2017年10月09日
SVEA 123Rも持っていきまひよ


SVEA 123R
私が初めてのバックパッキングに持ち出したストーブです。あれから20年近くが経ちます。10年目に残り火トラブルでグラファイトパッキンを一度だけ交換しました。それ以外は使用中のトラブルは一度もなく毎回同じ手順で予熱し点火して使ったあとは手入れも殆どしない。上の写真は20年近く使い続けて初めて金属磨きで軽く磨いた時のもの。普段はくすんだ真鍮色をしています。こうして特別手を掛け大切に扱ってきたわけでもない一台のストーブを Coleman 442と共に次のキャンプに持ち出してみようと思います。



SVEA 123R のポットサポートは三本。可動式で内向きと外向き、またはそれぞれに向きを自由に変えられるから軍用のキャンティーンカップのような歪な底面を持つクッカーでも乗せられます。ただし、底面積の大きな鍋やエナメル(琺瑯)の鍋などは滑り落ちたりするから傾斜の少ない置き場所を選んだ方が良く、調理中に中身を混ぜる時は必ず鍋の取っ手を掴むように注意が必要です。


鍋底の面積が小さなクッカーはポットサポートを内向きに。これならチタンマグも余裕で乗せられます。



MSR のストアウェイポット1.1Lを乗せるとこんな感じ。ポットサポートは外向き。


Trangia のツンドラ2 の1.75Lのソースパンを乗せるとこんな感じです。ツンドラシリーズのソースパンは鍋底に滑り止めのサークル加工が施されているので安心です。

この写真は SVEA 123R を最大に近い火力で燃焼させているところです。小さなバーナーヘッドから四方に広がるようなフレーム(炎)のパターンです。そして更にポットサポートの高さにドラゴンフライとの違いがあります。

さてこの写真は MSR のドラゴンフライストーブのものですがご覧の通りバーナーヘッドが SVEA 123R とよく似ています。
ドラゴンフライのポットサポートはバーナーヘッドから約2.8cm の高さにあります。しかもドラゴンフライのフレームパターンは SVEA 123R のそれよりも小さく、その為に鍋底の中心部にフレームの熱が集中することになります。特にステンレスやチタン製のクッカーでは熱伝導の関係で加熱にムラが生じます。たとえば餃子を焼く時のようにフライパンに乗せたままかき混ぜることのない調理では真ん中と周囲で焼け具合や火の通りがかなり違ってきます。一方のSVEA 123R はバーナーヘッドから約1.8cmとよりフレームに近い位置でクッカーを保持できます。そしてフレームもドラゴンフライより大きく広がる為 SVEA 123R の炎は容易に鍋底まで届き、最大火力時には鍋底に当たって程よく広がります。このことで調理の際にも火の通りにムラが少ないのです。

SVEA 123R は火力の調整も自在です。クッカーのラーメンを吹きこぼさず炊飯も強火から弱火で炊き上げることができます。

Coleman 442 にストアウェイポット1.1Lを乗せたところ。安定感があります。バーナーヘッドも大きく広範囲に加熱できます。火力調整が大まかに二段階の現行品ではタンク内の燃料の量とポンピングの回数を調節(少な目に)することでやや弱めの火力まで落とすことも可能です。通常のポンピングの回数でも点火から時間が経つと次第に火力は弱くなります。この時、燃料調整レバーを少し絞ってやると弱火になりますが、そのまま放っておくと火が消える場合があるのでバーナーヘッドに青い火が灯っていることを確認しながら、もし消えそうになったら追加のポンピング(少なく)をするか燃料調整レバーを強火の方に少し回してやります。個体差もあると思いますがウチの Coleman 442はそうやって扱っています。
さてさて、 SVEA 123R をキャンプに持ち出すとすれば9年ぶりくらいかな。シーズンオフの加部島のキャンプ場で一泊した時以来です。

SVEA 123R のプレヒート(予熱作業)と暖機運転は急ぐ時には焦れったいけどキャンプのゆったりとした時間の中ではそう気になりません。
我が家のキャンプスタイルは基本的に《ワンデイハーフ》です。つまり一泊プラス翌日はデイキャンプの組み合わせです。これなら午前中の撤収に追われず夕方までのんびりと過ごせます。特に夜明けの遅い晩秋から冬場は明るくなってから火を焚き飯など作り出すと撤収がバタバタです。そうでなくてもウチの奥さんは朝が遅いので それから何かやりだすと撤収には間に合いません。焚き火台などを持っていなかった頃はアルコールバーナーやガソリンストーブでさっと作れるものしか食べていませんでしたから撤収もパパパっと済んでいたのですがね。
焚き火をやりだすと翌日の撤収前に炭や灰の始末、煤で汚れたクッカーなどをざっと洗うなどバーナーにはなかった後始末が待っています。特に七輪などは一度蓄熱したらなかなか冷めないので車に積み込むこともできません。だからキャンプの翌朝は連泊かプラス・デイキャンプの時以外は極力大きな火は焚かないように決めています。そしてそんな時こそ液体燃料を使うストーブやバーナーの出番なのです。
SVEA 123R はバックパッキングとデイハイクの日々を支えてくれた大切なストーブです。キャンプに持ち出すことはあまりないけど自分のためにザックの隅に忍ばせて行こうかと考える今日この頃です。
ponioでした。
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