ナチュログ管理画面 キャンプ キャンプ 九州・沖縄 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

2015年10月27日

チタン幻想



ほんのチョッピリ肌寒さを感じる季節となりました。いかがお過ごしですか、、?

今回は好きな人ほど読まなくていいお題です。《 軽く強く味を変えず腐食に強くカブれない、、》何だか分かりますか?

今回のお題は【 チタン 】でございます。
題して 『チタン幻想』。



Titan 幻想

私が初めてTitanなるものに触れたのは1990年代のことだったと思う。それを初めて手にした時のあの軽さ、というより重さを感じなかった驚き。なんじゃ〜こりゃ?!

どんな順番で買ったかは忘れましたが、私はこれまで7点のTitan製品を手にしてきました。大小のクッカーセット、湯沸し用の蓋つきポット、スプーンとカップ、保温ボトル 2つ、そしてチタンケースの腕時計。



それらは腕時計を除く全てが重さ自体を感じられない程に軽く、独特の色と質感、そして使い込むうちに変化する風合い、しかし、それらには特有の【 軽さ 】以外何一つとして素材的な長所を見つけることができませんでした。



スペック上はアルミや鉄よりも強度があると言われますが私の手にした製品、特に大小のクッカーセットはかなりの薄造りで、煎餅のブリキ缶みたいな感じでした。この薄さでも十分な強度をもつのはチタン製品ならでは、、、でも実際にはクッカーの底部は熱による変形で凸凹になり、さらに使っていると微細な火力調整ができるバーナーでも食材によってはかなり焦げつくのがわかりました。



ということで、使用の目的は自然と湯沸かしや汁物作りに限られていきました。折しも私自身がバックパッキングに明け暮れていた時分で、その延長上にあったキャンプでの飯も殆どがフリーズドライの食品かインスタントラーメン、生の食材を手に入れ調理する事は殆どしませんでした。お湯が沸かせて軽くて、、あとは、、味が変わらず、、う〜ん、これがちょっと違う感じ。確かに軽い、それに丈夫なのかもしれないけれどペコンペコンですぐに変形したし(扱いが悪かったのかもね)、味が変わらないはずなのにどこか金物臭い。これならアルミ製のコッヘルの方が普通にいいとなって、バックパッキングにはアルミ製の角型コッヘルやMSRのアルミ製クッカーを好んで使うようになりました。それでもチタン製クッカーは5〜6年は使ったでしょうか、蓋つきのポットとカップについては今でも使い続けています。スプーンと時計は行方知れずです。


長年使ってきたチタンのカップ。何を飲んでも金気臭く特に水はそれがよく分かる。それでも使っているのはデザインと造りがシンプルで飽きないからかな。


10数年は使っているサーモスのチタンボトル。他にリサイクルショップで300円で買った同型新品の物がある。夏場は氷を砕いて詰め込み、冬場はお湯や淹れたての珈琲をストックしたり、別にチタンでなくても良いのだけれど壊れないから使ってる。


チタン製品という言葉に惹かれて手にした道具も今現在まで使われているのはこのポットとカップ、そしてサーモスだけです。しかもそれらはどれもデザイン的な好みとか壊れないからが理由。先日、久しぶりに登山用品のお店回りをしました。その際にずらりと並んだチタン製品の中から以前チェックしていた小さなカップを見つけそれを手に取ると サ〜と何かが冷めていく感じ。例によって重さを感じさせない程の軽さと薄さ、指紋がベタベタと残る(他の素材は見えないだけ)肌感。う〜ん、やっぱりこんな感じか、、とあっさりスルー。つまり、今の自分にはチタン製品に求める何かがないのですね、きっと。改めてそう感じました。でもまたいつかブーメランの様に私の手元に戻ってくる日があるかもしれません。

p.s
今はこれに落ち着いてます。

がっつりアルミ製

がっつりステンレス製

がっつり鉄製

がっつり琺瑯
  続きを読む


2015年10月21日

SOLO と WILD

SOLO STOVE と Wild Stove





この二つの小型ウッドバーニングストーブについてはこれまで多くのユーザーから比較研究されていますね。火力、スタミナ、ポットサポート、サイズ、収納、などの比較です。今さら同じ実験やデータを並べても食傷気味でしょう。ということで、私は感覚的な比較でいきたいと思います。これはあくまでも私個人の感覚なのであしからず。



私が【SOLO STOVE】を買って使い出してから何年になるだろう。多分、3〜4年てところです。始めは使い物にならなくて、、いや正確に言えば使い方がイマイチ掴めなくて失敗ばかり。カップ一杯のお湯さえ沸かせなかった経験も今では最初の一歩的な思い出。燃料となる枝や木片などの状態、風の影響、燃料追加のタイミング、その燃え方、スタミナ、いろんな事が分かっていなかった自分。それが一旦コツを掴むと問題は次々と解決。今では自宅にストックしてある乾燥済みの木材や現地調達した落ち枝や松ぼっくりでも普通に湯を沸かし何かを焼いたり調理したりしている。



一方の【Wild Stove MKⅡ】はごく最近買ったもので、元はと言えばSOLO STOVEよりこちらの方を購入するはずだった。それが何だかんだとあって結局このストーブを手に入れたのは今年のこと。その間に三角お耳のポットサポートは針金の曲げ細工みたいな妙なデザインになっていた。これが正直言うと使いづらいのだ。 【SOLO STOVE 】での経験があったのでこの【 Wild Stove 】を使うのは簡単だった。ただ、、、少々感覚的な違いを覚えた。

比較 ・・・・・・



火力はどうだろう、、本体と炉の大きさの違いからか、投入できる木質燃料の量が違うからか二次燃焼に至った時点での火の大きさと勢いは圧倒的に【 Wild Stove 】が上だ。ただ、これが数値(カロリー)的にSOLO STOVEをどれだけ圧倒しているかはわからない。何故なら、比べると勢いや火の大きさが小さな【 SOLO STOVE 】でもちゃんとお湯は沸くし食材にも確実に火を通せるわけだから実際の数値的なものもそれほど違いはないのかも。

一方、【 Wild Stove 】の方が圧倒的な迫力を感じるのは間違いない。実際に炉内に半分ほどの燃料を放り込んで二次燃焼に至った状態ではクッカーを乗せる手を火傷をしそうなくらいの大きな炎となっている。




スタミナはどうだろう、、。
初めて SOLO STOVE を使った時は本体と炉の大きさの限界を痛感した。しかしそれはまだ上手く使うコツを掴んでいなかった頃の話で今では何の不自由さを感じることもなく、感覚的にはまったく問題なしである。特に純正の五徳兼風防から針金ハンガーを切って作ったワイヤー五徳に替えてからは火が落ち着いた後の熾火のスタミナを強く感じるようになった。









【 Wild Stove 】は炎の勢いが凄く、その分スタミナもあるだろうと思われるが、実際に使ってみるとそうとばかりは言えない事がわかる。確かに大きく高くのび上がった炎は SOLO STOVE にはない力強さを感じるけれど、それが落ち着くと途端に熱量もガクッと落ちる気がする。炉内を覗くとさっきまで盛んに燃え上がっていた木質燃料はほぼ燃え尽きようとしている。炉の底が見えるくらいに燃え尽きて白い灰は殆どが下に落ちている。
ここがポイントなのだ。SOLO STOVE は炎が視認出来なくなっても炉が浅い為に熾の熱量が上のクッカーに伝わりやすい。対して Wild Stove は炉が深いので底にある熾の熱がクッカーまで伝わりにくい。ただし、これは遠赤効果という意味ではなく、より直接的な熱という意味。だから、 Wild Stove で熾の力をより感じたければ炉内にいっぱいの熾を作ることだ。そうすることで SOLO STOVE よりも大きな炉を持つ Wild Stove は本来のスタミナを発揮し続ける。つまり、同じ量(SOLO STOVEに入る程度)の燃料では SOLO STOVE が熾の状態でも豊富な熱量を伝えやすく、炉の大きさに合わせて更に多くの燃料を投入すれば Wild Stove がスタミナを発揮する、感覚的にはそんな感じ。


着火後の立ち上がりは 文句なく Wild Stove が早く確実であると感じる。それは同時に燃焼効率の高さを示しているのかもしれない。例えば焚き火台などで起こした炭を両方のストーブに入れた場合、SOLO STOVE の方は赤々と熾の状態が長続きする。対する Wild Stove の方は燃え尽きるのが早く、熾火の恩恵を感じる為には上記の様に炉内いっぱいの熾が必要だと感じる。




Wild Stove の立ち上がりの速い大きく高くのび上がる炎はこのストーブの魅力である。一方でこの直接的な火力を維持する為には相応の燃料が必要であり、熾の力を引き出す為には炉内をいっぱいに満たした方が良い。大きな炎は湯を沸かすには良いが何かを炙ったり焼いたりするには強すぎる。木質燃料の種類や質にもよるがクッカーなどへの煤や樹脂による汚れはけっこうなものである。もし移動中などでクッカーを汚したくなければ炉内いっぱいの熾を作ってからか、アルコールバーナーを組み込むしかない。この点は SOLO STOVE でも同じだ。



大きく高くのび上がる炎はお湯を沸かすにも何かを煮立てるにも十分な熱量を持っているが、反面クッカーやケトルを黒く時として頑固に汚す。それなくしてウッドバーニングストーブや焚き火が出来るか!って?確かにその通りです。一箇所に定住したり、キャンプでも連泊ならばそれも構わないが、すぐに移動しなければならない時や撤収時には思ったより面倒に感じます。





五徳、ポットサポートと呼ばれるパーツは両ストーブとも今ひとつ。これ私の感覚だから気にしないでね。SOLO STOVE の方は風防の様だが実際にはウインドスクリーン無しでは風にめっぽう弱いし、少々高さがあり過ぎる。熾の熱量を十分に使う為にはもっと低い方が良いと感じる。だから針金ハンガーを切って低い五徳を作った。
Wild Stove の方はよく考えられた形状のポットサポートではあるが実のところは使いづらい。何も考えずに持ち上げると三つ又のワイヤーが外れるし、クッカーによっては非常に不安定になる。例えば Trangia のメスティンSなどは乗せ方次第でひっくり返る可能性がある(経験済み)同じTrangia のケトルも900mlの物は斜めに傾いてしまう。比較的小さな径のクッカーなどは問題なく乗るが合わない物は徹底して合わない。この点は SOLO STOVE の方がいいね。

さて、いろいろ書きましたが両方のストーブ共其れなりのコツを掴んで使えばデイハイクにキャンプにバックパッキングに十分役立つ熱源であると感じています。ただ、1日を通して移動し続けたり、場所を変えて何度か使うのであればクッカーなどの汚れと手入れは覚悟しなければなりません。面倒なら汚れたクッカーやケトルをスーパーのレジ袋にでも入れて収納し他に煤汚れが着かないような工夫が必要かと。







感覚的には【 Wild Stove 】はコンパクトに畳めて燃焼は迫力満点、その一方で大きく高くのび上がる炎を持て余すこともある。ポットサポートは何とか改良してほしい所。

【 SOLO STOVE 】は3〜4年四苦八苦しながら使ってきたせいか今はとても普通に使えて必要にして十分といった感じ。針金ハンガーから自作した五徳は熾火の熱を伝えやすいだけでなく、のび上がる炎も抑えられて落ち着いた燃焼となった。

Wild Stove を使って改めて SOLO STOVE の良さが実感できた、、、、、つづく。

追記

磨くのもまた楽しみ也。





  


Posted by ponio at 00:39Comments(1)熱源

2015年10月05日

火を焚きたいだけ



焚き火してはりまっか〜。

焚き火、その土地の人間でその土地の所有者じゃないヨソ者が何処かで焚き火をする場合、今は殆ど焚き火台やそれに似た物を持ち込まなければなりませんね。そういう私も少年の頃にボーイスカウトのキャンプでやった森の中のキャンプファイアー以来一度も地べたで火を焚いた経験がない。数年前、離島で暮らしていた義父が畑の隅で火を焚いて真っ暗な鍋に黒豆入れて炊いていたのを一緒に眺めていたくらいかな、、、。

私がバックパッキングに明け暮れた頃は今と違って小さなウッドガスストーブも限られた種類だけだった。BOX型のネイチャーストーブか電池でファンを駆動させ火勢を上げるタイプ位。必要な熱源はガソリンバーナーかガスやアルコールのバーナーが普通で焚き火台やネイチャー系ストーブは選択肢にもなかったほど(私の場合)。



最後に単独でバックパッキングに行ったの7年前だがその時もガソリンバーナーだった。(あえなく故障)

そして気がつけば今や一端のニワカ・ファミリーキャンパー也。バックパッキングでは持ち歩くことすら考えなかった大きなテーブルに椅子、そして焚き火台、、。



ソロ時代のバーナー達はデイハイクのお供、キャンプでは今や焚き火台が主役であり、バーナー達は私の趣味嗜好品となってしまいました。



さて、皆さんは何の目的で焚き火をされていますか?

やはり癒やされる為?
それとも調理の為?
暖をとったり夜の明かり?
友や仲間と語り合う為?
酒を飲む時の肴みたいなもの?
獣除け?

どれも当てはまりますか?

キャンプ場に着いてテントやタープ、椅子やテーブルを置いて焚き火台に火をともす、、、ん?何故?まだ明るいのに、、、。寒くもないし、ケモノもいない。ははぁーん、何か焼いたり煮たりするのね! ん?違う。じゃぁ何で?となると、、、癒やされたい?




違う。たぶん火を焚きたいだけ。
意味なんてない。


それじゃ薪の無駄遣いやん!昼の日中から焚き火してどないしますの〜?



9月のキャンプでは現地に着いて直ぐに点火したのは移動休憩時に使うコールマンのガソリンバーナーでした。
夕方近くになって初めて妻に焚き火台の火入れを頼みました。私はアルコールバーナーに点火してご飯炊き。妻はこの日のために私が拾い集めて乾燥させた落ち枝や薪の類いを惜しげもなくガンガン燃やしてくれます。まだそんなに燃やさなくていいよ、、、。

妻が火の番に飽きて焚き火台の側を離れると私が代わりに火の番人となる。私は火持ちを良くする為に太い枝を放射状に焚べて少し火勢を落とす。調理の前には炭を入れておこう。焚き付けに使う細く鋭利に割り削った木っ端は別に袋に入れてある。

さて、何か食べるものを調理しよう。
湯を沸かしたりするには燃え盛る赤い炎も良いかもしれないが基本は熾の状態でする。



熾は炎が見えなくても豊富な熱を発している。熾からの距離が離れても遠赤効果で食材は実に旨く焼きあがる。ただし、五徳や焼き網などを介して熾を利用すると燃え盛る炎のような直接的な火力は望めない。だから熾を最大限に利用するには熾の上に直接熱したい物を置くことだ。それでも熾は刻一刻と灰になろうとしている。質の良い炭なら扱い次第で調理の間中も強く強く熱を出し続けてくれる。




それを非常によく利用できる調理用熱源(器具)が七輪なのだ。あれは凄いね。その気になれば焚き火台にもなるし、一度木材や炭が熾たらそれが実に長く持つ。網を乗っけて何か焼いたり、ケトルを置いておくといつの間にか白い湯気が立ち昇ってる。専用のフードをつけてやるとさらに多くの炭を起こせるし、大量の熾で長時間の調理だってできる。勿論、遠赤でポッカポカだぜ!おっかさん!でも、、冷めないのだな、、、。炭や熾が真っ白な灰になっても七輪本体はまだまだ熱々のホッカホカ亭なのだ。うちが焚き火台を買った理由はこの七輪の冷めにくさにありました。だって撤収できないんだモンスター。小さくたたむ事も出来ず、持てばかなり重くて運ぶ時は車。もともと据え置いて使うものだからしょうがないね。




まだ焚き火台を買う前、私と妻は七輪と炭で湯を沸かし飯を炊き、卵や肉を焼き、寒さをしのぎ、椎茸や厚揚げを焼いて『旨旨〜!』と言いながら食っていた。

焚き火台を使い出すと焚き火がやりたくなる。用もないのに火を焚いてしまう。いけないね、、必要以上にPM2.5出しちゃ。



SOLO STOVE や バーゴのヘキサゴンウッドストーブ みたいな小型のウッドガスストーブは自然界で手に入れられる枝や朽ち木などの木質燃料を効率よく燃やすことができる燃焼器具だ。でもその殆どが《お一人様用》。
仲間で囲むには小さくて、家族全員のの料理を作るにもスタミナが足りまへん。


うちではデイハイクで火を焚ける場所に行く時にはコレ。クッカーやケトルは真っ暗に煤けるけど楽しい時間を過ごせるし高い液体燃料を持って行くこともない。キャンプの時にも持って行くけどそれは焚き火台で起こした炭や熾を移し替えて調理や湯沸かしに使うから。昨年の正月も今年9月のキャンプの時も湯沸かしや焼き物に使った。でもね、やっぱりファミリーキャンプでは無用の長物なのかな、、、。
これもまた私だけの趣味嗜好品か?

妻は七輪を手下につけて暖をとり何かを焼いてご満悦。焚き火台では薪をガンガン燃やしてはそのうち飽きて何処か行っちゃう。妻はどちらかといえば七輪派なのだ。



夜、飯の時間も終わって珈琲でもやる。妻は眠れなくなると、この時間珈琲は飲まない。私は珈琲かココアにラムを垂らしてやる。妻は温かいものを飲むと早い時間からにテントに作ったお気に入りの巣に潜り込む。私は独りで火の番をしながらボンヤリと隣人の焚き火やランタンの灯を眺めながら時には直ぐ近くで大きな声を上げるフクロウかミミズクにピクピクしながら、時にはグランテトラに入れた酒に燗がつくのを待って過ごす。そんな時、いつもそこにあるのは火なのだ。音楽を聴いてもいいけれど重低音バリバリは要らない。チープなラジオの音でいい。普段聴かない深夜ラジオを小さく鳴らしながら焚き火の夜は過ぎていく。

ponioでした。


  


Posted by ponio at 08:26Comments(0)熱源camp変化いろいろあるよ

2015年10月02日

Feather と Dragon

ponioでございます。

以前【 SVEA と Dragon 】と題して私にとって初めてのガソリンバーナーでもあり完全無比なバックパッキングストーブでもあった《オプティマス SVEA 123R 》と当時最新鋭で発売間も無かった《 MSR Dragon Fly 》の明暗くっきりの使用歴について書かせてもらいました。

今回は 【 Feather と Dragon 】と題してガソリンバーナー達の今をご紹介。好きな人だけ見てね。


Coleman 442 Feather Stove

言わずと知れたコールマンのガソリンバーナー現行品のひとつ。現行品は1レバー、つまり燃料流量と火力調整を1つのレバー操作に簡略化したモデルです。難しいことはともかく、操作自体は簡単で単純明快、反面、かつての2レバータイプの様な微細な火力調整(特に弱火〜とろ火)がレバー操作だけでは出来なくなった。現行品は何も手を加えなければ強中二段階の火加減で弱火までは小さくはならない。昔の2レバーを知る人からは何とも不器用残念的な現行品であろう。


MSR Dragon Fly Stove

MSRの分離式(ストーブ本体と燃料タンクが)ガソリンバーナーの系譜を受け継ぎながらも強火だけではなく、超とろ火まで微細に火力を操れる器用なバーナーであり、コールマンで言うと2レバータイプと言える。勿論、現在も販売中であるが私のは最初期のモデルでポンプユニットのみ現行品である。


Dragon Fly ポンプユニット(現行品)

ホンマよう壊れましたわ、これ。と言っても壊れたのは初期モデルのポンプユニットで表面はツルツルの艶あり、色は赤青、燃料調整バルブは金属製で円板型だった。現行モデルは赤一色で艶消しタイプ、燃料調整レバーはワイヤータイプに変更されている。


Dragon Fly 現行ポンプユニット

こちらは6〜7年前に買ったもので以来一度もトラブルなし。旧タイプはクラック(ヒビ)に割れ、破損と兎に角よう壊れました。それも旅の途中で、、、。前にも書きましたが最初の時は海の家の廃材から針金を失敬して割れた部分をつなぎ直し、二度目は燃料バルブ基部のクラックからガソリン漏れ、この時は最初に壊れたポンプユニットを予備(パーツ取り)に持っていっており二つのユニットのパーツをあれやこれやと入れ替えて何とか乗り切りました。


元気に働く Dragon Fly 現行品

二度のポンプユニット破損はその後 MSRと分離式ガソリンバーナーに対する不信感とトラウマになりました。ポンプユニットを新型に買い替えはしたもののバックパッキングに連れ出すことはなくなり、時折デイハイクなどで使うのみのお蔵入り状態でした。

その Dragon Fly が現役復帰を果たしたのは2〜3年前のこと。家族でBBQに行った際に大鍋で煮込みうどんを作ったのがキッカケでした。そしてその時に気づいた笑撃^_^;の事実! ナント!私はこのバックパッキングストーブの火力をほんの僅かしか使っていなかったのです、、、。それはそのあまりにもケタタマシイ燃焼音が原因でした。点火して火力調整ツマミを捻るとバババババー‼︎と唸りを上げるこのストーブ。それがあまりに喧しくて知らず知らずの内に最高火力まで上げることをしていなかったのです。おそらくは中火、いやそれ以下の状態だったと思われます。大鍋で煮込みうどんを作った時になかなか煮立たず、そのくせ音ばかり喧しい、イライラして火力調整ツマミを反時計回りに全開!ババババー‼︎からズゴォー!!最後は コォー!!という少し甲高いような強烈な燃焼音。そして程なく煮てたぎるうどん鍋に『えぇー!?』こ、これが最高出力!?

、、と、まあそんな感じで復活の狼煙をあげた面目躍如の MSRガソリンバーナーでありました。



一方、コールマンの442 は最初から絶好調。1レバーの不器用な火力調整や脚をたたむ以外に折りたたむことも出来ないダルマみたいな図体はけっして今時の軽量コンパクトで凝った仕組みのバーナーではないけれど、その単純明快で何よりも素晴らしく簡単手軽な点火プロセスには他のガソリンバーナーが面倒くせ〜などと感じられるほど。だって、、、取り出して脚を開いてポンピング20回で即点火。更に15〜20回ほどポンピングしてやるだけで安定した火力が得られるのだから。


多くのバックパッキングシーンを支えてくれた堅牢確実なる SVEA 123R でさえその点火までのプロセスや本体が温まり暖機運転から本格燃焼に移行するまでの時間は時として面倒くさく感じたり(滅多にないが)、時間に余裕のない時や連れの分まで湯を沸かしたりする時にはチョットばかり待ち遠しく感じられるのである。



その点ではコールマンのバーナーにみる点火プロセスの簡単さは特筆ものだ。SOTOの MUKA だって、、確かに。でもね、コールマンは燃料タンク一体式故に組み立ての手間ひまは無く、ポンピングもいたって簡単でその必要回数も少ない。コンパクトにならない反面、取り出して、より短いプロセスで点火安定するコールマンの素晴らしさは不朽とも思える。

だからこそ私はコールマンのストーブをキャンプやドライブランチの時の移動途中の休憩に使っている。相性の良いクッカーと組み合わせておけはいつでも手早く湯が沸かせるから。カップラーメンやスープや珈琲だけならこれで十分であり、これが一番だと感じてる。ホント。

ガスは確かに簡単で火力の調整も完璧、レギュレーター付きの機種やガスの種類を使い分ければ冬季でもドロップダウンせずに使える、点火も殆どがオートイグナイターで簡単、ポンピングも要らない。だけど、真夏の車内など積んでおくには危ない環境条件がある。私の場合は初夏から晩秋まではガソリンバーナーを使い、初冬から春先まではガスを、一年を通じて使うのはアルコールというスタイルが出来上がっている。


実は今日も午前中から Dragon Fly を持ってチャリハイクしてきた。川辺のベンチに腰を下ろしてバーナーを組み立てる。別に面倒だとは感じない。ポンピングしてプレヒートして中火以下で運転する。静かな川辺にやかまし過ぎる燃焼音は気がひける。時折バルブを目一杯開放するがやはり強烈すぎてすぐに戻す。逆に中弱火くらいの方が沸騰までの時間がかかって、その間にゆっくり食い物や珈琲の支度ができる。



午後からは妻と夕焼けドライブ。稲穂波打つ田園の端っこでコールマンに火を点す。火力を最高にしても田園を渡ってくる風や自然のざわめきの中では無音に近い。程なく湯が沸き珈琲を淹れる。夕陽に背を向けるように車のハッチバックを開けて腰掛けコーシーを啜る。美味くも不味くもないけどコールマンだけは変わらず簡単やな〜。


つづく








  


Posted by ponio at 22:10Comments(0)熱源道具たち変化

2015年10月01日

キャンプ総括



ponioです。

五回に渡って書き連ねました、9月のキャンプ。

総括すると、、、いつものキャンプとほとんど何も変わらなかったなぁと感じます。

何かを変えようと思いつつも何となくピンボケだった気もする。ピントを合わせようとしていてシャッターチャンスを逸した感じ。

《良かった点》・・・・・・・・・

❶ キャンプ場のロケーション、管理人さん、気候、当日の天気、人出などとても過ごしやすい環境と条件だった。



❷ 比較的のんびりと過ごせた。
(意識してそうした)
❸ 必要のない道具を持っていかなかった。
(かなり意識してそうした)
❹ 主燃料だった薪はすべて使い果たし帰りの荷物がさらに減った。


❺ タープも張らずに済んだ
(雨も降らず大きな木陰の下で過ごせた)
❻ 炊事棟に捨てられていた炭を利用できた。(薪だけでは足りなかったかも)
❼ 近所の犬が遊びに来た。
(最初はよかったが、、)



《反省点と想定外だったこと》・・・・

①到着してからの荷物の整理が追いつかず全体の使い勝手が良くなかった。
② やはり作業に没頭してしまった。
③ 時折バタバタしてしまった。
④ 犬が来た(ちょっと興奮しすぎて大変な時もあった)
⑤ 大きなアリンコが食べ物を探してテントやらテーブルやらに上がりこんできた。

《いつもと違った点、変わった点》・・・

⑴ テーブルを6人用の大きなものから2人用(?)の少し小さなものにした。

*銀色一色のアルミ天板の大きなテーブルは色的にも如何にもキャンプ用品だった。対して今回のテーブルはアルミ製でも木目調のシックな色合いと取り出してほんの数秒で組み上げ設置できる手軽さが素晴らしかった。上手に使えば2人でも十分だと感じた。



* 一方でテーブルトップの面積が前に比べてかなり小さく(半分)なった分、物を置けるスペースが限られ天板の上やテーブルの足もとにも荷物が溢れた。



* テーブルトップの細々したものを整理するためにそれらの置き場や置き方、使い勝手の良い収納用の棚や箱を用意することになった。それらはサイト全体の雰囲気を考えて同じ色調、同じ素材感の物にする。

⑵ いつもはあれこれ持ち出すバーナーやクッカーなどの道具を極力絞って必要最低限にした。(目的よりも使いたさが優先してしまっていた)



* たとえばバーナー類が減った分、必要以上の燃料の準備をしなくてよかった。

* あれこれと手をつけ管理しなければならない物が減った分道具に使われることがなかった。



* 必要なくとも好きな道具を一つくらい持っていっても良かった(かな〜?)

★ 車に積みやすい、運びやすいスタイルがそのままテントサイトでも使い勝手の良いスタイルになるとは限らず、ここを考えよう!はーい。

つづく
  


Posted by ponio at 21:47Comments(0)camp