2017年09月16日
ESEE の小さなナイフ IZULA Ⅱ

ここに一本のナイフがある。
海の向こうは米国産の小さなナイフだ。
このブログの中でも度々アップしてきたそのナイフはいわゆるシース・ナイフともネック・ナイフとも呼ばれる小振りなキレモノである。

メーカーはアメリカの ESEE 社で、ここのキレモノはどれも《survival》というアメリカ人が好きそうなシチュエーション下で役立つことを前提に造られた頑強なものばかりである。特にシース・ナイフと呼ばれる部類のキレモノはどれも一枚物の鋼材からなる《フルタング》構造である。鋼材はカーボンスチールまたはステンレス鋼で、ステンレスに比べて錆びやすいカーボンスチールの製品はその殆どが分厚いコーティングが施されている。

その《survival》シチュエーションを前提とした製品群の中で折りたたみ式(フォールディング)ではなくシースと呼ばれる鞘にブレードを収めるシース・ナイフでありながらブレード長はフォールディング・ナイフのそれと変わらないシリーズがある。今回、改めてご紹介する IZULA 2 はそんなキレモノの一つである。
スペックは、、、
* Blade Length: 2.875"(ブレード全長)
* Cutting Edge: 2.625" (刃の長さ)
* Handle Length: 3.875" (ハンドル長)
* Overall Length: 6.75" (全長)
* Blade Material: 1095 Carbon Steel (鋼材)
* Blade Thickness: 0.156" (ブレード厚さ)単位はインチ
* Blade Hardness: 55-57HRC (ブレードの硬度)


シースナイフだけどサイズ的にはフォールディング・ナイフ並み。

フォールディング・ナイフの携行性とサイズ的な扱いやすさ、シース・ナイフの頑強さ、その両方をチョコっとずつもらい受けているのがこの《小さなシース・ナイフ》だ。ブレードを畳んでコンパクトに安全に携行するか、シース(鞘)から引き抜きサッと使うか、どちらを選ぶ?
*昨日この IZULA 2で10数匹の真アジを捌いてフライにした。頂き物の真アジのウロコを落とし頭と内臓を取り除きゼイゴを削ぎ落として三枚におろす作業を IZULA一本でやった。うちには出刃庖丁もあるのだが小さなアジには少し大きずきて使いにくく、それではと IZULA を出してきた。結果は全然普通におろせる。頭を落とすのもゼイゴを削ぎ落とすのにも何の苦労もなかった。ブレードはコーティングされているが刃として研がれている部分は地金のままなので水洗いした後よく拭いて油を塗っておいた。魚を捌くのにはさほど慣れていない私でも IZULA は刃先のコントロールが容易で大きな出刃より使いやすかった。

頂き物のキスを IZULA 2 で捌く。
先日のアジはかなり捌きやすかったが今回のキスは少しばかり手こずる。それでも何匹か捌くうちにコツを掴んでなんとか終了ス。マイカルタのハンドルが魚臭くなりました。

こんな風に《小さなシースナイフ》は刃先のコントロールが容易でブレード全体を余すことなく使える。

小さいが叩き(バトニング)にも使えるブレード厚。
(左は ONTARIO RAT-3)

ブレード長を超える径の木はバトンしない。木質にもよるがこれを無理にやると如何に頑強なシースナイフでもポキンと折れてしまうこともある。径の大きな枝木は中心部ではなく周りから攻める。周辺部をブレード長に見合った幅で割っていき最後に中心部を割る。

積層素材のマイカルタは実用的で強度も十分。サイズは私の手にはちょうど良い。これ以上大きいとせっかくのコンパクトさが無駄になるし、小さいと作業時に持ちにくくストレスになる。

新品の頃はフラットなブレードシェイプにV字のエッジがついていて、鋭利だがカリカリとお硬い削り心地だった。バトンしたり紐を切ったりするにはそれでも十分だったが木を削るにはタッチが硬すぎた。タッチが硬いとは木に刃を当てた時の感覚で、滑るというか食い込みが浅いというか、不自由さを感じるほどではなく単に感覚的なもの。その後、何年か使っていく内に少しずつエッジの形を変えて現在はコンベックス(蛤刃)気味に整えられている。私は右利きで左右のエッジは右:左で6:4の比にしてある。木を削る時には片刃に近い方が深く鋭く食い込む。でも、バトンして枝木を割ったり魚を捌き骨を断つ時などは片刃ではモロ過ぎるのだ。ナルホド〜。

ネックナイフとしてシースをパラコードで首から下げて使う。ナイフを抜く時はハンドルを利き手で握り親指でシースを弾くようにしてナイフを真下に引き抜く。さっと使ってシースに戻す時には面倒がらずに両手で安全に鞘に収める。キャンプ場でも首からぶら下げて使うけれど周囲を歩く時は外すか目立たない様にシャツの中に収める。人に要らぬ警戒心を与えないこともキレモノを扱う上の大切な部分。フムフム。

キャンプや日常を振り返ると一番使う《キレモノ》はスイスアーミーナイフだし、よく手に取るのは CASE のポケットナイフだったりする。日常で IZULA の出番は滅多にありません。台風の前にベランダの片付けや物の固定をする時などにコレを首から下げて作業する、魚を捌くなどそれくらい。木を削らせれば MORA や ENZO といった北欧組が圧倒的に使いやすい。ぶっとい枝や木材を割らせたらアックスや大型のシースナイフが圧倒する。でもね、何故か使いたくなる一本なのです、コレ。

いつもの《お山》に連れていく。
つまり、お気に入りの一本なのです。
ponioでした。

先ほど、お隣の佐賀県多久地方に暴風警報が発せられました。ここ福岡市内は嵐の前の静けさです。風はそよそよ、少し肌寒いくらい。東の空は薄青く南の空はどんより曇り空。明日の未明から昼までが台風の影響下らしく今度ばかりは福岡も避けられそうにありません。うちのベランダは昨日のうちに IZULA 片手に片付けと固定を終えてますが自然の力を侮るなかれ。自然相手にこれで良しは無し!油断大敵用心用心。
2018.02.28
春の嵐、、猛烈な風雨がベランダに叩きつける。
長崎の西方にはさらに強い雨雲と雷。ベランダのサンシェードを畳むことを決断し叩きつける雨と風の中をレインウェアとブーツ履いて飛び出す。首からは IZULA ぶら下げ麻ひもで畳んだシェードを縛っていく。しょえ〜!!凄まじい!!頑張れ!俺!

