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2019年03月16日

やっぱ、MSR だね

やっぱ、MSR だね

やっぱ、MSR だね
* MSR WIND BURNER 1.0

MSR の WIND BURNER をあれこれテストし始めてもう随分経つ。結果はいつも同じだ。ペットボトル1本、約500mlの水が2分ちょっとで沸騰する。この数値は他のストーブバーナーの類でも可能だ。ただ、環境や条件を変えても毎回ほぼ同じ結果となる。ここがこのバーナーシステムのミソミソドミソなところだ。

やっぱ、MSR だね

屋内では室温、屋外では気温は平年並みだったり、まだとても寒かったり、屋内では無風だし屋外では当たり前に風がある。ある時は遮るもののない海岸線で強い風を浴びながらほぼ変わらぬ時間でお湯を沸かしてみせる。純正のガスであるイソプロ赤缶ではなく、SOTO の OD缶にカセットボンベのガスを再充填したものを使っている。そんな安価なノーマルガスでさえ結果はいつもほぼ同じになる。この《結果は同じ》というのが、このバーナーシステムの素晴らしい点だろう。

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* 気温8° 風2m 前後 1 L 沸騰までの時間

勿論、ほぼ同じと言っても誰かが横で正確に計測してくれてるわけではない。フレームアジャスターを回してライターで点火し、バーナースクリーンが赤くなってからポットを乗せて計測を始める。こんな具合だから、秒単位のバラツキやもっと大きな誤差も出る。でもね、これ毎回ちゃんと沸騰に至るのです。当たり前やん!と言わない方は使用する環境や条件、人的な要素がアウトドア用ストーブバーナーに与える影響をよくご存知の方。そうです、不確実なのです。アウトドア用ストーブバーナーでも時として、お湯すら沸かないこともあるのです。

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* SOTO SOD-372 の赤火状態。気温零度以下の低温下で赤火となってお湯を沸かしきれなかった 。(トリプルミックス のリキッドフィード)

最終的に沸騰に至ってもそこまでに長々と時間がかかり無駄に燃料を使い、挙句はドロップダウンで火力低下、、ボンベは冷え冷えで結露って汗をかき、バーナーヘッドのフレーム(炎)は今にも消えそうなショボショボ状態。特に人間が厚着をするような季節にはそれが顕著に出る。アウトドア用のカセットコンロと評判の高い CB-ODX-1 もなんの工夫も無しでは風と冷えによる火力低下は避けられない。(夏場は別として)

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* CB-ODX-1
3m〜4mの風、気温7°前後
イワタニ純正のパワーガス使用。700mlほどのお湯を沸かすのに10分以上かかった。ボンベは冷え冷え結露状態。風防の効果を引き出すために内側の円形風防より大きめのクッカーを使うか、別に風防を用意した方がいい。

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* SOTO SOD-310
すり鉢型のバーナーヘッドと低い五徳の相乗効果で風を物ともせずにお湯を沸かしてくれる SOTO SOD-310 も強風下では燃料消費がグンと増加する。マイクロレギュレーター機構が効果を発揮して純正のトリプルミックスガスを使っている限りはドロップダウンする可能性も低い。しかし、アタシのように安い CB缶から再充填したものを使うと SOD-310 ではなかなか経験できないドロップダウンも簡単に経験できる。(これ勿論、良くないことです)こんな人為的な取り扱いのミスで湯沸かしできなかったことが過去に一度だけ。SOD-310 は普通に使っている限りは無敵に近い。

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この MSR の WIND BURNER システムはその燃焼機構や短時間での沸騰、少ないガス消費などに驚くより、《毎回変わらぬ結果》をもたらしてくれることが何より凄いことだと感じる。これは、Trangia のストームクッカーシステム以来の感覚だ。

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* Trangia STORM COOKER

ストームクッカーの場合、アルコールバーナーの燃焼時間内で沸かせる容量であれば放っておいても確実にお湯は沸く。寒暖の差は点火からの立ち上がりのスピードで感じるくらいで、結果はいつも変わらず、《できた》である。これで考えられる失敗は、、強風下で、燃料を少なめに入れて、ベースのエアホールを風上に向け続けて使用した場合など、風上から流入する風の影響で燃焼効率が上がりいつもより大きな炎となる。しかしそれは結果的に多くの燃料を食うことに繋がり、いつもよりも早く燃料切れになってしまう、そんなところかな。

やっぱ、MSR だね
WIND BURNER システムも完璧に風を遮っているわけではない。写真にあるように、エグゾースト・ポートと呼ばれる排気口から内部の燃焼炎が見て取れる。ここから風が入ることもある。しかし、このポートはポットの片面にしか設けられておらず、強風下ではこれを風下に向けることによって防ぎきれない風の影響を最小限にすることができる。

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この日もポットが倒れそうな程の強い風が吹きつける海岸で湯沸かしをしましたが、特に普段より時間がかかるわけでもなく普通に沸騰しました。

やっぱ、MSR だね
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短時間で効率よくお湯を沸かせるのはポット下部に取り付けられたヒートエクスチェンジャーの効果が大であるが、このヒートエクスチェンジャー自体はもう珍しいものではなく今ではクッカーやケトル単体にも設けられているし、この手のシステムでは先駆的な存在のジェットボイルでもお馴染みだ。特別に強い火力でなくてもその熱量を最大限にクッカーに伝えるこの仕組みはクッカーからは取り外せないため、各社互換性はない。つまり純正の組み合わせしかないのである。(径が合って転倒しなければ保証の限りではないが使えるかも)

やっぱ、MSR だね
やっぱ、MSR だね
やる気はなかったけどやってみたら、、(やるなよ〜)SOD-310を中火以下で燃焼させ、その上に WIND BURNER のポットを乗っける。3分ほどでお湯が沸く。しかし、臭いがするね、、嫌な臭い。

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さて、この WIND BURNER にも欠点とは言えない欠点がある。付属のポットは 1 L の容量だけど、そのまま 1 L 注いで沸騰させたらどうなるか、ジェットボイルお持ちの方ならわかるでしょ?見事にお湯が噴きこぼれまする〜。

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各社のクッカーの容量データは殆どがギリギリいっぱい、つまり満水を示している。この満水状態で沸騰させると、、沸騰直前からお湯がゴボゴボと溢れまくり最悪バーナーの火が消えてしまうことも。だから、満水を避け、火加減にも気をつけて(最後まで強火にしない)、蓋をして、噴きこぼれないようにする。

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この WIND BURNER のポットには最大 28 oz (約830ml)の表示があるが、メーカーの推奨する満タンは更に少ない 20 oz(約590ml)だ。これは先にあげたジェットボイルでも同じで、加熱され沸騰に至る間に高まるポット内圧で噴きこぼれるのを予測してのことだ。このポットではメーカーのデータにある容量 1 L は一番上の目盛りの少し上あたり。まだポットの開口部までは少しゆとりがあるけど、先に書いたようにこのシステムは沸騰時に内圧がグンと上がるから間違いなく噴きこぼれする。

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その原因のひとつがこの樹脂製リッド。片方を引っ掛けもう片方をパチっとはめるタイプで、沸騰時にもビクともせず、前方の注ぎ口と後方のストレーナー(湯切り)、そして中央に開いたコーヒープレス用のシャフトホールから激しく蒸気をあげる。このリッドはポットに固くハマっているためカタカタ動かず内圧が上がりやすい。湯面が満水ラインに近いほど沸騰時にはリッドに設けられた三ヶ所のホールからお湯が噴きこぼれることになる。

やっぱ、MSR だね
* 見ている方が不安になるほど激しく沸騰する。MSR の動画にはボボポポ〜と楽しげに湯気をあげるシーンがありますが、、あんなもんじゃおまへんで〜。

この激しい沸騰状態を回避するには沸騰直前に火力を絞ること、そしてもう一つがリッドをハメこまずに上に乗せるだけにすることなどであるが、火力調整は絞りすぎるとバーナースクリーンのフレーム(燃焼炎)が消えかかることもあるので気をつけなければならず、海岸など周囲の音が邪魔して燃焼音が聞き取りにくい環境下では特に注意が必要だ。リッドをはめ込まず乗せるだけにするとポット内の圧力を適当に逃がしてくれるが、沸騰前の火力調整を怠るとリッドの周囲からも激しく噴きこぼれることになる。


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そこで、もう一工夫。たまたま持っていた TOAKS のチタン製リッドを乗せてみると、、あらまぁピッタシ。ただし、これは内圧が上がると簡単に持ち上がるから沸騰直前の火力調整は必須。実際にやってみると、、
沸騰直前のポットブルブル現象(振動)が起きたら直ぐにフレームアジャスターを絞って耳をすませ弱火の状態に。そのまましばらく待つが変化がないのでリッドを取ってみると中はゴボゴボ大人しめの沸騰状態、、あら!沸いてたの〜!?そこで、フレームアジャスターを少しだけ開放してやると、、見事に蒸気を上げ出す。しかし、噴きこぼれず。

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* チタンリッドを被せて火力を少し絞った状態では、比較的穏やかな沸騰状態となる。

ちなみに、沸騰直前の火力調整をしないまま放っておくと、沸騰と同時にリッドは持ち上がり傾いて噴きこぼれ寸前に、、ただ、純正リッドのような激しい噴きこぼれは起きなかった。ふーん、、なるへそ〜となんとなく納得。


さてさて、この WIND BURNER を何に使う?
ズバリ!湯沸かししかなか〜。調理はしません!(すぐに撤回される宣言!)湯を沸かしてどないしまんの?

やっぱ、MSR だね
やっぱ、MSR だね
もちろん、このあたりですかね!付属のカップはカップヌードルの蓋おさえにもピッタンコ。

この WIND BURNER は隅から隅まで MSR らしい細かな気配りがされている。バーナー部が異常加熱を感知すると自動的にシャットオフする機構、その時のリセット方法、昼間の屋外でも点火確認できるインジケータワイヤーなどユーザーにとっては安心して使える部分、沸騰時間データ、消費するガス量のデータなども条件によるけれど使う側にはある程度の予測が立つ。これは不確定な要素を極力排除できる製品である。一番の不確定要素は
人による扱い方だろうね。 ponio でした

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やっぱ、MSR だね
この日の福岡は瞬間最大風速が14Mと超チビシー条件。そんな中でさらに風が強く吹き付ける海岸線の公園で湯沸かし。体を張って風を防ぎつつ、それでもかなりの強風の中、いつもと変わらぬ沸騰ぶり。
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キャプテンスタッグの PXガスをねじ込み氷点下の夜にガンガン湯沸かしに励むウインドバーナー。





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