2016年07月11日
タフなブレード Queen のナイフ


タフで使い良く多くの仕事やキャンプで活躍した一本のシースナイフ。


Queen Cutlery #4180 GMB
ブレード鋼材 : D-2 フラットグラインド
ハンドル材 : グリーンメープルバール

米国のナイフメーカー Queen cutlery(オンタリオ社の姉妹会社)のシースナイフ#4180。セミステンレスとも呼ばれるD-2を鋼材にフルタングで造られたタフな一本。まだ円高花盛りの数年前(1$=70円程)に米国からの送料込みで¥7.000だった。2020年現在、クイーンカトラリー社はその門を閉じ製品の製造は行われていない、残念なことよのぉ。

一時、多くの庭仕事を抱えていた頃に庭師でも造園業者でもない自分がありったけの自前の道具を駆使して素人仕事に精を出していた頃、このQueenのナイフは庭仕事の道具として欠かせない存在だった。

頼まれた庭木を切ってそれを可燃物としてゴミ袋に入れる。その為に細かく切り分ける必要(ゴミ袋を突き破らない様に)があり、ノコで切った太い枝や幹をこのナイフが真っ二つに叩き割ってくれた。細めの枝はプルーナー(剪定ハサミ)が細かくしてくれた。

ゴミとして出す無数の掛け軸の空箱やら廃材をコツンコツンと叩いて割った。刃こぼれを起こす事もなく、雨の日の作業でも錆一つ浮かず、樹液にまみれて帰ってきても水洗いしてサッと研ぎ直し次に備えた。


とにかくタフなブレードで1日を通しかなりハードな作業にもへこたれることなく、良好な切れ味を保ち続けた。はじめ単なるフラットグラインドの粗末な刃付けしかされていなかった如何にもアメリカ的なナイフが使い込むうちに研ぎ直す度に鋭さを増して、最終的にコンベックス(ハマグリ刃風)気味に研ぎ直してからは本当に良く切れるタフで信頼できる一本となった。何でもかんでもコンベックス気味が良いわけではないけれど、この一本は見事に化けました。

頑強なフルタング構造。なれど、、ハンドルは天然の素材だからいつかは割れると意識していた、、。

それが今年の冬に行ったデイキャンプで太い落ち枝を割っていたところ、、、
不用意にハンドルを叩いてしまい、結果、割れてしまった。痛恨の100%完全なミス!

わかりますか?ハンドルのヒビ。実際には補修済みで、方法はソニーボンドで固めただけ、如何にも自分らしい《あり物使いのやっつけ仕事》也。いつまで持つかわからないけれどタフなブレードは健在だから何とか使い続けようと決意も新たに明日へと漕ぎ出すアタシです。

2019年の正月キャンプで太薪をバトンで叩き割る。このタフさと落ちない切れ味こそ、このナイフの真骨頂!


シースにも年季が入りストラップ無しではユルユルに。そこでいつもの技を導入。硬質のウレタンスポンジを切って内部に貼り付け、ついでにストラップは外してしまいます。これだけで十分にナイフを保持出来て抜き差しが簡単になります。

《切れっ切れな三銃士》
左から、、Queen#4180GMB、MORA 860MG、ENZO 95
木材に対する切れっ切れ具合はどれも優劣つけ難く、どれも気持ちのいい切れ味とタッチだがブレードのエッジのタフさはやはり Queen #4180が一歩抜きに出ている。

わが家の《叩かれ》組に属する二本。左: lionsteel M 5、右: ESEE 4 SS 。これに 今回の Queen を加えて『叩かれ三羽烏』と呼ばれている。どれもタフでシャープ。サイズ的には Queen が一番小さい。
Posted by ponio at 11:32│Comments(0)
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