2017年02月15日
モンベル・ムーンライト1型

今回は季節外れの虫干し特番。
出演は1990年代の終わりに大阪で買ったモンベルさんの《月下設営可能独居天幕》ムーンライト1型です。私のは今はもうカタログ落ちしてるメッシュインナーのタイプです。

透け透け〜恥かしい〜!(誰やねん!)
メッシュといっても本体のウォール部分のみ。ボトムはちゃんと普通の防水仕様(ボトムまでメッシュでどないしまんねん?!)

1998年頃 赤穂の海岸でソロキャンプ。海に照り輝く月光の白い道がホンマに綺麗な夜でした。

これも赤穂でのソロキャンプ。パタゴニアのオーガニックコットン製アロ〜〜ハが写ってる。この時のストーブは忘れもしないボルドーバーナー。そして石を組んでファイアーピットを作り米軍放出の固形燃料20個余りで湯を沸かしてラーメン作って食ったなぁ〜。

あれから20年近く経ちますノォ。福岡に移住した後も今度は奥さんと二人押し寿司状態でムーンライト INしてました。朝起きたら二人ともムーンライトの形に、、それは嘘だけど寝返りも打てずそれはそれはムギュッとした夜を過ごしました。

中はボトムもサラサラ〜〜。まだまだ使えまっせ〜。

フロントパネル外側のウレタンが少〜しベトついてる。
ただまだあのウンコ臭がしないので使えそうです。

ポールもピッカピカだぜ、おっかさん!中のコードはちぃとユルユルだけどね。まあこれも十分使えます。
問題は、、フライシートです。これがちょっとベトベトなんです。10年ほど前に住んでいた漁港近くのアパートがそれは酷い結露でして、あそこで保管していた同じモンベルのステラリッジ1型(旧型)やウレタンコートのザックやバッグ類はことごとく加水分解して、その後殆どが廃棄となりました。その中にあって同じ保管状況だったにもかかわらずこのムーンライトだけは加水分解を免れておりました。加水分解でベトベトのウンコ臭漂う有様となったステラリッジテントはこのムーンライトより数年遅く買ったものでしたが、、開聞岳の麓で雨の夜に水没したのを最後に天に召されました。

私はこのテントでは結露を経験していません。
しかし、2000年9月の《しまなみ海道》では明け方近くのテント内で持って行った湿度計の針が100%を指していたのを今でも覚えています。実はその夜は天候の崩れもなく綺麗な星空でしたのでフライシートはかけずにメッシュのインナーのままで過ごしました。そして見事に夜露朝露でツユダクな夜明けとなってしまったわけです。でもね、フライシート無しで眠った夜、ふと目がさめると白いメッシュ越しに真っ白なお月さまが冴えわたっていましたっけ。

2000年《しまなみ海道》写真のコピーより。これは生口島のサンセットビーチ。白いボードウォークにペグ無しで設営して張り綱をボードウォークの柱に結びつけて完了。海と砂浜を前にして一段高い位置に自分ひとり。なんと贅沢な時間よのぉ〜と夜を迎えて、、、そして訪れたガサゴソという何かが這いずり回る音、音、音、、。
何かと思いマグライトを点けてみると〜、、出たー!!
『ゴキブリー!!ゴキゴキー!』と飛び起きた。ライトで照らした途端に四方八方で蠢き回るゴキゴキ、、大きいのやら小さいの黒いのやら赤いの茶色いの、、オエ!
今思い出しても鳥肌実!

わたし、思わずテントを飛び出し張り綱をナイフで切ってザックなど荷物が入ったままの重いムーンライトを引きずって砂浜へと逃げのびました。

その夜、同じ大阪から自転車でやって来たと言う一人の少年と砂浜で晩飯食って(というか食わせてやった)、眠りに落ちた夜半過ぎに突如ラジオから《広島方面で激しい雷雨》との情報が流れてきます。そしてラジオがバヂバヂと鳴り始め夜目にも黒い雲が海の向こうから近づいてくるのがわかりました。先ず風が吹き出しました。そして稲光さらに雷鳴、これはヤバイぜ!とばかりにテントにコッヘルやらストーブなどを放り込みビーチハウス脇のトイレに逃げ込みました。それから約一時間余りの間、海水浴客の更衣室を兼ねた簀の子張りのトイレで少年と二人耳をふさぎ身をかがめて嵐が通り過ぎるのを待ちました。今で言うゲリラ豪雨です。凄まじい雷鳴と風雨、二本の雷光が天に向かって昇っていくと間もなく嵐はパタリと止み静寂と波音が残りました。砂浜に戻るとテントがありません。少年の自転車は倒れ寝袋はグショグショ、、、テントは、、あった!暗い砂浜のギリギリ波打ち際に突き刺さる様に逆立ちしていました。テントの中に置きっ放しにしたザックや道具が重石となって吹き飛ばされるのを防いでくれた様です。ただし、ゴキブリから逃れ砂浜にテントを置いただけ何も固定していなかった為、激しい風に煽られ転がっていった様です。

2000年9月 《しまなみ海道・大三島》多々羅大橋下の野営場にて雨に遭う。生口島ではフライシートごと吹き飛ばされたムーンライトでしたが、多々羅大橋では静かな夜雨でしたのでメッシュインナーでもまったく浸水なしでした。

2000年9月《しまなみ海道・見近島》にて。
入り江に面した藤棚の下にムーンライトを張る。
夜、またもや虫の襲来。今度はフナムシの大群、ゾロゾロぞろぞろ、メッシュ越しに這い回る大きなフナムシの影と何とも言えないフナムシ臭に悩まされ疲労困ぱいの夜明けを迎えて速攻脱出!そして今も消えないフナムシ汁の跡が白いメッシュウォールに残っています。

やれやれ、、とフナムシが去った後で撤収を始める。

そんなスッタモンダの旅の数々をこのテントと過ごしてきました。今こうして組み立て砂浜に置いてるだけで旅心がムズムズと湧き上がってくるのを感じます。もしまたザックひとつで長旅に出るとしたら、、私はまたこのテントを持って行くのだろうか。今ならもっと軽くて居住空間も十分なテントが色々と選べるだろう。でもね、やっぱりこのテントの設営の簡便さは大きな魅力なのだ。海外のブランドテントもカッコいいけど日本生まれの日本向けテントはやはり使い易いよね。ザックは時代に逆行して KELTY のエクスターナルフレームパックと決めている。その話はまた次の機会にね。
では今日はこれにて。
ponioでした。



2818.04.30
能古島の浜にて、、。この日は4月の終わり。気温は夏日。ムーンライト1はフライなしで代わりにスノーピークのポンタを被せて日除けにしました。ムーンライトのポールの前後は一絞り細くなっているので、それをそのままタープのループに通して固定します。風が心地よくメッシュを抜けて届きます。ペグは利かないので流木を削って砂浜に深く埋め込みました。昼寝も快適に、まだまだ20年もののムーンライトは現役す!