水やり砂替え、ま、可愛いから勘弁したろ。


一応やってみなくちゃいけない通過儀礼。先日からわが家のキッチンで働き出した新人(ST-3108)と諸先輩方々との相性診断。OD缶は小さな方のキャップを外せば蓋閉まる。大きな方は入るが蓋閉じず。


PRIMUS IP-2243 はケースに入れてもピッタリ入るし蓋も閉じる。


FIRE BOX NANO はケースに入れると斜めになるが蓋は閉じる。ケースから取り出せば本体とアルコールバーナーが入って蓋も閉じられる。

Trangia トライアングル(五徳)とアルコールバーナーも何とか入るが蓋は浮き気味。

しかし組んだ状態では低く安定感あり。アルコールとガスの両用が可能。

同じ SOTO の SOD-331 も問題なく入る。

*OD缶と合わせて収納するなら SOTO SOD-310 だが組んだ状態では重心が高く重めのクッカーを乗せるにはよほど平らな場所を選ばなくてはならない。何より使っていて不安を感じる。この様な重さがあって底面が滑らかで丸みを帯びたクッカーは低い位置で保持するのが安心だね。


うちの角型クッカーたち。左からモリタの角型クッカー大小セット、キャプテンスタッグ角型ラーメンクッカー、ST-3108 です。この中で現在自宅キッチンで働いているのはキャプテンスタッグのラーメンクッカーと今度入った ST-3108 です。


モリタのクッカーはハンドルまでアルミで作られているので火にかけると鍋肌と同じくらい熱くなり持てません。ずいぶん前にハンドルを外してトランギアのポットハンドルで掴んでいました。内装はスミフロン加工でこびり着き軽減、注ぎもお上手で小さな方はコーヒー用、大きな方をレトルトやフリーズドライの山飯用に使い分けていました。今はもうほぼ引退状態ですがとにかく軽いのでたまに連れ出されることもあります。


キャプテンスタッグの角型ラーメンクッカーは唯一のステンレス製です。容量も1.3Lと余裕あり。上の写真はデカすぎる蓋のつまみを小さいものに換えた時のものです。ガスやガソリンのストーブバーナーから SOLO STOVE や WILD STOVE などの小型ウッドストーブに移行し始めた時期に購入しました。焚き火に焼かれて真っ黒になっても磨けば戻るのが魅力です。ハンドルのぷらぷらは軽く曲げ直すだけで簡易的にロックがかかる様になります。元からそういう作りなのにメーカーさんがやっていないのは勿体無い話です。蓋も大きく膨らんだドーム型なので中に収納する物にもかなりゆとりが生まれます。



これも角型と言えばそうですね。ただ、コーナーを使った注ぎがまるでダメ男です。注ぐと同時に他のところへも伝え溢れます。これらは主に炊飯用です。


キャンプが年に10日前後という我が家のアウトドア事情、デイキャンプや車で出掛けて野外で飯を作って食うドライブ野外ランチを含めても年に20日前後。キャンプ道具も活躍の場がほぼ日常、自宅というのが現実です。スキレットも KUPILKA もストーブバーナーもナイフも殆どが自宅使いの日用品です。使わないのはテントにタープに焚き火台くらいでしょう。

2024/04/06
仕事終えて自宅に戻りスマホのメールを見てみると『東京都水道局から請求額決定のお知らせ』が福岡に住むアタシに届いていた(大笑)。思わず吹き出すスットコドッコイなバカフィッシングメールに「時代やなぁ」とひとり苦笑する。




餌やり水やり砂かえ、チッ!面倒かけやがって。でも可愛いから勘弁したろ!チッ!


2024/04/07 奥さんと散歩。桜、満開。山桜は葉桜になり。いつも仕事で回る道から無理のない距離の中でコースを決めて歩く。今日は西へ向かう車が多い。こんな日は歩くに限る。


予定のポイントで石のベンチに腰を下ろしてお湯を沸かす。クピルカ21 には日本茶のパック。おむすびは奥さんが自宅で握ってきた。


途中のコンビニでスモークチキンとだし巻き卵を買ってきた。箸もフォーク持ってきておらず途中の公園で拾った桜の小枝をナイフで削って楊枝を作る。カッティングボードが無かったのでミニマルクッカーの蓋を裏返してキッチンペーパーを巻いて代わりにしました。


先日届いて自宅キッチンで使われていた ST-3108 ミニマルクッカー角でお湯を沸かす。ストーブバーナーは同じ SOTO の SOD-331 。大きな窪地でほぼ無風、気温も20℃を超えていた。ガスを使うにはモッテコイ!の条件。MSR の OD缶には近所のスーパーで買った3個セットの CB缶から再充填したガスが入っている。暖かな春の陽射しの下ではこれで十分。




明日、娘の家に連れ戻される「ねずみ」とちょっと遊んでやる。チッ!人懐こいヤツめ!


昼2時を過ぎてようやく昼飯タイムに一時帰宅する。お湯のストックが無くなりかけていたので Klean Kanteen 0.75L分のお湯を沸かす。PRIMUS IP-2243 に CB缶から再充填した OD缶をねじ込み SOTO ST-3108 を乗せて点火する。この組み合わせは安定感こそあれ折角の高火力がやや無駄になってしまう。クッカーの底面に対してバーナーヘッドが少しばかり大きいのだ。このため最大火力に近づけるとフレーム(燃焼炎)が鍋肌を包み込むように上に逃げてしまう。考え様ではクッカーを周囲からも熱せられるわけだが、、。


今年の桜もそろそろ見納め。今日は北の風が強く自転車のハンドルを握る手が冷たい。花冷え。


霧雨をたっぷり含んでみずみずしい苔のベッドに仕事用のフォールダーを一本乗せる。


春の自然観察。透け透けになった葉脈見本みたいな幼木の葉っぱ。自然がなせる技。


RANDALL M3-7(O1steel )
このところ雨の日が多かったのでカビ錆緑青が出やすいキレモノをちょこっと手入れしておく。これは実際に使ってきた物なのであちらこちらに傷や経年による変化も見られる。それもまた味なのだが。


レザーワッシャーを積層させて固められたハンドルは人の手に触れている限りは適度な脂で自然と手入れされるが使わなくなると途端に乾いて傷や毛羽立ちが目立つ様になる。本来ならレザー用のオイルで手入れすべきなのだがベトつくのも嫌なので時折りハンドクリームの着いた手で握って擦り込んであげる。


O1スチールのブレードはガンブルー処理を施してあるので錆は心配ない。ただ、時々乾拭きして薄くオイルを引いてあげる。


仕事でかなり無理をさせた時の『こね跡』が残っている。切れ味に変化はないがこのナイフにさせる作業ではなかったなと今は思ってる。あれは専用の鋸を使うべき作業だった。


お手入れ完了。ほんの5分程度の作業也。


昨日ちょっぴり無理をして今日の分まで仕事を片付けまして、そんなこんなで本日はお休みと相成りまして候。簡単な湯沸かし道具をザックに詰めて自宅を出ます。途中、外で食うカップ麺とパンなどを買ってスーパーを出たところで箸もフォークも持ってきていないことに気がつきました。チッ!と舌打ちしそうになるのをパッと切り替えて100均に向かいます。たしか、ユニフレームのカラカトのパクリみたいな折りたたみのフォークがあったはず!



ありました。なにやら『チタン』の文字。価格は300万円(吉本か)。これは、、チタン製ではなくチタン配合か?それともチタン風か?まあええわ、と素直に300万円払う。


しかもDAISOさんが仕掛けた罠に見事に掛かってしまった弱いアタシ。アルコールバーナーは20数年前から Trangia を使い続けてきた。ずうっと Trangia だった。数年前に別のウッドストーブに組み込むためだけに TOAKS のサイフォンストーブを買った。Trangia だけで現行品と軍用の大きなものを含めて5〜6台あったはずだ。今やアルコールバーナーはアルストなどと言われ市場も Trangia 一強ではなくなった。こうして100均にも小さな箱に入れられぶら下げられる様になった。



よく出来たアルミ缶ストーブみたいな感じスネ。蓋はねじ込み式で一応シリコンみたいなパッキンがついております。



雨雲に追い立てられる様に自宅に戻りアルコール燃料をちょこっと入れて点火する。点火と同時に「ベチっ!」と大きな音がして弱々しい小さな青い火がともる。それから待つこと2分ばかり、ようやく本燃焼となりました。燃焼はとても静かで頼りないが500mlのお湯が沸くまで6分ちょい。悪くはないね。これはこれ、他と比べてもしゃーない。


2回目の試行では立ち上がりが少し早くなった。理由はわからない。燃焼はこの手のストーブにありがちな偏りがある。個体差もあるだろう。なにせ、300万円だからね。ちなみに説明書にはアルコール燃料を入れて1分ほど待って点火して下さいとある。この1分はアルコールが馴染むのに必要な時間だ。馴染む、とは中にカーボンフェルトでも入ってるのかな?



DAISO チタン製のフォーク。仕上げははじめから滑らかでしたが 3M の研磨パットでサッと擦って水洗い、その後ガスレンジで軽く炙っておきました。


ユニフレームのカラカトと並べるとサイズはカラカトの方が大きく重さは DAISOがほんの2gばかり上だった。カラカトはフォーク部分が耐熱性のある樹脂であるためシナリや強度的な面を考えて裏面にリブが設けられている。デザイン的にはカラカトの方が湾曲が大きく麺などをすくう際に落としにくい。DAISO の方はやや直線的ですくい上げる際にフォーク先端をやや高く持ち上げなければならない。かわりにフォーク先端がカラカトより長い(深い)デザインなので麺が逃げにくい。なんて、どーでも良いとっても小さな研究発表。

SOTO ST-3108 ミニマルクッカーに DAISO のメスティンカップとアルコールバーナー、チタン製折り畳みフォークにユニフレームのカラカト。こんなことするとミニマム化みたいな印象だけど今のアタシにはそれは余程のことがない限りありません。もうバックパッカー時代のような軽量コンパクトに拘る必要がないからです、あの頃はそれで良かったし、そうでないと身体に負担が掛かるのを知っていたから。それは今の仕事を始めた時にも役立っていました。仕事は多岐に渡り庭仕事もあれば車椅子を押すこともあって大きく重い道具は持ち歩けず昼飯も人様のお宅の庭で食べることも多かった。

そんな時は小さなストーブバーナー、最小限のクッカーと水、カトラリーだけをザックに忍ばせ仕事に向かっていました。しかし、ソロ行脚もしなくなり奥さんとキャンプを楽しむ様になってから全ての面で道具のサイズアップを迫られお一人様用から2〜3人用の道具に切り替えが進みました。結果は荷物は増えたけれど使い勝手に窮屈さが無くなりゆとりが生まれました。だから今は少々重くても嵩張ってもあまり気になりません。むしろあの頃より重い荷物を背負い歩けるような全く根拠の無い自信すらあるのです。


午前に訪問したお宅のイヌビワの葉に蜘蛛のシルエットがハッキリクッキリ。既に陽射しは暑く今日も夏日に近い気温になるだろう。


病院受診が終わった高齢者を自宅まで送り届ける。玄関先にあるイヌビワの木が何本か枝を伸ばしている。以前アタシが切ったイヌビワの木、「切っておきましょうか?」とたずねると「お願いします」となった。ザックからスイスツールのスピリットを取り出しソーブレードを開いて太い三本の枝を切り落としそれをゴミ袋に入る大きさに切り分けた。イヌビワは切断面から木工ボンドの様な白い樹液を出す。これに触れるとかぶれる人もいるらしい。アタシは大丈夫。


昼すぎて一旦自宅に戻り簡単に飯を食い先ほどイヌビワを切ったスイスツールのノコとナイフを洗剤と歯ブラシでゴシゴシ洗う。このイヌビワの樹液は乾くとなかなか落ちない。このスイスツール(スピリット)やアウトライダーもそうだがビクトリノックスのソーブレードは乾燥しきった枝木には苦戦する。今日切ったような生木やグリーンウッドはガシガシ処理できる。



毎週金曜恒例のナーフガンによる射的競技大会は今夜も大騒ぎ。サッシに斜めに渡したツッパリ棒に6個のピンポン玉と小さな紙コップをセットする。端の紙コップを射ち落とすとピンポン玉が次々と転げ落ちるというピタゴラスイッチ的なターゲットだったが、、端の紙コップやピンポン玉をリファイルで固めてしまう痛恨のミスショットが連発。上の写真はいずれもピンポン玉の周りにリファイルが着弾してピンポン玉が転がり落ちなくなった場面。こうなるとピンポン玉を一つずつ地道に落とさなければならなくなる。

ピンポン玉を全て叩き落としたらサッシに貼られた二つの的に残弾を射ち込む。ピンポン玉落としに弾を使い過ぎるとこれに射ち込む弾数が減る。今年無事に小6になったばかりの娘の子との熾烈なバトルは一進一退の攻防。最後は恒例のティファールのフライパンシューティング。2人で合わせて80発のリファイルを射ち込む。先月末に48発の記録を叩き出した。さて今夜は、、49発!記録更新!命中だけなら70発はいっていただろう。がしかし、同じ場所に当たると跳ね返され角度が悪いと既に当たってくっ着いたリファイルまで落としてしまう。同じ場所に集弾させずフライパン全体に散らばる様に当てないといけない難しさ。更に当たる度にぶら下げたフライパンが右に左に向きを変える。来週は50発の記録達成を目指す!暇か?!


日曜の朝に海辺の松原を自転車押して散策する。松原というからにはここで拾える落ち枝も9割以上が松だ。落ち枝を拾うのは焚き火かウッドクラフトに使うためだ。しかし松は小枝程度しか拾わない。焚き火に焚べると真っ黒な煤があがるからね。散策のお供は2本の MORAナイフ。


とても気持ちの良い天気。海から国道を隔てた森林公園でひと休み。木陰にばらまかれた木漏れ日と風が何とも心地よい。近くに落ちていた太い楠の枝をシルキーで適当に切って持ち帰る。ノコを入れた瞬間から楠特有の芳香が鼻に抜ける。樟脳の匂いだ。


フォールディングの割に分厚いブレードをもつ EIKONIC の RCK-9 は自宅でかなり使って一度エッジを丸坊主にしたがリシャープしたら新品同様の切れ味に戻った。リシャープする度に使う人間特有のタッチになっていくものだが、、これは何故かそれが変わらない。


焼きたてのパンを頂いたのでさっそく食す。柔らかく切りにくいことこの上ない焼きたての食パンを見事に厚切りするのは20数年前に買った AL MAR の中華包丁。これをパン屋さんのスライサー(機械)の様にリズム良く前後にスライドさせて少しずつ切り下げていく。

雨の月曜日。仕事の合間に公園の東屋で昼飯。福岡はホームレス対策とかで東屋の屋根は骨組みだけのところが多い。夏の陽射しを避け雨の日に雨宿りできる場所は殆どが『箱物』つまり商業施設などの建物なのだ。この東屋はいつもは多くの人が利用するが雨の日だけは別なのだ。

マタドールの防水リュックとORのグローブは雨の日の必需品。ORのグローブは手の冷えを軽減し自転車のハンドルを握ると滑り止めになるのだ。

MSR のウインドバーナーで湯を沸かす。SIGG のボトルに入れてきた600ml の水が2分ちょいで沸騰する。

お湯が沸いたら定番中の定番に湯を注いで3分待つ。ウインドバーナーに付属のカップが役に立つ。


食うもの食って飲むもの飲んで後片付けはさっさとやってあとはのんびりする。

SNS もニュースも無視して雨が上がるのをのんびり待つ。

雨も上がった、東屋の屋根から落ちる雨水が水たまりに波紋を描く。さあ、午後からまたひと仕事。




本日の『ムッシー』新緑と共にムッシーたちも目に見えて鮮やかな色になってきました。


最近、チョイデイハイクに持ち出したりいつも腰掛ける椅子から手の届くところに置いて使っている小さな MORA のナイフ。MORAKNIV Classic 2/0 。前に二度ほどブルーイングしてからかなり経って色が褪せてきたのでチョチョチョイとマイクロファインの研磨パッドで磨いてリブルーしておきました。色が褪せても酸化被膜は健在ですから錆一つ浮いてません。MORA のカーボンスチールは濡らしたまま放っておくとあっという間にまっ茶色になります。

アタシはカーボンスチールのブレードは超どデカい一本を除いて全てガンブルー処理をしています。ガンブルーを仕上げた後は本来ならオイルアップは必要ありません。セム(シーム)皮で空拭きしてあげていれば良いのですがキャンプなどで生木を加工したりすると樹液でべっとりと汚れてしまいます。そんな時は水洗いで樹液を落とします。水洗いの後は水分をよく拭き取って軽くオイルを引いておきます。とまあ、そんな扱い方なのでアタシのカーボンスチールのキレモノには多少なりの油がついており基本的に食材をカットには使いません。ただ、良く切れるんですよね、カーボンは。焼きたてで頂いて2日経ったレーズンパンは適度に硬くなっており切れ味の良くない刃物でスライスするとパンくずが結構出てしまいます。そんな時はカーボンスチールのブレードが一番。良く切れるざんす。


ブレードをリブルーしたついでにハンドルにもコーティングしておきます。これ床用ワックスです。見た目もありますがこのワックスの意外な効能は滑り止め効果にあります。これを塗ると見た目はピカピカですが指が滑らなくなるのです。MORA の Classic シリーズは独特の形状と仕上げで美しいのですがサラサラして滑りやすいのでアタシは滑り止めにワックスコートします。



今日も会いました。クロアゲハ。今が盛りと飛び回る。花蜜食べ放題や。




今日もいろんな『ムッシー』たちと出会う。ついでに野猫も寄ってきた、ニャー。



リブルーとワックス処理した MORA。


挽きたてで淹れてもコーヒーらしい香りがしない安い豆をエスプレッソでやる。そのまま飲むと酸味が極強なので砂糖を小さなスプーン摺り切り一杯加える。これで普通に飲めるようになる。


このところやけに COLDSTEEL のナイフ、特に同社の代名詞ともなった頑強なロック機構(Tri-AD)を備えたフォールディングタイプが頭に浮かんでは消えかかりまた浮かぶ(病院行った方がいいね)。それらは前々そのまた前々からアタシの『欲しい欲しいノート』に繰り返しリストアップされてきたモデルで、毎回デジャヴの様に同じ物が審査委員会(アタシひとり)にかけられる。

コールドスチールと言えばあの名物社長の下で過激なプロモーションをド派手にやってきたハードユースなキレモノメーカーだが、2020年に同じ米国の GSM OUTDOORS に買収され(SOG や Camillusも)本社もカリフォルニアからテキサスに移り、スペシャル部門(ハンマーやトマホークなどの開発)は閉鎖、製品は別会社の名前で販売されている。その中でコールドスチールの顔とも言えるデザイナーの Andrew Demko はこの買収劇の後、名物社長リンと共に留まったとも又その数ヶ月後に退いたとも言われています。アタシの『欲しい欲しいノート』に記されたモデル2点は今も販売されていますが買収劇から4年、さあどうなることでしょう。アタシの中でのデジャヴは「早よ買っておけ〜」とのお告げなのかもしれません(勝手な解釈して!)。




ヨモギの葉がみるみる繁出すこの季節、ムッシーも続々集まってまいります。




四月もいよいよ残すところあと一週間を切りました。福岡のGWは『どんたく雨降り』と皆が口を揃えて言います。ムッシーたちは今日も元気に生きてまする〜。


四月のムッシーたち、元気です。


仕事で通りかかった施設の花壇に咲いていたホットリップス。霧雨に濡れて赤も白も緑も美しい。四月も今日で終わる。陽はささなくても知らず知らずのうちに汗をかいていることが多くなりました。世間は GW の連休か。アタシはカレンダー通りプラスαなスケジュール。去年は掟破りのGWキャンプで宮崎に行った。今年は何処に行く予定もナッシング。人と車に呑まれるのは御免だから。奥さんも催し物に参加する以外はヨモギ詰みくらいかな?なんて言ってた。


  


Posted by ponio at 18:01Comments(0)刃物camp道具たち日常使い

2024年03月27日

波音かき消す燃焼音


MSR のドラゴンフライです。今から24年ほど前にアタシが初めて買った分離式のガソリンストーブです。 たしか、、雑誌の新製品情報で見かけて店頭にて実際に見て触って買った物です。



ここ2、3日続いた悪天も回復して今日は晴れの一日。あちらこちらでヤマザクラや八重が満開です。この数日の雨の影響で仕事の日程が変更となり、そんなこんなで今日の午前はお休みとなりました。英軍のガスマスクバッグに使い慣れたガソリンストーブとポンプ、フューエルボトルなどを詰め込んで海に向かいます。風は北東4〜5メートル。プレヒートの時から小さなウインドスクリーンを立ててやります。手順はいつも同じ、ボトルにポンプをねじ込んでポンピング。ストーブと接続したらポンプ側のバルブを全開、それからストーブ側のコントロールバルブをチョコっとひねりチュルチュルとホワイトガソリンを染み出させたらライターで点火。あとは放っておく。しばらくはオレンジ色の炎が大きくなったり小さくなったりを繰り返します。


個体差もあると思いますがアタシのドラゴンフライはプレヒートの終わりに本燃焼の音が短く混じります。それが合図。その音が聞こえたらコントロールバルブを少し開いて本燃焼を開始します。


問題はそこからです。ケトルに水を入れてストーブに乗せお湯が沸くのを待つわけですが、、コントロールバルブを全開にすると凄まじい燃焼音が轟きます。有名なドラゴンフライの咆哮です。


ウインドスクリーンによる反響もあってアタシにはかなり刺激的な音に聞こえます。今日は風もあって波音も大きいのですが、その絶え間ない波音よりもはるかに大きな燃焼音をあげるドラゴンフライ。あまりに元気すぎる咆哮にアタシはいつもの如くバルブを絞って徐行運転。風の影響もありましたがたった400mlほどのお湯を沸かすのに10分以上は運転しておりました。あまりに沸騰しないので最後はバルブを全開にしましたら辺りを気にするほどの轟音とともに瞬時に沸騰しました。この激しすぎる燃焼音を抑える専用パーツ(サイレントキャップなど)も販売されていますが価格が見合わないのでいまだに買っていません。


これまでに最大火力までもっていったことは一度だけです。家族で野外ランチをした際にお湯がなかなか沸かず恐る恐るバルブ全開にしたところ、、なーんや!あっという間に沸騰。ただ、その時の燃焼音に近くにいた娘が逃げたほど。秘めた実力は流石の MSR です。


購入から20数年、最後のポンプ交換から10数年、こうして本当にたま〜に持ち出し点火してみても相変わらずの爆音豪火です。ただこの形、もっと小さくならんかったのかねぇ。畳んでもデカい!音もデカい!

春の海音など屁でもなかったドラゴンフライの咆哮でした。

  


Posted by ponio at 15:25Comments(0)熱源道具たち

2024年03月22日

記録更新


金曜恒例の射的大会はコロナ明けの2週間ぶりの開催。金曜ロードショーで『魔女の宅急便』が放送されていたので開催が危ぶまれましたが小5の強い念波に動かされて急遽フライパン当ての競技開催となりました。上の写真はアタシの的、キャプテンスタッグの三層ステンレスフライパンです。小5はティファールのパンケーキフライパン(少し大きめ)を射ちます。


映画も終盤に差し掛かった11:00過ぎ、二人並んで一つのフライパンを射つ競技を三度繰り返し遂にこれまでの記録を大幅に更新する39ヒット!

この競技の難しいところはフライパンをぶら下げるのに使っているS字フックがフライパンの向きを左右に変えてしまうことです。

フライパンの右に当たるとフライパンは右を向く、すると右側の射手は射ちやすくなるが左側の射手はフライパンの面が斜めを向いてしまうため吸盤がくっつかないのだ。そこでフライパンが自分の方を向いた射手はここぞとばかりに射ち込みつつ、フライパンが隣の射手の方を向く様に敢えて端っこを射ってフライパンの向きを変えてやるのだ。無駄弾を射ちつつもう一人に正面から射つチャンスを与える、そんなチームプレイが記録を作るのだ。そして同じ場所に当てない努力も必要だ。リファイルと呼ばれる吸盤ダーツは同じ場所に当たると弾き返されてしまう。最悪なのは前に当たってくっついているリファイルを落としてしまうことだ。左右に揺れ動くフライパンの面全体にまんべんなく当てないと良い記録は出せない。マグレ当たりやイレギュラーヒットが出なければ記録は生まれないのである。


次の金曜日に向けて一丁をパワーアップしておく。もう一丁は既に改造済み。これで五分と五分で戦える。ただこの手のオモチャは強度的にバネを強くしたりは出来ないので瞬間的に押し出されるエアーを無駄にしない改良が必要なのだ。分解組み立てに使うのはビクトリノックスのアウトライダー。これの細く長いフィリップスドライバーと缶オープナーが良い仕事をしてくれます。


3丁ある内の残る一丁はサイズも大きく元々パワフルだがシアーの掛かりが甘くコッキングの途中で暴発してしまうため只今調整中。分解時には必ず写メを撮ってパーツの位置関係を記録しておく。


そしてまた金曜がやってきた。仕事の合間にDAISOに立ち寄り吸盤タイプのリファイル30本と今夜の競技に使うカラーボールを仕入れてきた。

2024/03/29 のフライパンシューティングは48発の記録更新。リファイルを30発分増やしたわけだが数が増えれば当たりも増えるとはいかない。先に書いた様に同じ場所に当たれば弾き返されるし、数多く射つほど当たるスペースが無くなってくる。最後はほんの僅かに残る小さなスペースに射ち込まなければならない。それが難しい。計80発ほどのリファイルのうち完全に外したのは10発ほど。これは中央付近は既にリファイルが集弾しており残ったスペースがフライパンの端っこにあることを示している。つまり空いたスペースを狙って外したパターンということだ。残り70発のうち同じ場所に射ち込んでしまい弾き返されたのが20発以上あるのだ。目指せ50発!
  


Posted by ponio at 23:51Comments(0)いろいろあるよ

2024年03月19日

ESEE 4 近影


ESEE 4 stainless steel
左右対称で刃先からハンドルエンドまで均一な仕上がり。顔が映り込むようなポリッシュはされていないが隅々に至るまで滑らかな仕上がり具合。これは相当ラフに扱える米国流サバイバルナイフ(軽薄すぎて嫌いな呼び方だけど)の見本みたいなキレモノなのにこの均一な仕上がりは驚きだ。もっと粗い作りでも誰も何も言わなかっただろうに。




分厚いステンレススチールの一枚板、4.5インチのブレードに4.1インチのカッティングエッジが設けられている。ブレードの厚みは最大で4ミリ超。指で弾くとコキ〜ン、と如何にも延板の様な金属音がする。オリジナルの 1095カーボンスチールブレードは硬度が 55〜57、S 35VN 版は59〜60 と ESEE は設定している様だ。この 440C は 1095 と S35VN の中間あたりか。


ハンドル材は布とエポキシの積層材(リネンまたはキャンバスマイカルタ)。一枚の鋼材を左右から挟み込むシンプルな構造で壊れようがない。ESEE はこの一枚鋼材をハンドルエンドに至るまで美しく滑らかに仕上げている。


こうして握ってみるとこのナイフが特別大きくないとわかる。握り心地は予想以上にペッタンこ。現在は適度な膨らみをG10で作り出した3D ハンドル版もラインナップされている。しかしどちらも手の大きな人にはハンドル長がギリギリだ。他社(TKC)から販売されているエクステンションハンドルに付け替えるのがベストだろう。

例えばこんな風に。上はオリジナルのキャンバスマイカルタ版。下はTKCが取り扱うエクステンションハンドルを取り付けた時(画像を加工)。ハンドル末端のポメル部分を覆い隠す長さのエクステンションハンドル。


ハンドルの長さを補うためチョイルと呼ばれるブレード根本の凹みに人差し指をはめ込み親指はブレードの背に刻まれたジンピング(滑り止め)に乗せる。が、この握り方だとカッティングエッジの後端が人差し指に食い込むのだ。これでは危なかしくて使えない。かの BRADFORD の Guardian 3 でさえこの部分にガードを設けて Guardian3.2 として販売を始めた。

叩き(バトン)もかなりハードにやったがブレード左右のエッチング文字は今もかすれひとつ無し。

購入から結構ハードに使ってきましたが、数ヶ月前に初めて軽く研ぎ直しました。ほんの少しだけベベルが光ってるでしょ。

研ぎ直しもサササァーと軽めにやっただけなので、まだまだメーカーが付けたベベルの削り跡が残っています。今はまだこの程度で十分。

同じ米国で ESEE の前身だった Ontario RAT シリーズ。品質的にも ESEE ブランドの方が上だと手にしてみればわかる。だが、アタシ程度の使い方(整えられた環境下での)ではその違いは殆どわからない。明らかな違いは新品箱出しの状態での切れ味(ESEEの方が上)だけだった。RAT-3が素晴らしく『使える』一本になったのは何度かの研ぎ直しの後だ。

北欧の刃物らしく木材に対して素晴らしい切れ味、使い心地を示した ENZO も製品の仕上がり具合としては ROWEN (ESEE)に引けをとる。仕上がりの均一さと隙のなさは明らかに ESEE の方が上だ。

品質ならこちらには一目置く。lionsteel のフィクストブレードはそのタフさとは裏腹の洒落っ気と仕上がり。雰囲気はまるで違うが ESEE 4 ssとはライバルだとアタシは見ている。

今となっては完全に消えた440Cステンレス鋼の2本。2本ともパウダースチール(粉末治金)の S 35VN 版が登場するまでの短い期間の販売で現在ではずうっと品切れ(メーカーのカタログにはまだ文字情報のみ載っている)中である。オリジナルの 1095カーボンスチール版はその適度な熱処理によってのみ得られる硬度に比例しない耐久性が語り草となっているし、最新のS35VNバージョンは粉末治金のステンレス鋼で440Cより全ての面でググッと上です。となればこの 440C版が自然消滅するのは時間の問題かと。それともここに及んでまだこれが良いというユーザーがいるのだろうか?

かく言うアタシもその一人かも。
この短命に終わりそうな440C版を使ってみてわかったのは、少なくともこの ESEE 4 と IZULA に関しては鋼材の違いによる劣等感はまるで感じられないということです。叩こうが削ろうがジャブジャブ水洗いしようが何ら問題なく、与える仕事を片付けてくれる。切れ味は良好以外の何者でもなく至ってシャープ。これまで何度も書いてきたけど、ESEE 4 は鋼材が変わっても『総合力』で勝負するのだ!

安い杉の薪にも一筋縄ではいかない剛の者もいる。この薪の一片には硬い節目が存在しており柔なキレモノではびくともしない。総合力を売りとする ESEE 4 はここでブレードの鋼材に頼らず刃厚と全体強度でそれを補う。
しかし、ここから先は無理をしないのがアタシ流。何が何でも叩いて割ることはしない。どうするかって?それは割かけの薪からナイフを引き抜いてそのまま丸ごと燃やすのさ。もちろん、キレモノテスト動画のように刃先やエッジの潰れや欠けを気にすることもない。そんなに気になるならしなきゃいいだけのことだ。




今はこれを使う場面がなかなか無い。キャンプに行っても整備が行き届いた綺麗なキャンプ場にはこれを振るう落ち枝の一本も無いからだ。だからと言ってそれを使う場面を作るためのキャンプはしない。


一方で同じ鋼材の IZULA は食材のカットやスライスに便利なため花見にも持ち出される。



  


Posted by ponio at 22:19Comments(0)刃物camp道具たち

2024年03月09日

魅惑的なキレモノたち



上の写真に並んでいるキレモノたちには『ある共通点』があります。
それはすべて「アタシの好み!」
「知るかー!」って? はあ、どぉーもすんましぇん。

真面目に、
これらのキレモノに共通しているのは全てがチャイナ系米国企業の製品という部分です。一昔前(といっても10年ほど前)まではチャイナ系の製品と聞くと安価で粗雑でバラつきが半端なく所謂『安かろう悪かろう』な物が圧倒的多数を占めていました。アウトドアでも製品の殆どがチャイナメイドという企業も珍しくありません。ただ、中にはGSIの様に均一で優れた製品を出し続ける企業もあります。


さて話は上のキレモノに戻りますが、この数年(世界的なコロナ禍以前から)チャイナ系米国企業が発表するキレモノにはある特徴が見られました。それは米国流のフロンティアスピリットや広大な自然の中で生き残るためのスキル(サバイバル的な)には拘らない都会的で洗練されたデザインや色使い、特に日常的に使えるEDC(エブリデイキャリー)ブレードを主軸にしていたことです。ただ、その中には度を越して奇妙奇天烈なデザインと使い道の無さから短命に終わった物も数限りなくあります。「誰が買うねん?!」的キレモノは今でも時々目にしますが。

しかし、アメリカの人たちだって毎日が広大な自然の中で生き残らなければならない様な生活をしているわけではありません。キャンプにしてもバックパッキングにしても毎日やっている人たちばかりではないのです。となれば、キレモノの世界も野外でのハードな使い方より日常の中で便利に使える物の方が必然的に多くなるのです。今やアメリカでもナイフの携帯に関する規制が厳しくなり、ある一定のサイズ(携行が認められる)のキレモノが注目され出しました。そしてチャイナ系ならではの価格破壊が米国の民を喜ばせたのです。


上の写真、❶〜❹は
CIVIVI (今や有名)製の エレメンタムというフォールダーです。発売はコロナ禍以前に遡り、発売当初(まだ新製品だった)頃からアタクシお得意の『一目惚れ』してしまったキレモノです。❶のエレメンタムはアタシが最初に目にしたモデルでそのシンプルさ、鋼材、サイズ、ハンドルカラーの斬新さからアタシの『欲しい欲しいノート』に毎回常連の如く挙げられていました。ただね、品切れなどで一度手に入れる機会を逃すとその後なかなか手にできないというジンクスというか癖がアタシにはあって2024年現在もこのエレメンタムは持っておりません。間違いなく、アタシの日常に食い込むキレモノになるはずの物ですが。

❷のエレメンタムは単にハンドルカラーと表面のテクスチャーに惹かれただけです。
❸と❹はいずれも後発の製品でボタンロックを採用したエレメンタム2と呼ばれるもの。操作性は❶や❷より向上しています。ハンドルスケール(材料)もアタシ好み(知るかー)CIVIVI はエレメンタムによってメジャーになれた!と言っても過言ではない、とアタシは思っとります。故に大ヒットとなってしまったエレメンタムを今さら手に入れたいか? うーむ、、流行り物には興味がない(というかわざとそっぽ向く)は「そろそろええかな?」いう頃合いで手に入れたいと思っとります。


❺もチャイナ系米国企業であるCJRB が出したヒット作、パイライトのスチールハンドルバージョンです。ボタンロックの操作性とポケットクリップを最大限に活かすノンテクスチャーのツルッとした金属製のハンドル。このツルッとした、が肝心なのです。Spyderco に始まる世界的なポケットクリップブームは既にこのキレモノ世界では「あたり前田のクラッカー!」的常備品となりましがここまで広がると良し悪しがハッキリとしてきました。中にはクリップ付けてもしゃーねぇーだろ!という様な特大のフォールダーや重すぎてポケットにクリップしたくない物、ポケットクリップがキツすぎて引き抜きずらいものまであります。なんでも付けりゃいいってなもんじゃありませんわね。

このパイライトのスチールハンドルモデル(チタン製もあり)は滑り止めのテクスチャーが施されておらずポケットから引き抜く際にスルッと引き抜けそうです。しかもボタンロック。この組み合わせは最強かも。それとブレードの形状がどこかオールドGERBERぽくて、好きです(知らんわ)。こちらも流行りが過ぎ去ろうとしています。旬な時期は短い。とりわけチャイナ系の製品はまるで共同体の如く同じ様な製品を乱発する。既にこのパイライトと似た様なものが山と出ているのです。皆んなが忘れ去った頃にアタシはコッソリ手に入れまひょ。(売ってなかったりして)



❻と❼はエレメンタムと同じ CIVIVI の製品です。これには参りました、、。素晴らしく好み(だから知らねえーよ)です。ブレードはカッティングボードの上で食材処理をするのに適したデザインでペティナイフに似た形状です。ハンドルはお約束のワンパターンな素材で上の二種は最近好みのものです(ハイハイ(´Д` )。ロックはSuper Lockと呼ばれるものでバトンにも耐えられそうなハードロック系です。しかもこのロックは片手操作で開閉可能ときてまして、もう参りましたわ。ただねーこれ意外と重いのです。どこのデータみても 110g をオーバーしてる(約116g)、105g のEDCフォールダーにでさえ負担を感じているのにこれはちと重すぎやしませんか?「たしかに重い」というのがアタシの内なる声です。サイズもほんのちょっと大きい、、はてどうするっぺ。

さて、こちらの VISION FG は今が流行りのピークと見ます。バージョンによっては品切れです。動画サイトを見ても皆さん同じ。利き手に握ってカチャカチャとブレードを開いて畳んで、ブラブラブラァ〜と喋るだけ。わかったつーの!って言うくらい同じ動画です。これも感染症の一種か?

それはそうと、前回これが手に入るのならもう他のキレモノは要りません!と言ってたアレはどないしましたん?

いえいえ滅相もありません、、。前向きに善処して参りたいと考えておりまする、、。

ホンマかね〜、、。どう考えたって普段使いには上にずらりと並んだチャイナ系米国企業のキレモノの方が向いていると思いますがね〜。でもね、そんなに普段使いのキレモノ要らないし、、と自問自答は続く。


実は本命はこの中にあり!だったりして、
  


Posted by ponio at 17:16Comments(0)刃物camp道具たち日常使い