ボンヤリとした日曜の午後、西に傾き出した陽が差し込んでる。テレビで珍しく古い映画をやっている。1969年のフランス映画だ。
主演はジャンギャバン、アランドロン、リノヴァンチュラなどの豪華顔ぶれでおまけに日本語吹き替えだ。声優さんたちの声も皆若い!ボンヤリとした日曜の午後はこんな映画を見るに限る。この時代、アランドロンは最後は撃たれてお終い。それもお決まりだ。
さて今回は8年も前に買った ARCTERYX のバックパックをご紹介。いまさら目新しい内容でもないのでボンヤリとめくってちょうだい。
ARCTERYX blade 24
収納は全てファスナーによる開閉でポケット、スリットは全部で6ヶ所。トップには傷防止の内張りが施されたポケット、そのすぐ下には少し深めのポケット。背面の右下部には薄手の物なら入るパスポートポケット、そして右サイドには二つの大きなスリット、前面にはペンや小物を収納できるオーガナイザー的スリットが設けられている。
この ARCTERYX blade 24は登山向けのザックではない。
グレゴリーやケルティのデイパックのような手軽になんでも放り込める物でもない。これはシティーユースのビジネスパックだ。背面に近い大きなスリットはラップトップPCを収納でき、その為の保護パッドも付いている。
ウォーターボトルやストーブ、クッカーなどを持ち歩くためのザックとはかなり違う。素材は420デニールナイロンで素晴らしく、パックそのものもカチッとした張りがあって型崩れしない。購入から8年経つがいまだクタッとなっていない。このカチッと感こそこのパックの特徴なのだ。
このパックのカチッと感はここにも感じることができる。背面のパッドとショルダーストラップ及びそのパッドだ。これがなかなかのカチッと感。背面パッドも汗や蒸れ対策のデザイン(あれも効果あるのかわからないが)ではない。ショルダーストラップの上部の付け根は左右が殆どくっついたデザインでこれが背負った時にカチッと感を助長する。ショルダーパッドもまたカチカチだ。
これら背負い心地に直結する個所がどれもカチッとしているため背負った感じもまたカチカチだ。
これを買ったのは今の仕事を立ち上げて間もない頃で、持ち歩く道具なども多くなかった。あの頃はこれでいけてたのだ。しかし、それでもこのパックを背負うと必ず肩と首がカチカチになった。勿論、今でも時折これを背負って仕事に行くがやはり帰宅すると首肩がカチカチに凝っている。私はラップトップなどは持ち歩かない。これにPCを収納して仕事に行くなど考えたくない。それくらいカチカチの背負い心地なのである。カチカチ。
このショルダーストラップの付け根がネック。まさしくネックを左右から挟み込む。今時の若者の様に腰のあたりまでズンダれて背負えば問題ないだろうが、、、やりたくない。普通に背負えば首の両側が圧迫される。特に移動の殆どを自転車でする私の場合、ハンドルを握ろうと前傾すると自然にこのストラップとカチカチのパッドが首を圧迫、体を起こせば今度は肩をカチカチ圧迫。むむ〜こりゃ相当のカチカチ野郎だ。
手提げハンドルは二ヶ所。上と右サイドに一つずつ。
このパックは全体的にカチッとした張りがあり、容量的にもデザイン的にも大きくは膨らまない。だからこのハンドルを使って手にぶら下げても中身のズレ重なりが少なくパックの形状が変わらない。
実は今よりもっと若かった頃からこんなカチッとしたザックが欲しかった。20代の頃にはザック全体がFRPのような素材で作られていて、それをチタン製のフレームに取り付けて運ぶ、そんなシステムのザックを考えたこともあった。ザックのフィット感を崩さないように休憩時はフレームとの接続を外して樹脂製のパック部分だけを下ろす仕組みを考えてた、、、ボンヤリとね。
ケルティや米軍のアリスパックみたいなエクスターナルフレームのパック部分が型崩れしないツルツルの樹脂でできてる、、そんな感じの。
それから間もなくボブルビーのリュックが世に出て、、うーん、、惜しい!でも近い近いでも惜しい!ってなったの覚えてる。今ではボブルビーも名前とプロダクツが別会社に移譲されたとか。
とにかく当時は形の崩れないハードまたはセミハードなザックが欲しかったのです。そしてそれから月日が経ちまして私が新天地で手に入れたのがこの ARCTERYX の
シティーユースパックだったのです。
*グレゴリー デイ& ハーフ 背負い心地は抜群。
でもね、この ARCTERYX のパックは残念ながら背負い心地は登山用やバックパッキング用、同じシティーユースでも有名ブランドのデイパックからは程遠く、必ずしも快適とは言えません。背負えば体カチカチで、走ればユサユサ暴れるし、ただ、書類などの整理収納には便利ですので病院や施設関係のお仕事の時にはこれを背負っていくのです。そしてロボコップみたいなカチカチな動きで帰宅します。
派手すぎず主張しすぎずそれでいてカッコいい。
そこがいまだ手放さずに使い続けている理由ですかね。
今日は日曜日、仕事が一件あって、高齢者の退院介助(支払いや薬の受け取り、担当医とのやりとり、今後の注意点、入所施設への連絡と車の手配、送迎など)をこのパック背負ってやってきました。クリアファイルに入れられた病院からの手紙や処方箋、当分の薬、保険証や手帳、お金などを入れたクリアポケットはラップトップ用のスリットに入れてきました。こんな使い方が出来るのも、体がカチカチになるのも全てはこのパック特有のカチッと感のおかげです。
あぁカチカチ、カッコいいのに惜しいね〜〜。
ponioでした。