LionSteel M5 ライオンスチールのナイフ
この一本のナイフは北イタリアの Maniago という町で作られた。武骨だけど洒落っ気のあるイタリア〜ンなシースナイフである。これを作った 人は"molletta"というニックネームで呼ばれている。
このナイフは MANIAGO にある LionSteel という刃物メーカーが製造したイタリア製のシースナイフです。モデル名は《 M5 》そのあとにハンドル材を示す《 Olive wood 》がつく。
Google mapより
ニカ〜と笑ういかにもイタリアンなおじさん。
“molletta” さん(ニックネーム)が作ったアルよ。
《本名は Michele Pensato)ニカ〜〜( ^ω^ )
この イタリア製のナイフはフィンランドの Lamnia から取り寄せました。オーダーから1週間という迅速さでした。
イタリアらしい男前なシースナイフです。
ブレード長は約 4.5 inchだから自分が持っているシースナイフの中では ColdSteel の S.R.K より小さく、ENZO 95 より大きい。雰囲気はまるで変わるがブレード長だけなら愛用の MORA 860 とほぼ同じです。ただこちらは MORA に比べるとかなりの幅広なブレードです。
これもイタリアらしい本革のシースが付属します。いい出来ですわん。箱を開けた時の第一印象は意外と《大きくない》でした。
ハンドルは触ってみるとツルッとしているが平面的ではなく立体的。滑りそうで滑らない不思議なグリップである。
ハンドル材もイタリアらしい Olive wood。
精巧な造形美です。ハンドル材からブレード鋼材がムニュっとはみ出たフルタングのシースナイフです。
鋼材は UDDEHOLM の Sleipner tool steelです。このブレードの硬度を示す値はHRC60〜61となっています。これは中々のお硬いブレードです。自分にとっては初物の鋼材ですが UDDEHOLM のwebページを見ると、、
優れた耐摩耗性と耐チッピング性、高温焼き戻し後の高い硬度、、などなど鋼材としての優れた面がいろいろ書かれておりました。しかしその鋼材を活かすも殺すもナイフメーカー次第なのであります。さて、LionSteel や如何に!
クリップポイントなブレードデザイン。
M5 には他にも PVDコーティング(耐摩耗性皮膜形成)された Sleipner鋼のブレードもある。デザインはなかなか威圧的な刃物らしい面構え。でもね、、ちょっとひっくり返すと、、
ブレードの背(スパイン)から後端のランヤードホールを経てハンドル下面までエッジというエッジがきれいに丸められていて、この点は ENZOとは対象的。ENZO 95 はキリッと立ったエッジのソリッド感が魅力の一つですが LionSteel のM5はこのエッジを丸く仕上げることで武骨なデザインをかなり柔らかなものにしているのです。やんわりと膨らんだサム・ランプにも滑り止めは施されておらず、それが変に握り方を固定せず絶妙の握り心地。
Olive wood のハンドルは精巧な加工が施されています。湖面に立つさざ波のようです。
ブレード長は 4.5 inch で幅広です。
左の ENZO 95 は北欧系の伝統的なスカンディグラインド。木材をスイ〜スイ〜と軽やかに滑らかに削れます。右の Lion Steel M5 はこの北欧系スカンディグラインドでも、米国系のフルフラットなブレードシェイプでもありません。しいて言えば昔からあるクリップポイントやボウイタイプかな。このブレードは形こそオーソドックスなれど Sleipner という鋼材を得て新たなチカラを宿したブレードなのです。
バトニングしてみましょう。
ブレード上部の厚みが落ち枝を先へ先へと押し開くように割ってくれます。
ふ〜〜ん、イケるね〜Lionちゃ〜ん。
クルクルカールしてみると、、予想に反してなかなかスムースなタッチ。軽く削れます。
では ENZOでも、、こちらは流石のスカンディナビアグラインド!スイ〜〜と美しいカールヘアーの出来上がり。
M5 はミュージカル《アニー》の主人公みたいなクリクリカール。
円蔵さん(ENZO)は風に揺れるような軽いカールヘアー。美しいもんですわ。
“molletta”さんの美しくもタフなシースナイフ。イタリアらしい洒落っ気も忘れていない。 そしてバリ、切れる! (関西ではゴッツゥ切れまっせ〜!)
ほんなこつ良か刃物デスパイネ!(ホークスファンか!)
ぶっとい楠の枝をバトニングする。これは4.5インチのブレード長の M5 にはギリギリ可能な太さ。それなりに抵抗も感じたけど最後はパカッーンと割れてくれた。ブレードのエッジに光を当てて乱反射する部分がないか確かめるがチップ(欠け)も潰れも確認できず。ペーパーカッティングで引っかかりを探すがこれもクリア。うーむ、ライオンなかなかやるのぉ〜。
2017.06.26 追記
革製のシースは使い込むほど味が出てくる一方で緩みやクセも出るもの。特にこの固定用のストラップは頻繁に曲げられるので外側に開くようなクセがついてしまう。
革が柔らかくなることでコシが失われてホックのキレが悪くなるのだ。贅沢言えば、実銃用のホルスターの様にこの部分(サムストラップ)に焼入れした薄い金属板を貼り付けてくれると良かったのだが。
ランヤードホールにパラコードを通す。ループはいつものフレックス 2ループ。写真右のループには手首を、左のグリップ側ループには小指を通す。残る4本でグリップエンドを握りチョッピングする。
木材に対するタッチ(当たり)は ESEE や ONTARIO のフラットグラインドとは明らかに違って感じる。非常に鋭く軽いタッチで削れる。
2017.09.02 追記
キャンプ地にて拾った枝や木材を削りバトンする。
木材はかなり乾燥が進んでおりバトンはかなり手こずったが何とか燃やせる状態まで割ることができた。ブレードはほぼ無傷。切れ味も変わらず。ここ何年か北欧系のブレードシェイプに慣れ親しんできたせいか、このナイフの鋭いがカチッとした硬いタッチの使い心地にほんの少しだけ使いにくさを感じた。木材に対する細かな作業はやはり北欧系のブレードが勝ってる。でも、このタフさは Queen の D2ブレード以来と実感できる。
2018.01.08
これまで3度のキャンプと他にデイハイクなどに連れ出してバトニングなどかなりハードに使いました。顕微鏡レベルの話は別にして、これがなかなかタフでして、ブレードには目立った傷などは見当たらず、使用後にエッジの欠けや潰れをチェックする為のペーパーカッティングでも新品同様の超シャープな切れ味を保っとります。
う〜む、、モレッタさんなかなかやります。
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