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2024年01月14日

FIRE BOX フリースタイルの実際

FIRE BOX  フリースタイルの実際
FIRE BOX  フリースタイルの実際
『Firebox Freestyle』

2022年5月 Kickstarter キャンペーンにて4パネルストーブ(Ti)の初回ロットを購入。一年後の2023年5月、セールにて4パネルストーブ(T i)と MOD kit を追加購入。基本の4パネルストーブ発売と購入から1年半、追加のストーブと MOD kit 購入から8ヶ月、改めてこのモジュラーストーブの実際と感想を書きます。

FIRE BOX  フリースタイルの実際
サイズ的にはG2 /5" Firebox Stove に比べて一回り小さく基本となる4パネルの状態では使い道もソロ用の域を出ない。という最初の感想。しかし、

FIRE BOX  フリースタイルの実際
このソロ用の域を出ない4パネルストーブが2台揃うと、

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別パーツによる連結が可能になる。上は4パネルを2台連結した8パネルの横長スタイル。1.5Lクラスのクッカーなら二つ並べて同時に調理出来る。秋刀魚も焼ける。

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この Freestyle はパネルの枚数とパーツの使い方によって様々なスタイルに変型させられる。上はキーホールと呼ばれる8パネルの応用型。

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8枚のパネルをフルに使った焚き火台スタイル。わが家ははじめからこのスタイルを選んでいる。

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わかりにくいがこの写真の時は6パネルのヘキサゴンスタイル。この日はほぼ一日雨でタープの下で小さな焚き火しかできなかった。このスタイルはケトルを置くのに最適。灰受けは100均のステンレストレー。これでは灰がかなり飛散するので下には焚き火シート必須。

わが家の様な夫婦二人のキャンプでは基本の4パネルストーブは湯沸かしなどのサブであり、アルコールバーナーやガスバーナーを組み込んだ五徳としての要素が多い。

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ひとりデイハイクで湯沸かしオンリーの3パネルトライトーチスタイル。

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Trangia ガスバーナーを組み込んで湯沸かしと調理。
わが家はキャンプ場以外で焚き火や炭を使うことが無いため他の熱源を組み込めるのはありがたい。

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4パネルを2台連結させることについては最初に用途を考えた上でスタイルを決めておくことが大切だと感じる。一旦、火を入れてからでは燃やしている木材や炭、灰の処理をしてからでないと分解も変型も出来ないからだ。わが家の場合、8パネルのファイアーピットスタイルが基本でこれは複数人の調理などに使う場合、大は小を兼ねることが明らかだからだ。

さて、ここからは使ってみてわかったこと、ダス。

【便利さと盲点】
この Freestyle の各パネルには付属のファイアースティックや他のオプションパーツを差し込むスリットや枝木を突っ込むスロットが多数設けられており、一見すると穴だらけという印象だ。

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たしかにパネルに開けられたスロットやスリットはこのストーブに拡張性を持たせてくれているが逆に風の影響を受けやすくなったと感じる。

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この写真はウインドスクリーン無しで風を受けた時のもの。風上から各スロットに入った風が風下側のスロットに炎を押し出している。まるでストーブ全体が炎上しているかの様だ。これを防ぐには単純に風防、ウインドスクリーンがあれば良い。そしてこの状況は炎上以外にも灰の飛散という面倒くさい事態を引き起こす。この灰の飛散を軽減するためにアタシは自宅にあったステンレス板を切ってある部品を作った。

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それは単なるL字型の板であり加工といえばエッジで手を切らない様に面取りをしただけの物だ。これをストーブの炉内に設置するのだ。灰は底網から下に落ちたものと風などによってサイドフィードポートから押し出されるものが殆どを占める。

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こうして風下側のサイドフィードポートを塞いでここからの灰の飛散を抑えている。風上側はそのまま開放。

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このサイドフィードポートは4パネルで3ヶ所、6パネルでは6ヶ所(全てのパネル)、8パネルも6ヶ所となる。なので、6パネル8パネルの時は4ヶ所を同じ様にして塞ぐ。アタシの様な面倒なことをしたくない人は底網の位置をサイドフィードポートより上に上げる方法をお勧めします。

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通常の位置(下)から2つ上のスロットにファイアースティックを通した場合、

FIRE BOX  フリースタイルの実際
上の写真の様にサイドフィードポートより上の位置に底網を置くことが出来る。通常なら底網はサイドフィードポートと同じ高さにあり灰は風によって押し出されやすい。この『底網の底上げ』はそのままクッカーと火床の距離を短くすることとなるため近火の効果が生まれる。大きな焚き火ではなく調理用の炭火を近火で有効に使える。

ただし、底網から下に落ちる灰については別の方法を考えなければならない。

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Freestyle にはいわゆる底板が無く代わりに各スタイルに合わせた底網を置く仕様なので組み立てには相応の手間が必要。底網は下方からの空気の取り込みと不必要な灰を落とす役目がある一方で落ちた灰の拡散も意識しなければならない。

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とあるキャンプにて。収納ケースはストーブの下に置くことで灰受けにもなるが深さが十分でないため上の写真の様に灰が積もって飛散してしまう。

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今年の正月のキャンプではコールマンのファイアーディスクを灰受けとして利用した。この時は強風が吹きつける環境でもあったため横風に弱いファイアーディスクを使わず Freestyle の8パネルで代用した。また二つの収納ケースを並べて立て風防として使った。

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Freestyle の6パネル ヘキサゴンと Coleman FIRE DISK ソロのサイズ比較。灰受けとして十分使えそう。

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この写真は本来は灰受けに使う収納ケースを風防に使い、更に灰の飛散防止のために同社の Scout エマージェンシーストーブのリッドを下に取り付けてある。

この様に別の灰受けを持つ必要があるのか?それはキャンプ場にもよる。手入れされた美しい芝のキャンプ場では焚き火シートの使用を勧められますし、冬枯れの草地では火事の可能性もありますから。念には念を入れるならば、風除けのウインドスクリーンと完璧でないまでも灰の飛散をある程度防ぐ灰受けを考えることが必要だ。土が剥き出しのピットや竈タイプのピットがある場合はこの限りではありませんが。

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竈タイプのピットで使う。灰はそのまま下に落下。

次は【歪みについて】

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パネルの合わせ目が微妙にズレている。使用には何ら問題ない。

アタシの場合、Freestyleについてはステンレス製の方ではなくチタン製の方を買ったのだがやはり熱によるある程度の変形は起こった。特にウインドダンパーと呼ばれる可動式のパーツと各パネルの微妙な歪みである。

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二台ある内の一台のウインドダンパーが常に開いてしまい戻そうとすると一旦引っかかり閉じなくなった。よく見るとダンパーとパネルのクリアランスが殆ど無い。スムーズな開閉のためにはある程度のクリアランスが必要なのだ。

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もう一台の方は明らかにダンパーとパネルの間にクリアランスがある。これはどちらにも歪みが出ている証拠なのだ。クリアランスが無い方は開閉時に下のパネルに引っかかるし、クリアランスが大きい方は逆に緩々なのだ。

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上の写真でもわかるように手前の4パネルは畳んだ時にウインドダンパーが起きっ放しになっている。奥の一台は本来なら平らになるはずの本体が開いてしまっている。これは熱による歪みと、もう一つ、分解掃除した際に2台のストーブのいずれかのパネルが入れ替わった可能性がある。歪みについては薄いチタン板ではよく起こることであり他のクッカーでも見られるので想定内である。使用には何ら問題がない。気になるなら慎重に手で歪みを矯正することも出来る。

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これは上の2台の4パネルストーブのパネルNo3を入れ替えたもの。(おそらく分解掃除の際に組み間違えたのでしょう)結果、奥のストーブは畳まれた状態で平らになった。手前のストーブはパネルとウインドダンパーを手で曲げ直した。このパネル矯正は FIRE BOX が G2 /5" Stove のチタンバージョンを販売し始めた直後から動画等で紹介しており、この歪みという点においてはステンレス製の物の方が強いこともわかっている。そのかわり重い!

これらはあくまでアタシが使った感想です。

まとめると、、

☆4パネルはサイズ的にソロの域を出ない。

☆各スロットは拡張性のために必要であるが、一方で風の影響を受けやすい。

☆サイドフィードポートも風の影響を受けやすく灰もここから飛散しやすい。

☆底板ではなく底網式なので下には灰受けが必須。

☆4パネルから6パネル、更に8パネルへの連結と変型は用途を考えた上で最初に行う。火を入れてしまってからでは難しい。

☆炭(熾)を使う場合は底網の底上げを行うことで近火の恩恵が得られる。

☆パネルの脚を一本外せば各パネルを横並びに広げられ炉内の掃除も楽に行える。

☆チタン製は熱による変形が起きるが使用上は問題なく曲げ直しで矯正出来る。

それで結局どうなんだ?

もし、あなたがソロのバックパッカーなら基本の4パネル・チタンモデルがミニマルとなるだろう。体力や荷物にゆとりがあるなら6パネルの方が使い勝手にもゆとりが生まれるだろう。もし、あなたが移動に車や単車を使えるなら8パネルのフルセットをあなたなりにエンジョイできるだろう。もし、あなたが家族とキャンプをするなら間違いなく8パネルのフルセットを選ぶべきだ。 ただし、他にも焚き火台とか七輪、ストーブバーナーなど調理に使える熱源を持っていくなら Freestyle はあなたの趣味にとどめておくべきかもしれない。このモジュラーストーブは焚き火台や七輪、ストーブバーナーに比べると色んな意味で少しだけ面倒くさいからだ。組み立て、風対策、灰の飛散、パーツの多さ、様々なギミックも実際に使いこなすには慣れが必要だ。家族のあれこれを見ながらしながらやるには面倒に感じるかもしれない。その辺はソロならまったく苦にならないと思う。気持ちのゆとりが違うからだ。

アタシならどうするか、
もしアタシがソロで歩き旅なら4パネルを持って行くだろう(持っていかないかも)。主となる熱源はたぶん他の液体燃料系のストーブバーナーになるだろう。Freestyle の出番は野営地に着いてから。ストーブバーナーの液体燃料を節約するため拾い集めた枝木を燃やすことになるだろう。撤収を意識した朝と、移動途中の昼間は液体燃料系のストーブバーナーが手早く手軽だ。車を使った移動なら目的地で過ごす時間も長くなるから Freestyle を焚き火台としても使うことだろう。それでも独りなら6パネルで十分な気がする。

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6パネルのヘキサゴンスタイルと灰受けのアッシュパン(収納ケース)。6面のパネル全てにサイドフィードポートがある。上の写真では左右の4面はなんとか灰受け可能だが正面と後ろ一面は灰受けが機能しない。やはりここは塞がないと。

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同じ6パネルでも横長のスタイルにすれば全てのポートを収納ケースが灰受けしてくれる。またヘキサゴンスタイルでは小さなクッカーを乗せるためには別にロングタイプのファイアースティックが必要だ。この横長のスタイルなら通常のスティックが使える。

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しかし、6パネルの本体とそれを組むためのスティックや底網だけで 600g 近い。たかが 600g、これね意外とズシリなんです。夜、野営地でしか使わない物にこれだけのズシリ感はチト気が咎める。車や単車なら何の問題もないが、どうしても『歩き』でこの Freestyle を持っていくならやはり4パネルセット(約450g)しかないか。いやいや、目的(液体燃料節約)の為だけなら Gen2 Firebox Nano のチタンモデルで十分かも。

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焚き火台と Freestyle 、これは焚き火は焚き火台、調理用に Freestyle と割り切った贅沢な設定。車移動、二人分の調理、そんな条件が無ければやらないと思う。わが家のキャンプは二人なのでいつもこのパターン。

最後に、Firebox Freestyle はギミック感たっぷりの可変型ウッドストーブである。用途に合わせて焚き火台にもBBQコンロにもソロ用ストーブにも五徳の代わりにもなる。ウッドストーブとしてはとても立ち上がりが早く綺麗に燃える。炭も使えて七輪の様な使い方もできる。撤収前の火や灰の始末が面倒ならアルコールバーナーやガスバーナーを組み込めば事足りる。しかし、一方でギミック故のパーツの多さ、組み立ての難解さ(慣れない人にとって)は面倒だと感じる人もいるだろう。この Freestyle は実用的な反面で趣味嗜好性が強いキャンプ道具とも言えるだろう。

結論! このモジュラーストーブを持って行くなら『車移動!』『単車!』。『歩き』なら迷わず4パネルだがそのかわり他のストーブバーナーは持たない!どうしてもと言うのならサイフォンストーブとアルコール燃料を300mlほど。あたしゃ、そう結論したアル。

ponio

最後に、、(まだあるんかいな!)

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現地(キャンプ場)で組み立て組み替えをやると余ったパーツを失くさない様に片付けなければならない。あれこれやることの多い複数人のキャンプでは手間が掛かる組み替えは面倒に感じる。
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はじめから好みのスタイルに組み直して可能な限りその状態のまま畳んで持って行く。これで面倒なパネルの入れ替えを現地でやらずに済む。
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この基本的な4パネルの状態から各スタイルへの組み替えが最も手間がかかる。その上、それを収納用の袋やケースに収めて持って行くと手間が増えるだけです。

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日々飽くなき自由研究は続く(暇か!)
8パネルの『キーホール』スタイル。8パネルの状態で畳んだ状態からパネルを開いて右に4パネル、左に6パネルを作るイメージ。ファイアースティックは 凹 切り欠きのあるものを一本とノーマルを3本使います。底網は6パネルヘキサゴンと4パネルに付属する一番小さなものを使います。

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右側のボイリングステーション。手前のポートから枝木を突っ込んで強火でガンガン焚きします。お湯を早く沸かしたい時に便利です。
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左にもケトルを置いていますがこちらは沸々沸騰維持のコーナー。ファイアースティックのロングをパネルの上ではなく真ん中より少し上に差し込んでケトルをストーブの内側に沈めてしまいます。大きな火から熾火となったものを近火で息長く使う方法です。風の影響もあまり受けません。

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こちらはファイアースティックの位置を少し上げて6.5のスキレットを乗せた状態です。右で湯沸かし左で焼き物、やはりスキレットはパネルの内側に軽く沈めています。実際には焼き物の油はねで横の湯沸かしクッカーが油まみれになると思いますが。

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今年二月のキャンプにて。8パネルに組み換えた状態で持って行きました。やはり展開が早く便利でしたよ。



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