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2019年11月03日

ベンチメイドのワークナイフ

ベンチメイドのワークナイフ
ベンチメイドのワークナイフ
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ベンチメイドのワークナイフ
ベンチメイドのワークナイフ
*BENCHMADE 319 PROPER

ベンチメイドのワークナイフ

これまでに、そして今でも数々のカッチョいいヒット製品を出し続ける米国のキレモノメーカー、ベンチメイド社。マスプロとして質の良い製品と数多くのバリエーションを揃える。EDCブレードとしてもこのメーカーのフォールダーはとても使いやすいと感じます。鋼材、デザイン、機構、質、米国の大量生産品としては非常に上等な物ばかりです。人気があるのもうなずける。わたしも以前2本ほど持っておりましたが今はありません。

ベンチメイドのワークナイフ
まるで日本の電工ナイフみたいなブレードです。このベンチメイド社の PROPER には3種類のブレードがバリエーションとして存在します。
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*PROPER クリップポイント
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*PROPER Tom Krein Regrind
Tom Krein というグラインドのプロによる研ぎ直しバージョン。通常の PROPER はブレードの厚みが2.03mmですが、このモデルは1mmと半分以下の薄さに削り直しが行われています。鋼材 S30Vの性能をもって剃刀のような切れ味とか。

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わたしの PROPER 319 はシープスフットと呼ばれるブレードデザインです。
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CASE SOWBELLY(右)のシープスフットブレードとの比較。このブレードの特徴は先端部(ポイント)による押し切りの鋭さです。カッターナイフも同じですね。

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ブレードの鋼材は CPM-S30V という米国クルーシブ社の粉末冶金鋼です。鋼材としてはステンレス系です。詳しい説明はその筋のブログなどでどーぞ。簡単に言うと、切れ味が長続きしてサビにも強い作業用ナイフとしては理想的な鋼材。もちろん、さらに上の鋼材もまだまだ有りますがベンチメイド社はこの鋼材を多くのモデルに使用しています。

ベンチメイドのワークナイフ
ベンチメイドのワークナイフ
このキレモノには今流行りのポケットクリップが付いていません。つまりこれを持つ場合はポケットに放り込むか、写真のようにこれに合うシースが必要です。上の写真のシースは元々 CASE Trapper 用に別注したもので他にも上でチラッと出てきたCASE SOWBELLY やWENGER のソルジャーにも使えます。

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左 WENGER ソルジャー
右 BENCHMADE PROPER 319

この二本のキレモノはどちらも《スリップジョイント》と呼ばれるタイプのフォールダーです。このタイプはブレードを開ききると同時に本体の背中に設けられた厚みのある板状バネによって簡易的にブレードが固定(ロック)されます。

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この板バネはブレードを開く方向と閉じる方向の両方向にテンションをかけています。この板バネのおかげでブレードが不用意に開いたり、逆に開いたブレードがお辞儀をしたりすることがありません。ただし、この板バネはそのテンションだけでブレードを押さえているので、ブレードが開いている時にそれを超える力を加えるとブレードはカクッとお辞儀をして最後には本体に畳まれます。ですから必要以上にブレードを上から押さえ込むような使い方をしてはいけません。

ベンチメイドのワークナイフ
ソルジャーも PROPER もブレードの左面に設けられたネイルマークと呼ばれる溝に爪を引っ掛けてブレードを開くきっかけにします。このネイルマークに爪を引っ掛けブレードを少し起こしあとはしっかりと指で挟んで開ききります。写真でわかるように PROPER の方はハンドルから露出したブレードの面積が大きくネイルマークに爪を引っ掛けるまでもなく人差し指と親指でこの部分をはさみブレードを開くことが出来ます。

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ハンドル素材の比較。WENGER ソルジャーはアルミハンドルに無数のドットが設けられ滑り止めにしています。冬場などは握るとヒヤッとしますが体温ですぐに温まります。PROPER の方はマイカルタと呼ばれる積層素材。軽く強度も十分、触った感じはサラサラしていますが濡れた手で握ると水分を吸収して今度は滑らなくなります。

ベンチメイドのワークナイフ
ベンチメイドのワークナイフ

これざっとかき集めましたる我が家のスリップジョイントフォールダーたち。他にもあります。現役を退いてストッカーという名の箱の中で余生を送っているモノもあれば、現役バリバリで日夜作業に使われてるモノもあります。こうしてみてみるとブレードにロックは必要か?と問いたくもなってきます。一部を除けばスリップジョイントのフォールダーは作業用仕事用としてかなり酷使されたものばかり。あまり使われなかったものに共通しているのはブレードの開閉が固いことです。使いたい時にブレードの開閉が固くストレスとなるものは自然と使われなくなりました。

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BUCK社のスリップジョイント。写真でハンドル前方右側に飛び出しているのがブレードにテンションをかけ続けるロックバー。ブレードを開閉する際にはここが持ち上がったり元に戻ったりします。
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ソルジャーのロックバー。ブレードを半分ほど起こした状態です。
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PROPER のロックバーはブレードを開閉する時もこの程度しか動きません。

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スリップジョイントのナイフは開いたブレードを上から押し込むとロックバーとバックスプリングのテンションで押し戻されます。しかしさらに強い力で押し込むとブレードがお辞儀をしたまま止まる位置があります。上の写真がそれです。右のソルジャーはここまで押し込むとブレードは押し戻されず止まったままです。PROPER の方はほんの僅か押し込んだだけでもブレードは押し戻されず止まったままです。ここにこの二本のスリップジョイントの操作感の違いがあります。

ソルジャーの場合、右手親指の爪をブレードのネイルマークに引っかけ、グイッとブレードを起こす。その最初のフィーリングは《固い》です。右手親指の爪にバックスプリングの強い反撥を感じます。そしてブレードを開き切るまでやや固い感触で起こし切った瞬間パチン!という音と共に引っかけた親指の爪に強いショック(適当な言葉が見つからない)を感じます。長く伸ばした爪や爪が弱い人はちょっと無理かもしれない。
対するPROPER は起こし始めからハーフストップ、そして起こし切るまでほぼ同じ感触(軽くはないが)で、起こし切った瞬間も変わらずソフトな感じ。畳む際も同じです。バックスプリングのテンションは感じますがグイッと持っていかれる強さや反発力は殆ど感じられません。

ベンチメイドのワークナイフ
*右手から左手に持ち替え右手の指でブレードを起こし始める
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*左手の指でハンドルをつまむように握り、右手の指でブレードを開ききる

上の二枚の写真はわたしのスリップジョイントの扱い方です。利き手(右手)で抜いたナイフを左手に持ち替え(上の写真)、ブレードのネイルマークに右手親指の爪を引っ掛け起こす、少し起こしたら人差し指と親指でしっかりと挟んで開ききります(下の写真)。つまり、わたしは利き手でナイフを抜いて利き手の指でブレードを起こすのです。これ今は当たり前になったワンハンドでのブレードオープンと同じに感じられますが左手で一瞬持ち替えるのが私流です。これはわたしの場合、右手の親指の爪が一番強いからです。左手の親指の爪ではちょっと不安なのです。
ベンチメイドのワークナイフ
ベンチメイドのワークナイフ
このキレモノにはハーフストップと呼ばれるブレードの一旦停止位置が設けられています。これはブレードを畳む際に指を挟まない様にする安全対策でもあります。二枚のうち下の写真はブレードの開閉ラインに指を置いた場合を想定したものです。ハーフストップが設けてあっても握り方によっては刃が指に食い込みます。あぁ〜怖。勿論、こんなことは絶対しませんよ。
ベンチメイドのワークナイフ
わたしはもっぱらこのやり方。ブレードの開閉ライン上はきれいに空けてあります。

基本的にスリップジョイントはブレードの開閉時にバックスプリングによる強めのテンションが掛かっており、安全上両手でブレードを開閉します。

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しかし最近では片手で開閉可能なスリップジョイントも登場しています。上の写真はカイザーというメーカーのスリップジョイントフォールダーですが、これはSpyderco のフォールダーの様にワンハンドでスムースにブレードの開閉が出来るものです。

さてさて、今回の主役 BENCHMADE PROPER を含めたスリップジョイントのフォールダーたち、その殆どが普段使いの EDCブレード。そして改めて感じる普段使いのフォールダーにロックは必要か?

私の答えは、、『要らない』です。スリップジョイントで十分!しかし、、これにはまだ続きが、、それはまた今度。
ベンチメイドのワークナイフ
ベンチメイドのワークナイフ
使いやすいサイズのブレード、タフな鋼材、シンプルで無駄がなく飽きもこない。久しぶりに良い作業ナイフに出会いました。

ponioでした。












追記
あれから、、

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ベンチメイドのワークナイフ
自宅で奥さんのために牛乳パック切って屋内プランター作ったり、仕事でパプリカ切ったり、スローミキサーに投入する熟したミカンを20数個皮を剥いたり(底を十字に切って)、リンゴ剥いたり、ほんまにチョコッと使いされてます。この程度の作業なら他のブレードでも、、と思いきや、先日奥さんがベランダに放置していた硬く分厚いダブルパッキン(ダンボール)二箱分をこの PROPER で解体しました。それより少し前に同じような硬く分厚いダンボールを GERBER の LST で解体した時はエッジが丸坊主になりました。(本当はやりたくなかったけど、やむおえずに)そして、PROPER の方はというと、、流石、今時の鋼材と巧みに造られたブレードシェイプのおかげであの堅物二箱を解体し終えてもエッジは殆ど切れ味を失っておらずセラミックシャープナーに軽く当てただけで元の状態に戻りました。いやはやタフなエッジです。

ベンチメイドのワークナイフ
箱出しの状態では触れるのも怖かったザオザオ感たっぷりのエッジ。今は使う度に少しずつ耐水ペーパーでストロッピング。滑らかな切れ味に変わりつつあります。

ベンチメイドのワークナイフ
やっぱり良い作業用ブレードです。もう一本欲しくなりました。いずれ億万長者になったら、、ならんならん。
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