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2024年05月09日

『Tri-Ad Lock 』の効能



*2008年版 COLDSTEEL カタログより

Andrew Demko 設計開発の 『Tri-Ad Lock 』がコールドスチールのカタログにて紹介されたのは 2008年のことである。この強靭なロック機構は今日のコールドスチールを語る上で(語らんでも!)欠かせないポイントとなることは誰もが知るところでございます。さて、今回はボイジャー絡みの4回目、その強靭なロック機構の効能について書いてみますが、これも既に書き尽くされた感がある分野なのでホンマにお好きな方または読み切る不屈の根性をお持ちの方のみ立ち読みしてすぐに忘れてくだされ。


『Tri-Ad Lock の秘密は正圧と負圧を受け止め伝達分散吸収させる各部の機能にあります』


コールドスチールの方向性を決定づけた Andrew Demko の 『Tri-Ad Lock 』はフォールディングナイフのロックとして極めて強靭なことで有名ですが、その強さの要となるのは、ロックにかかる垂直方向の正圧と負圧の負荷を分散させる「ストップピン」の採用です。このストップピンは、正圧・負圧 (ブレードにかかる上下からの圧力) をすべて受け止め、それをハンドルや金属製ライナーに伝達して、その全てでより効果的に分散吸収できるようにしています。


正圧はブレードのカッティングエッジに対して掛かる力。包丁をまな板に当てた時にまな板や食材からブレードへと伝わる力です。上の図ではピボットを軸にブレードが時計回りに動こうとします。通常のバックロックではロックバーの先端がこの正圧を受け止めますが Tri-Ad Lock はブレードとロックバーの間に位置するストップピンがそれをガッチリと受け止めます。さらに、



❶ ブレードタングに設けられた凹部がこのストップピンを確実に受け止め摩耗や裂傷に対する耐久性を高める役目も担っています。更に正負両方の圧に対してブレードのガタツキを無くし、ストップ ピンはブレードからの圧力を緩衝し再分散させます。


コールドスチールによる実演。ブレードを上から叩く時に掛かる瞬間的な負圧と角材に押し当てられた時に下から伝わる正圧。この実演は正負両方の圧に対するロックやハンドルなどの強度実証なのだ。


❷ロックとブレードのタングの全表面がぴったりと合う。
わずかに角度の付いたロックは、圧力がかかったときにロックを外側ではなく内側に押し込む傾向があります。つまり深く噛み合うということ。



ブレードの背を叩いた時などに掛かる強い負圧。上の図ではブレードタングは反時計回りに回転しようとし、それと噛み合うロックバー先端部を前方に押し出そうとする。しかしストップピンがそれを押しとどめ圧を金属製のライナーやハンドルに分散させます。


コールドスチールによる実演の中で手に握っただけのナイフのブレードの背を叩く場面がありますが、これは負圧100%!宙に浮いた状態では正圧は掛かっていません。この時かかる瞬間的な負圧はブレードからロックバーへ、それをストップピンが受けとめ更にライナーやハンドルに伝達分散吸収されてロックバーとそのピボットが故障するのを防ぎます。


❸ 通常の摩耗に応じて、時間の経過とともにロッカーがノッチのより深いところまで落ち込むことができるように、余分なスペースが設けられています。このブレードとロックバーの隙間について、ブレード後端のノッチはロックバーの先端より深めに作られておりこのブレードとロックバーとの隙間も Tri-Ad Lock の自己調整に一役買っています。負圧によるロック系のパーツの摩耗はロックバーが前方に微動することによって前後の補正を行い解決されますが、❸の隙間は正圧によるブレード後端の摩耗を補う役目があると考えられます。仮にストップピンに接するブレードタングの凹部分が摩耗してブレードにガタツキが生じた場合にロックバーが自己調整で深く噛み合う上下の補正を行うものと考えられます。


❹ ロックバーのピンホールは、自己調整ができるように両側に余分なスペースが設けられています。例えばブレードの背を叩いた時などに掛かる負圧は❷で書いたようにブレードを反時計回り、ロックバーを前方に押しつけます。この様な強い圧を受け続けた場合、ロックバー先端部(ストップピンに当たる面)やブレードタングのノッチとの接面が摩耗することがあるかもしれません。この時、ロックバーに設けられたロッカーロックピンホールの「ゆとり」が役に立ちます。ロックバーはロックスプリングにより常に前方へと押されており仮にロックバー先端部が摩耗してもこの「ゆとり」分だけロックバーを前方に微動してくれます。(Tri-Ad Lock の自己調整機能)これにより常に確実なロックが約束されます。


摩耗し減った分だけ微動して同じ噛み具合にもっていく、ロックバーのピンホールが地味〜に支えている『にゃるほど〜』的な構造ですね。



ガラス繊維と高密度のポリマーで強化された Griv-Exハンドルと熱処理された6061アルミニウムライナー。これも Tri-Ad Lock を支える重要なパーツなのです。



Tri-Ad Lock は正圧・負圧の両方を受け止めるストップピンとそれを囲むようなブレード後端の凹、ブレードタングとロックバーの噛み合い部の計算されたゆとり、部品が摩耗した場合に微動して自己調整するロックバーのピンホール形状、ガラス繊維で強化された高密度のポリマー製ハンドルと金属製ライナー、これらが互いに支え合って強靭なロック強度を実現しているのです。

さて、くどくど更にクドクドと書いてきた今回の自由研究もこれにて終わりです。皆さまお疲れ様でご機嫌よう。

ponio

追記


アタシがコールドスチールのフォールダーの中でデザイン的に欲しかったのは Ultimate Hunter 35VN でしたがそれを選ばず(欲しい欲しいノートには残留)、ボイジャーを選んだのも金属製ライナーの有無がポイントでした。同じく同社の AMERICAN LAWMAN もまた金属製ライナーの有無で今回は見送りました。



あたしの手首ほどの太さの伐採木を短く切って薪の代わりにします。その太い枝には至る所にまるでドリルで開けられた様なきれいな丸い穴が開いておりました。中にいるのはカミキリムシか? とボイジャーで手加減しながらバトンして中を確かめる。この枝はほぼ完全に乾燥していて硬いため最初にノコで横一文字に切れ目を入れてから上からバトンで割っていきます。ブレードの上から瞬間的にかかる負圧と硬く締まった木質からの抵抗(正圧)が拮抗するシーンです。

ほぼ乾燥しきった硬くしまった伐採木でしたが、もちろんロックが外れることはなくハンドルにもブレードにも目に見えるダメージはありませんでした。今回、実用における Tri-Ad Lock の頑強さを証明してくれましたがテストはこの辺まで。これ以上の太さの木材には使い慣れた一枚物のフィクストブレードを使おうと思います。酷な使用に耐えられることと安心感はまた別物なのです。
  


Posted by ponio at 23:06Comments(0)刃物道具たち

2024年05月05日

五月の雑記・時々追記


今年の GW はホンマのんびり。どんたく祭りも今年は晴れて良い天気でした。


地域のどんたく祭りも賑わって。


五月の連休といえば、わが家はヨモギ摘みが恒例行事。昨年は 4/30 でしたのでもしかしたら遅いかも、、と行ってみたら、やっぱり見事に刈り取られておりました。それでも渓流沿いにかろうじて残っていたものを適当に摘んできました。今年のヨモギ摘みナイフは MOKI トラッドクラブでした。去年は、、


昨年はヨモギ摘み名人の CASE SOWBELLY シープスフット、

EKA の Swede 88 、

Spyderco DELICA Wharncliffe 、
この3本に共通するのは比較的薄刃という点です。


ヨモギ摘みはヨモギの新芽の少し下を親指とブレードでつまむ様にこじって摘み取ります。手袋はしていますがこの摘み方でやると指先が黒くなりません。


奥さんは今年もフキを刈り取ってきました。



ヨモギとフキ摘みが一段落したところでちょこっと早い昼メシ。家でおにぎりを握ってきたのでここでは魚肉バーグを焼いて食う。凝った料理などしないしない。

DAISO のダブルドリッパーで2つのカップに同時ドリップ。サーバーにドリップして注ぎ分ける必要がないのと、一杯一杯淹れ直すこともないので便利なのだが、、一つだけ欠点がある。コーヒーを淹れ終わった後のペーパーフィルターがひっくり返しても振っても取れないのだ。自宅で使っているドリッパーは淹れ終わった直後でも逆さまにするとペーパーごと簡単に捨てられるのだが。

今日は風が強かったので Trangia のストームクッカーを持ってきた。DUOSSAL のソースパンは満水にしない限りはポタポタ、ニョロニョロと器用な注ぎが出来る。ケトルを使うより後片付けも楽。



車が混み合う前に自宅に帰り着き休む間もなく奥さんがヨモギの選別と団子作り。今年も旬の香りを頂きました。


今年の誕生日に奥さんからプレゼントされた『鯨の大和煮缶詰』36缶パック。その後いくつか開けましたがアタシにしては頑張って「ここぞ!」という時(どんな時やねん)に勇気をふり絞って食べております。奥さんが「月に1缶よ!」と笑って言えば、奥さんの姉は「年に1缶よ!」と大笑いで言います。「そんなぁー、、」と悲観に暮れながらコッソリ食う楽しみよ。PRIMUS のストーブに乗っけてトロ火で沸々やりながら食うスタイルは大阪時代に馴染みの角打ち酒屋で毎日目にした光景です。


CSボイジャー/ポケットクリップの改良
左はオリジナル、右が改良後。クリップ磨いただけやん!そそ、使っているうちに塗装が剥がれて汚くなるのでその前に剥がしてやりました。それと、まだあるのですよ〜。

ポリウレタン混紡でストレッチ性のあるデニムのポケットに滑り込ませようとすると、、生地が二重になったポケットの縁の部分にクリップが引っかかる。食いつきの良いハンドルテクスチャーと強いテンションのクリップがポケットの生地を通してくれないのだ。クリップ先端の形状も要因の一つだ。更にストレッチ素材ゆえのノビノビ現象も加わってヒジョーに使いずらい。

今度はポケットから引き抜く。これもまたストレッチ素材のノビノビ現象が邪魔をする。ハンドルテクスチャーとクリップが生地を離してくれない。


これだけ見てもわかりませんが、ポケットクリップを取り外してハンドルと接する裏面を入念に磨きました。少しでも抵抗を減らすためです。更にクリップ周辺のハンドルテクスチャー表面を研磨パットで擦ってテクスチャーを少し丸めてやりました。最後にセム皮とプライヤーで挟んでクリップを軽く曲げてやりました。これでポケットからのドローもやりやすくなりました。


夜の PRIMUS、その青き炎が美しい。


長崎の離島に暮らす義理の姉が庭や近くの山で拾い集めた椿の種から絞った金色の椿油。熱した鉄のフライパンにこれを垂らすと驚くほどに甘く濃厚な香りが立ち昇る。フレンチトーストもジャーマンポテトもパスタもこれでイケる。外来種として害獣扱いされているタイワンリスに食い荒らされる前に義姉が持てる野生を駆使してかき集めた結晶だ。


その椿油でじっくり火を通したこれまた長崎は島原の小さなジャガイモ。ガスコンロのセンサーが反応して自動消火するまで上下スキレットとトロ火で加熱する。


Trangia が自社生産して販売を始めた ガスバーナー STORM は現在承認を受けた EU各国のみで販売されているとのこと。日本で出回るのはいつのことやら。



本日のムッシー


CIVIVI VISION FG あたしの『欲しい欲しいノート』にリストアップされているキレモノのひとつです。カッティングボードに刃先を押しつけそれを支点にブレードを上下させて食材をみじん切りにするクランクダウンがやりやすそうだね。


そしてこちらは、、
Tactile Knife Co..というブランドから発売されている Chupacabra は、あたしが欲しい欲しいノートにリストアップしている CIVIVI の VISION FG まんまです。デザイン的にはこちらの方がやや大人しく VISION FG で不評と言われたポケットクリップを変更、ブレード鋼材も CPM Magnacut と今流行りのスーパースチールにアップデート。WE ナイフの Vision R に始まるSnecx Tan (Malaysia)ラボの SUPER LOCK シリーズ(他 CIVIVI VISION FG)をこの Chupacabra では 61-62 HRC AEB-L Sliding Lock (Superlock)としてロックバーの硬度まで詳細に表示しております。価格は WE の VISION R より高く、よってアタシの『欲しい欲しいノート』には入れられません(高すぎて)。アタシが VISION FG を未だ買っていないのには理由があります(経済的理由はさておき)。それは重さ。操作性やデザインはアタシの好みの集大成みたいなもんですが、、これ意外と重いのです。せめて100gくらいならね〜。


本日のムッシー


大盛りスパゲッティはセルジオ・コルブッチ監督 “J&S/さすらいの逃亡者”(邦題)へのオマージュです。主演のトーマス・ミリアンがノーカットで見せてくれる大盛りスパゲッティの超人的一気食い!
若い頃、初めてあのシーンを見た日からアタシも何度やったことか!(やったんかい!)流石に牛の下で仰向けになり搾乳ならぬ牛からの生乳直飲みだけはやってまへん。


トーマス・ミリアンはアタシにとって神の領域です。


蛇苺、美しい〜。


本日のムッシーは今が旬!のカメムシだす。


本日のムッシーは家蜘蛛でお馴染みのアダンソンハエトリグモです。小さな蜘蛛ですが『焼津の半次』なら「出た!出た!アレが出たーー!」と大騒ぎしてくれるでしょう(わかんねぇよ!)。


うちの奥さんの実家(長崎の離島)に実っていた枇杷の種から発芽して大きく育った枇杷の木。今年も収穫できました。見栄えは良くないけど味は絶品。


本日の昼飯、旨し


金曜恒例のナーフガンによる射的競技ワールドカップ(いつからワールドカップに?)。娘のところの次男(小6)との壮絶なマッチは引き分けのままこれまた恒例となったフライパンシューティングに突入せり。ティファールのパンケーキ用フライパンをS字フックでぶら下げそれを二人で射つ。20発ほどはミスなくフライパンにヒットするがそこから一発毎に難易度が上がる。射ち込めば射ち込むほど当たるスペースが小さくなっていくからだ。30発を過ぎたあたりから同じ場所にヒットして弾き返されたり、既にヒットしてくっ着いているリファイルを落としてしまったりとミスが多くなってくる。これまでの記録は48発。今回は二度のチャレンジで遂に60発!の大記録達成となった。全部で72発程のリファイルを二人で射って外したのは1〜2発、10発は同じ場所に当たって弾かれたか後から当たったリファイルによって落とされたかのいずれかだった。はあ、、疲れた、、燃え尽きたぜ。


わが家の数少ない憩いの広場である福岡県朝倉市にある寺内ダム湖『梅と桜の広場』が公園整備の名の元に閉鎖となったのは昨年のこと。看板には2024年3月末までと明記されていました。わが家はここで梅雨入り前の風物詩である『梅拾い』と芝生ランチを楽しませてもらっていました。さて、本日晴れて梅拾いと意気込んで行ってみましたがなんと未だ整備中、、車を停めて別ルートから公園に入ってみると、、、なんと!梅の木が全て切り倒され芝生はオートキャンプ場へと改修されておりました。一部の人には朗報かもしれませんね。新しいキャンプ場。しかしわが家にとってはショック以外の何ものでもありませんでした。

桜の並木は残されていましたが、、奥の芝生に並んでいた梅の古木は一本残らず無くなっていました。鹿の糞が転がる芝生は梅の古木が作り出す程よい木陰で心地よく毎年この時期にここでランチを楽しんだものでしたが、。コロナ明けでキャンプブームも一段落という昨今になって誰もが気軽に訪れることができた公園がキャンプ場だなんて。朝倉市のホームページにはキャンプ場運営とそのスタッフ、ボランティアを募集となっていました。公園は元より人が作ったもの、ダム湖に沈んだ集落から移転した墓地はそのまま残されていました。これからはさぞ賑やかになることでしょう。うちはもう行くことがないと思います。代わりにちょこっと良さげなポイントを見つけました。梅拾いはもうできませんが。







この美しかった梅林も消えてなくなった。公園は人の手が作った人工物だがそこに生えていた樹木は長い年月をへて育ち大きく実り多くの人を癒してきた。何を言ってももうこの景観は永遠に戻らないのだ。私たち人間はこうして暮らしてきた、、それはわかってる。





車で彷徨い走って30分。豪雨災害の爪痕が至る所に残る山間の道端に車を停めてランチにします。いつものスーパーで買った野菜とハムでサラダと自宅で茹でてきた蕎麦、卵焼きとおにぎりが昼メシです。


ダム湖周辺の荒れた山道を走ってたどり着いた広場には折れた太い枝木や伐採された木が堕ちていてそれを次のキャンプ用にとナイフで枝をはらいノコで適当な長さに切って持ち帰ります。


落ち枝拾いや焚き付け作りに小さな怪我は付きものざんす。今回もノコで引っ掛け小さな傷を負いました。小さいからと馬鹿にしちゃいけませんよ。今回はペットボトルの水で洗ったあとキップパイロールを薄く塗りバンドエイドでカバーしておきました。、


2024/05/26 福岡市西区から早良区、城南、南区へと都市高速移動中に目の前を飛び去った機影。写真の機影はボケていますが下に貼り付けたシルエットから同じものではないかと、、。



今日のムッシー、モンシロチョウ


そのモンシロチョウが蜜を吸いにきていたのがこの小さな花。

いつもの森林公園の中にある朽ちた木製テーブルから芽吹いてのびたベビーなツリー。誰かが引っこ抜きません様に。


本日のムッシー

本日の生き物、ニホンカナヘビさん

本日の破損、メレル・ジャングルモック
こちらはまだ型崩れもしていない一年物、、はあ、、



金曜恒例のナーフガン・スペースカップ(宇宙規模か?!)は新たに100均のボーリングピンなどを加えて開催。この赤のプレートがなかなかの難易度でした。本日は記録更新ならず。


奥さんがどこからか収穫してきた枇杷を食す。旬だね〜。

というわけで、五月も終わりました。
このひと月は雨も多く蒸し暑く、昨日は今年初めて夏の朝の真っ白な太陽光を目にしました。仕事で使うザックには麦茶が標準装備され出かける前には日焼け止めと虫除け剤が欠かせなくなりました。若い頃は日焼け止めなどしたこともなく夏は基本真っ黒でした。しかし、近年の夏の日差しは半端なく上から押さえ付けられるように強烈でこの日差しにまともに焼かれた翌日は皮膚の免疫が下がり体に不調が出ることもわかりました。虫除け剤は仕事で草むらに入ることがあるためマダニ感染症予防のためです。九州はクマが生息しておらず被害もない反面、サルによる被害も身近まで迫っています。そしてマダニ、、これだけは気をつけないとコロナどころではなくなりますから。さあ、明日から六月ざんす。梅雨入り間近です。そして、『キャンプ JUN』が控えています。  


Posted by ponio at 13:57Comments(0)

2024年05月04日

ソロストーブのための「小薪」作り



先日、長年にわたり忘れていたコールドスチールのナイフを買って男のケジメをつけた(どこがじゃ)アタシですが、実はその使い道について考えなくてはなりませんでした。

焚きつけ拾いを兼ねたデイハイクのお供、デイキャンプ、それと、、帰省。

帰省にボイジャー要らんやろー!
と思うでしょ?ところかが、アタシにとっての帰省とは奥さんの生まれ故郷である長崎の離島に帰ることを意味します。すでに実家はないので奥さんの姉の嫁ぎ先にいつも泊めてもらいます。そこに行くと必ずやるのが前庭でやる朝の湯沸かしと髭剃り、姉のためのコーヒー淹れ。最近はキャンプ用のストーブバーナーでやっていますが以前は小さなウッドストーブ(SOLO STOVEとか)でやっておりました。


2017年 離島の朝に SOLO STOVE でお湯を沸かし髭を剃る。もう一度沸かしてコーヒーを淹れる。離島の朝のルーティンざんす。野鳥の声があたり一面に満ち満ちてなんとも言えず清々しい朝ざんす。

この SOLO STOVE は現行品でいう SOLO STOVE LITE です。これを買ったのが2013年頃ですからもう11年になります。


炉内のワイヤーはすでに焼き切れておりその後100均の天ぷらオタマの柄を取り外して底網として使いそれも現在二代目です。


離島での毎朝の湯沸かしはその後ガスやアルコール燃料といった液体燃料へと変わり手早く汚れず出来るようになりました。たしかに安全で火の始末もその場で終わり煙も灰も出さずにお湯が沸かせるのはとってもイージーなのですが、ここには焚きつけとなる枯れ枝がそこらに沢山落ちています。小さな湯沸かしクッカーと小さなウッドストーブ、ライターさえ持っていけ良いのです。雨が降ったら終わりですが、、。そこで小さく切り割りした燃料をジップロックに詰めて持っていきます。それが「小薪」です。


小薪作りは落ち枝を拾うところから始めます。適当な太さの枝を拾いその場で20〜30cmに切って持ち帰ります。使うのは細い枝でもノコ刃が入りやすい細目のノコです。写真は silky ポケットボーイの細目。


持ち帰る前に樹皮を削ぎ落とすこともありますが人が通るような場所では絶対にしません。


松の枝を拾ってこのくらいにカットします。これは自宅の玄関に座布団敷いてやってます。


それをシースナイフと適当に重さのある枝でコツンコツンと叩いて割っていきます。


木質が詰まったものは無理ですが手に持って軽いものならフォールディングナイフでも叩いて割れます。勿論、叩きには力加減が必要です。割れた木片が左右に飛ぶほど強くは叩きません。


これはキャンプ場での一コマ。木質の詰まった硬い枝を細目のノコで輪切りにします。積み木のようですがこれも小薪としてそのまま焚べます。ただし、SOLO STOVE に使うには少し大きく投入したあと火力が出るまで時間が掛かります。



これくらいになると小さなブロックにするまで暇と時間が掛かります。この後1/4程度まで切り割りして炉の大きな Firebox Stove (5インチやスカウト、フリーなど)に使います。


大きな薪は半分に切るか割るかして焚き火台用として使います。


乾燥した楠の枝をsilkyの細目で短く切る。



それに IZULA を当ててコツコツと加減しながら叩く。


IZULA の小さなフラットグラインドのブレードが乾燥しきった楠の枝を割っていく。食い込んだブレードと楠の枝の間に黒く隙間が出来ている。この厚みでもブレードが楔(クサビ)の効果を発揮している。


この程度の枝にも節はある。節の硬さにもよるがこれに当たるとエッジが潰れる可能性が高い。視認できるほどではないが小さな潰れは必ず起きる。


IZULA のお仕事はここまで。あとは、新入りの出番。


先日届いたばかりのボイジャーがそれらを更に1/4に割る。


このあたりまでは IZULA に比べてブレードと割れ目の隙間は無い。叩き始めはハンドルをやや下向きに、切先をやや上向きにしてコツンコツンと加減しながら打ち込む。叩くのはブレードの背から切先に向かう角の部分。


ここまでくるとクサビ効果が現れてくる。


SOLO STOVE 用の「小薪」の出来上がり。着火後はこのピースだけで長く安定した燃焼が続く。WILD STOVE や Firebox Stove 、B-6君 あたりには小さすぎますが火力が落ちた時にはコレをひとつ二つとマッチ1〜2本を放り込むと火勢が復活します。Firebox Nano ならこれで十分。


「小薪」作りに欠かせない細目のノコギリと小さなナイフ。それにデカいフォールダーが加わりました。


手始めに「小薪」作りに使ってみたボイジャーですが、いくら頑強なロックを持っているとはいえそこはちゃんと加減してやりました。必要以上に瞬間的な負圧をかけないように。


ナイフにとっての負圧とはブレードの背に指を押し当てたり、バトンニングの様にブレードを叩いた時に掛かる上から力のことです。コールドスチールではnegative pressure と呼んでいます。


負圧(緑の↓)に対するものとして正圧(ブルーの↑)positive pressure があります。これはブレードを何かに押し当てた際にその面からブレードに向かって掛かる力です。


アタシがEDCブレードとして日頃から最も愛用している Spyderco のDELICA 4は正圧と負圧の均衡が崩れた瞬間に本来動かないはずのブレードがカクッと微動します。その際にハンドル背面のロックバーが内側に微動するのが確認できます。これは硬い木などを削ろうと力を入れた時によく起こります。最初はこれが気持ち悪く感じたものですが普段使っている分にはこの正負の均衡が崩れることは殆どなくブレードやロックバーのガタツキも見られません。

負圧に限っていえばブレードに指を当てがう際にかかる負圧とバトンの際にかかる負圧には大きな差があります。


バトニングした場合はフィクストブレードならブレードやハンドル、フォールディングナイフの場合はピボットやロックバー、ライナーなどにも瞬間的にかなり強い負荷がかかります。ご注意を。


スリムなマッチ箱ほどの「小薪」は着火用にも使えます。クルクルカール(フェザー)の必要もなく、これ以上細く割る必要もありません。アルコール燃料をほんの数滴垂らしてフェロロッドを一閃させれば一発着火。保管は適当なサイズのジップロックで。


とあるデイキャンプにて、ハチェットで小薪を作る。


こちらは WILD STOVE のために用意した小薪。市販の杉薪から作ったものなので非常に燃えやすい。WILD STOVE にはやや小さめ。

今年の夏も離島に渡るかな?
その時は小薪と SOLO STOVE とボイジャー持っていくかな。

「 IZULA でええやん!」
「え、ああ、、ね」

  


Posted by ponio at 21:11Comments(0)熱源刃物camp道具たち

2024年05月02日

コールドスチール・ボイジャー考察



あたしの『欲しい欲しいノート』は15年前から代々 iPhone のアプリに受け継がれてきた。今も現在使用中の iPhone 14 の中にある。そこには代々受け継がれてきた物や既に消された物が数知れず。消された物の中には購入に至ってリストから外された物、製造中止になったとか、モデルチェンジしてしまったとかで結局買わなかったり買えなかったりした物も相当数ある。今回はアタシの『欲しい欲しいノート』に現れては消え思い出しては付け加えられ、また忘れられてきた一本のナイフについて書きます。


前回『CSボイジャーとアタシ』で書いたようにアタシの『欲しい欲しいノート』にこのキレモノがリストアップされたのは初代 iPhone 3G が発売されて間もなくの2009年頃でした(iPhone 日本発売は2008年)。考えてみれば当時のアプリが今も生き残り使えるというのは凄いことかもしれません。


『欲しい欲しいノート』に初めてリストアップされた コールドスチール・ボイジャーは2009年に廃盤となっています。YouTube の『Nutnfancy 』チャンネルで初めて見たボイジャーはその年の内に廃盤となっていたのです。

そして月日が流れ、、


2024年 15年の歳月をかけてアタシの元に届いた 、
COLDSTEEL #29AC
LARGE VOYAGER
CLIP POINT



15年前とは姿形もずいぶん変わった。アタシの iPhone も3Gから 14になった。


本当は手前の COLDSTEEL ultra LOCK と同じサイズ感であるミディアム・ボイジャーが良かったんだけど今更言ってもあとの祭り。ミディアムサイズのボイジャーでプレーンエッジが存在していたのは2014年が最後です。それにしてもデカいのぉ。


COLDSTEEL ultra LOCK
アタシが初めて買ったコールドスチールのキレモノざんす。当時の仕事場でバリバリ働いてくれました。今はオガ炭割り専用です。

発売からモデルチェンジを経ながらこれだけ長い期間販売をされてきたボイジャーですから既に数多くのユーザー、先人たちが記事やブログ、動画などで紹介し、YouTubeなどではコールドスチール並みの実証実験をやる人が相次ぎもはや製品紹介の必要もない今日この頃。そこで今回はアタシなりの視点で捉えた現行ボイジャーの考察について書かせてもらいます。



さて、15年という月日を経てアタシの元に届いたボイジャーですが勿論それは現行品のそれです。この現行ボイジャーには L と XL の2サイズしかありません。アタシのものは L :ラージモデルです。予想はしていましたが手にしてみると流石にデカい。我が最大のフォールディングナイフとなることは確実です。これからして XL はもはやナイフではない!と確信できます。


実は10年以上前にとある仕事のために上の#29TXVS ボイジャーXLのフルセレイションを買おうとしたことがあります。しかし、丸二日に渡るヘビーワークだったとはいえその為だけに普段は絶対に使うことのないドデカいナイフを買うなんて、と思い止まりました。




さて、先ずは全く意味が無いことを承知で Spyderco DELICA 4 と並べてみます。Spyderco DELICA はアタシの中では最良の EDCブレードです。ブレード長、ハンドル長、鋼材、ポケットクリップ、アクション、そして厚みと重さ、アタシの中のEDCブレードの基準にこれら全てが合格という数少ないキレモノです。

二つの DELICA 4。ブレードとロックバーの合わせにバラつきが見られます。今回届いた ボイジャーと比べてみるとやはり品質的には TAIWAN 製に軍配があがると再認識できます。DELICA (G・SAKAI製)は発売から長きに渡り相当数の生産がされており製品にバラつきが見られます。ブレードとロックバーの合わせ目や強い正圧がかかった時のロックバーのアソビなどは一昔前の日本製には見られなかったものです。勿論、それらは実用には全く問題ないレベルのものですが。


アタシが欲しかった最初のボイジャーはセカンドモデル(Zytel ハンドルと金属製クリップ装備 2009年廃盤)で現行の Tri-Ad Lock はまだ組み込まれておりませんでした。ブレードやロックバー、ハンドルも現行の物よりスリムでした。畳んだ時もかなりスリムだったと思います。実際に手にしたことはありませんがもし今これがあったなら DELICA 4といい勝負だったかもしれませんね。



スリムでポケットにクリップしても何ら違和感のない軽量で軽作業向きEDCブレードの DELICA と、ロック機構としては極めて頑強と名高い Tri-Ad Lock とそれを形作る分厚いロックバーやライナーで補強された Griv-EX製のハンドル材を持つハードユース前提の現行ボイジャーは比べること自体がまるで土俵違い。それはわかっています。 上の写真はロックバーとブレードの合わせ部分を上から見たものですが、これからもこの二つのキレモノの宿命みたいなものがわかる気がします。ボイジャーにはブレードとロックバーの間にストップピンと呼ばれるこのナイフの要が存在しています。これが Tri-Ad Lock の秘密ですね。


手前は仕事でもよく使われる WENGER のバルダン。バルダンはツールナイフとしてそれなりの機能とそれに比例した本体の厚みを持っておりますがカラビナフックでぶら下げている限りは重さも厚みも全く気になりません。


兎にも角にもこのボイジャーのラージモデルはアタシの考えるEDCブレードからは遠くかけ離れたサイズであることは間違いありません。これが最初の視点(アナザーストーリーか!)。


次の視点(わかったっつーの)はフィクストブレードとの比較です。これはわりとまともな比較だと思います。その理由は2010年以降のボイジャーが頑強なロック機構を装備したことで過度に激しい実証実演を受けてきたことにあります。本家本元(コールドスチール)が始めた一連の実証実験は特に有名で、もはや名物とも言えます。


ナイフをひっくり返してブレードの背を角材に打ちつける↑

ハンドルのブレードピボットの後方を角材に打ちつけ慣性質量も加えてロックの強度を示す↑

角材にブレードを押し付け木の棒でぶっ叩く↑

手に持ったナイフのブレードの背を木の棒でぶっ叩く↑

出たー!ハンドル後端に取り付けたワイヤーにウエイト(ディスク)を一枚また一枚と増やしてぶら下げていく。ロックの強度とハンドル強度を実証する↑

ブレードを起こして高い場所に突き刺し固定、ハンドルに人がつかまり懸垂、、なにもそこまで(^^;)

とまあ、本家がこれですからそれを実際に手にした人たちが試したくなるのもわからなくはないのですが、、。ただ、これにはよく見りゃ気がつくカラクリがあるのです。そのカラクリとは、


『コールドスチールによる派手な実演を見るとある程度の「加減」がされているとわかります。たとえば、木の棒でブレードを叩く実演ではけっして気合いを入れて激しく打ち込んではいませんし、角材にブレードを叩きつけるのも加減しているのがわかります。ウエイトをぶら下げロックとハンドルの強度を実証する実演も極めて慎重に支えを外している。スタッフがハンドルにつかまり懸垂する実演でもゆっくりと体を持ち上げ瞬間的な負荷がかからない様にしています。アタシはこのへんの「加減」がポイントだと思います。どの実証実演も瞬間的に度を超える負荷はかけていません。Tri-Ad Lock といえど瞬間的に過度の負荷をかけるのは危険だということです。』

しかし一般のユーザーは違います。動画サイトを見ていてもコールドスチールの実演より過激にブッ叩く、ブッ刺す、ブン投げつけるなど容赦がありません。その中で多くの人がやっていたのが『叩き』いわゆるバトニングです。『叩き』といえばこれまではフィクストブレードの役割でした。アタシも必要に応じて時々やります。


アックスやハチェットを使いたくない場面、たとえばキャンプ場などで周りに子どもがいるとか、後ろを人が通る可能性があるサイト内では割れた薪が飛んだりアックスを振り上げるのが危険な場面もあります。そんな時こそ小さなスペースで加減しながら出来るナイフバトンです。

上の写真は Kershaw 1056 で楠の枝を割った時のものですが叩きはこのあたりまで、ここから先はハンドルから刃先に体重をかけて押し割りました。ここで加減せずおもいっきりブッ叩くとロックが外れてしまいます。 しかし、フォールディングナイフでバトンするなど普通はやりません。やったことはありますが(やったんかい!)。それはたまたまそれしか持っていなかったからで、しかもかなり手加減しながらやりました。

これは仕事で訪れたお宅でシュロの剪定を頼まれ何とか切ったものの小さなゴミ袋に入れて捨てなければならず持っていたウェンガーで硬い茎をバトン、この時は予めハンドルを90°折り畳んで慎重に割っていきました。

こんな時こそボイジャーの出番ですかね。いえいえ、やっぱりフィクストでしょう!って?さあ、あなたならどうします?頑強なイメージのフィクストブレードも『絶対!』はありません。折れる時は折れます。さあさあ、どうする?



EDCにはデカ過ぎる、ブッシュクラフトはナンチャッテ程度で暇つぶし、サバイバルなど口にするのも恥ずかしい街暮らし、山へ行くと勇んでいつもの低山300mも中腹まで、スプーン彫るにも不器用すぎるしデカすぎる、調理に使うにはマッチョすぎる、はてさてこのキレモノ何に使う?

答えは「何にでも使えるさ!」
ただし、「その気になりゃ」がオマケにつく。



先日、自宅でバケットを切ってみた。ザクっと鋭く切り込みスパッと切り分けられた。使える、しかし自宅のキッチンでバケットを切り分けるのにボイジャーはあまりにマッチョすぎて苦笑いしてしまった。使えるが合わない。合わないが使える。ここですね。



アタシにとってブッシュクラフトはナンチャッテ程度。枝木を削って焚き付けにしたりクッカー用のフックを作ったり即席の箸やスプーンを作ることもあるけれど、それも必要に応じてか暇つぶし。ボイジャーには似合った世界に思えますが細かな作業にはやっぱりデカすぎる。焚き付け作りが的役です。



残るはやはりキャンプですか。
いっそのことキャンプに行く時は何がなんでもコレを持って行って何から何までコレでやる「追い込み的」使い方でもしましょうかね。


それと、、帰省する時に持っていく。
「帰省にボイジャー要らんやろー!」って?

つづく  


Posted by ponio at 21:29Comments(0)刃物camp道具たち

2024年05月01日

コールドスチール・ボイジャーとアタシ



COLDSTEEL の中でも今や古株となりつつあるVOYAGER(ボイジャー)シリーズは過去にブレード鋼材の変更(VG -1・AUS 8A・CTS BD1・AUS 10Aなど)があったが大きくモデルチェンジしたのは2010年の一度だけ。コールドスチールは2010年にボイジャーのハンドルデザインを大きく改め更に Andrew Demko 設計開発の 『Tri-Ad Lock』が装備された。

これが現行(2024年現在)モデルにつながる大きなモデルチェンジとなり、また MADE IN JAPAN から MADE IN TAIWAN への舵切りの一端にもなった。

「2000年前後、日本の刃物生産地である関では一部の業者がこの先日本のナイフ産業はタイワンに追い抜かれると予測していた。」



COLDSTEEL VOYAGER ®︎
ボイジャーが初めて登場したのが1993〜1994年版カタログ。この最初期のボイジャーはザイテル製ハンドルと一体成形されたintegral ポケットクリップが付いていました。現在の様な別部品のメタルクリップに変更されたのは2000年からです。


1999年版カタログより↑
Tuff-Lite と呼ばれる Lanyard Hook 付きのスモールモデルがあった頃。鋼材は AUS 8A となっている。



2000年版カタログより↑
ポケットクリップが現行と同じ別パーツの金属製クリップに、ハンドルのテクスチャーも変更になっている。鋼材は VG-1に変更されている。


この年(2000年)Andrew Demko 設計開発の Tri-Ad Lock が一部のモデルに搭載され始める。ボイジャーにこの強靭なロックシステムが搭載されるのは10年も後のことだ。

2001年版カタログより↑
素晴らスィー!ボイジャー王国や!Tuff-Lite や Land & Sea/Rescue、Gun Site といった固有名称が付けられたスペシャルなボイジャーも豊富だった。

2004年版は爽やか〜な色使い。

コールドスチール2009年年版カタログより↑
ブレード鋼材は VG-1 stainless steel となっています。


このシンプルでタフなフォールディングナイフが当時使っていた iPhone 3G の中のアプリに『欲しい欲しいノート』として初めてリストアップされたのはもう15年以上前のこと。当時、iPhone は Softbankのみでここ福岡ではアンテナ数も極めて少なくYouTube も途切れ途切れのグルグルタイムが当たり前。そんな動画の中でよく見ていたのがかの『Nutnfancy 』のチャンネル。その中で彼がEDCブレードとして “excellent!”と称賛していたのが当時のCOLDSTEEL VOYAGER だったのです(2009年頃)。

Nutnfancy チャンネルで紹介されたボイジャーミディアムモデルはMADE IN JAPAN でした。日本では服部刃物がコールドスチールのOEM生産をしていました。ボイジャーはわかりませんが。アタシがこのオーソドックスなロックバックナイフの何に惹かれたのか。たぶん、当時始めたばかりだった今の仕事に使えそうだとでも考えたのだろうか。

15年前(2009年)の
“Nutnfancy channel”より。Nutnfancy はハンドルに施されたダイヤモンドパターンのテクスチャー(滑り止め)の一部をサンドペーパーで削り落としてスムースに仕上げたと言っておりました。これについてはアタシも全く賛成です。ポケットクリップの下にはテクスチャーは要らない。




2010年版カタログより↑
現行モデルにつながるボイジャーの完全リニューアルモデルが登場。製造国は日本から TAIWAN に移行、コールドスチールにとってこのあたりが一つのターニングポイントになったとアタシは思います。勿論、良い意味で。


大幅なモデルチェンジの翌年2011年 の Nutnfancy チャンネルでは新型ボイジャーがアップされている。この年のコールドスチールのカタログでは鋼材が AUS 8A と記載されている。


この2010年に登場したニューボイジャーのデザインはアタシの中では「ガックリ」というか「ショック」というか、それほどに変わってしまっておりました。特にハンドルが、、角ばったエビか黒いタツノオトシゴみたいで、、そしてこの年アタシの『欲しい欲しいノート』からボイジャーの名が消えました。


この時点で先の日本製ボイジャーは廃盤(2009年のカタログ掲載が最後)となりその後は各ディーラーの在庫が切れるまで販売が続けられ、そこから先は個人売買のみでしかお目にかかれなくなりました。結局このモデルは買わずじまいでリストから消滅したのです。


2011年版カタログより↑

2012年版カタログより↑

2013年版カタログより↑

2014年版カタログより↑
この年までボイジャーにはミディアムモデルが存在していました。更にこの前年(2013年)までセレイション付きのコンボエッジかフルセレイションしか存在していなかった各モデルにプレーンエッジが追加されています。キタ〜!

2015年版カタログより
この年のカタログからボイジャーのミディアムモデルが消えてしまう。(T . T)

2016年版カタログより↑

2017年版カタログより↑



2018年版 カタログより ↑
この年のボイジャーのデータ表にはブレード鋼材は CTS®︎BD 1 となっている。



2019年版のカタログにはブレード鋼材が現行の AUS 10A に変更されている。↑


新型ハンドルになって一度は『欲しい欲しいノート』から消された VOYAGER でしたが、ある日思い出した様に見たサイトでボイジャーのラージモデルに目が留まります。あれ?なんか変わった?いやいや、何も変わってないずら、、ん? 後で気づくのですがアタシがはじめ「ガックリ」きた新型ボイジャーのグリップは XLモデルのそれだったのです(持ってる人すんましぇん)。ラージモデルはよく見るとXLモデルよりも形が極端にカクカクして見えません(実際にはカクカクしてるのだが)。しかもブレードがプレーンエッジではありませんか?!「ムムム、、いつの間に!」
鋼材も AUS 10Aになっとるではないかー!

「ナニイッテヤガルンデェ!ベラボーメ!こちとらとっくの昔に出てるんだよ!」とボイジャーが片袖まくり上げ息巻いている様でしたわ。それからすぐにボイジャーが『欲しい欲しいノート』に復活したのは言うまでもありません。この15年の間にアタシの iPhone は 3Gから 14へと代わっておりました。


2020年版カタログより

2021年版のカタログ ↑
ラージモデルと XL モデル にドロップポイントが加わった。雰囲気変わる〜これもええねー。

てなわけで、男としてしっかりケジメをつけるべく、
『アタシハカッタボイジャーヲ』。

*今回、COLDSTEELさんのカタログ画像切り取らせて頂きました。ボイジャー買ったから許してね。

ponio  


Posted by ponio at 23:32Comments(0)刃物camp道具たち日常使い